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2007年7月13日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は十二日夜、ＮＨＫ番組「ニュース７ 党首リレーインタビュー」で、質問に答えました。大要を紹介します。
「たしかな野党」とは
――自民でも民主でもない「たしかな野党」と訴えているが、野党の中で共産党は何が違うのか。
志位 私たち、たとえばですね、いま庶民の家計を住民税の大増税が襲っていますね。定率減税を廃止してしまった結果、大変な増税が襲っています。そしてその先に消費税の増税ということが秋に持ち上がってこようとしています。こういう庶民の大増税ということを、いま安倍・自公政権が力まかせにやろうとしている。
そのときに、いま野党のなかで、庶民増税反対という旗を、しっかり掲げている政党というのは日本共産党です。ほかの野党、民主党などにはなかなかその旗が見えてまいりません。
それからいま、今度の選挙で、自民党が「マニフェスト」のなかに、「三年後の国会で憲法改定の発議を行う」ということを明言し、九条改定の宣言をするという状況になっている。憲法改定への暴走を始めていると。
そのときに、九条守れという旗印をはっきり掲げているという点でも、日本共産党の役割は大きいと思います。
いま、安倍・自公政権が力ずくで、平和を壊し、くらしを壊す暴走やっているときに、それに正面から立ちはだかる勇気と立場と信念を持った政党が必要だと、「たしかな野党」と訴えているのはその意味です。
民主党との連携
――旗が見えないと言った民主党だが、民主党の小沢代表が野党で過半数を確保できなければ、今季限りで政界の引退を表明したが。
志位 これは他党の幹部の出処進退のことですから、私がコメントするのは適切ではないと思います。
――将来的に民主党との連携についてはどう考えるか。
志位 政権の協力という点で言いますと、これはその条件はありません。憲法の問題、あるいは消費税の問題、大きなところで考えが違いますから、政権協力の条件というのは率直に言ってありません。
ただ、さまざまな自公政権の側の暴走を国会のなかで食い止めるうえで、連携するというのは、これはあり得るかもしれません。しかし、政権の協力ということになりますと、その条件はないというのが現状です。
年金記録問題での立場
――年金の問題は民主党の追及でクローズアップされたという印象が非常に強いが、共産党としてはどう取り組んできたか。
志位 この問題、大きな問題になった後に、私たちは、この問題は党利党略で扱っちゃいけない。やはり国民の利益第一で、与野党が知恵を出し合って、協力して解決すべき問題だという立場から、さまざまな提言をしてまいりました。
とくに、いますぐやるべきは、現在政府が把握している年金保険料の納付記録を、すべての受給者・加入者のみなさん、すなわち一億人の国民にお知らせすると。「不安がある人は聞きに来なさい」というのではなくて、国のミスなんですから、国の責任で国民お一人お一人に通知すると。「一億人レター作戦」と私たち呼んだんですが、それをやるべきだということを言ってまいりました。この点では政府も、今度の新しい方針のなかに取り入れましたから一歩前進だと思っていますが、実施の時期が来年度だということで、これは遅いですね。すぐやる必要があると。これをやりましたら「宙に浮いた年金」や「消えた年金」の解決の上でも大いに役立つと思います。
赤城農水相の事務所費問題
――赤城農林水産大臣を支援する政治団体の事務所費をめぐる問題がとりあげられましたけれども、この政治と金の問題をどのように対応していく考えか。
志位 やはり疑惑についての真相究明が必要です。赤城さんの件についても、やはり架空の事務所であったのではないかという疑惑がいよいよ濃厚になっていると私は思っています。
最初にともかく、お父さん、お母さんが、「事務所として使っていない」という証言があることは大変重いものがあります。それから先ほどから聞いておりますと、実家と水戸と下妻と三つあってそれを合算したものだというんですけれども、合算の内訳も明らかになっていない。そして領収書も明らかにしないということになりますと、これは疑惑があるということを、自ら語っているようなものです。（疑惑が）ないというのだったらまずきちんと領収書を明らかにして、国民の前にすべてを明らかにすることが必要です。
やはり「政治とカネ」の問題は、真相をきちんと明らかにする、疑惑をきちんと明らかにすることぬきに制度いじりのほうをいくらやっても、問題は解決されないということを言いたいと思います。
参院選の目標
――今回の参議院選挙の目標議席はどこにおいているか。
志位 私たちいま（改選）現有五議席でありますけれども、今度は比例代表だけで六百五十万票以上の得票を得て、五つの議席は必ず確保したい。そして現職区は東京ですが、必ずバトンタッチを成功させたい。そして四十七すべてで公認、推薦候補を立てていますが、全部で勝利を目指してたたかいます。ただそのなかでも、回復区である神奈川、埼玉、愛知、京都、大阪、そして兵庫、この六つは、ぜひとも勝ちたいと思っています。
――共産党は国政選挙では退潮傾向となっていますけれども、この選挙戦にかける決意を聞かせてください。
志位 この間、「自民か、民主か」ということで、共産党を選択肢の外に置くという流れがかなりつくられるもとで、一定押し込まれました。
しかし、今度の選挙は、安倍内閣が本当にひどい暴走をやっている。しかも暴走しながら、私は今日の演説で「欠陥車が暴走している」といったんですが、スキャンダルは出る、暴言は出る、「欠陥車」が暴走するのは本当に危険な状態です。
それに対して、本当に正面から立ち向かえる政党は共産党だということが、今度の選挙で非常にくっきり出てきていると思っています。
ですから今度の選挙は、本当に私たちが力を尽くせば、前進が可能だというたたかいですから、必ずチャンスをものにしたい、力を尽くしてがんばりたいと思っています。
