2007年5月9日(水)「しんぶん赤旗」

侵略美化の靖国の立場を政府として肯定する行為

志位委員長が強く抗議

安倍首相の靖国神社に供物奉納で


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(写真)質問に答える志位和夫委員長=8日

 日本共産党の志位和夫委員長は八日、CS放送・朝日ニュースターの番組で、安倍晋三首相が靖国神社に五万円の供物を奉納した問題について、「首相として供物をささげたとなれば、靖国神社の政治的思想的な立場を政府として肯定する行為になる。非常に重大であり、強く抗議したい」とのべました。

 志位氏は、靖国問題の一番の本質は、同神社が過去の日本の侵略戦争を「自存自衛」「アジア解放の聖戦」とする立場から全面的に美化し、宣伝することを使命としていることにあると指摘。「そこに首相が参拝したら、その神社の立場に政府としてのお墨付きを与えることになると、私たちは批判してきたが、供物を出す行為も同じ意味を持ってくる」と強調しました。

 また、今回の首相の行動は、過去の公的言明に照らして、「村山談話」「河野談話」を継承するとした安倍首相自身の答弁にも矛盾すると厳しく批判しました。

 志位氏は、歴史問題をめぐる安倍首相と小泉純一郎前首相の違いについて、「小泉氏の場合、五年連続の靖国参拝強行など、その行動は“靖国派”そのものだったが、彼の歴史観についていえば、“靖国史観”を公然と語ったことはなかった。私との国会質疑でも『靖国神社の立場とは違う』とのべた」と指摘。安倍首相については、「内心では“靖国派”そのものだ。昨年十月の私との国会質疑では、靖国神社の歴史観と自分の歴史観が違うとはいわなかった。彼は靖国参拝については語らないという“あいまい戦術”をとるというが、この彼の内心が、今度の供物の問題であらわれた」と指摘しました。