2005年8月29日(月)「しんぶん赤旗」

サラリーマン大増税

号令かけたのは与党税調

志位委員長追及


■「撤回しない」 自民幹事長

 日本共産党の志位和夫委員長は二十八日、フジテレビ系番組「報道2001」とNHK「日曜討論」に出席し、各党代表と討論しました。

 このうち「報道2001」では、サラリーマン増税の計画を徹底して隠そうとする自民、公明両党と、そのねらいを明らかにし、真っ向から対決する日本共産党との対比が、くっきりと浮かび上がりました。

 自民党の武部勤幹事長は、「取りやすいところから取るというサラリーマン増税は断じて許しません」とのべ、政府税調が六月に示した定率減税の廃止と各種控除の見直しによる増税を、与党はやらないかのように言いました。

 これにたいして志位氏は、昨年十二月の「与党税制改正大綱」を示し、そこに「控除見直し」と書かれ、二〇〇六年の通常国会で法改正するとまで明記していると指摘。「与党が増税の号令をかけたのを、政府税調が具体化したというのがことの本質だ」と解き明かしました。

 武部氏は、与党の税調の文書を突きつけられ、言葉に詰まり、「サラリーマン増税とは書いていない」などと言い訳に追われました。

 「増税しないというなら、与党の税調の方針を撤回するのか」。志位氏の追及に、武部氏は「控除の見直しがなぜ増税か。撤回しない」と開き直りました。

■与党のサラリーマン増税方針めぐり激論

■志位委員長 増税しないなら撤回するか

■武部自民幹事長 撤回じゃないですよ

 二十八日放送のフジテレビ系番組「報道2001」でサラリーマン増税をめぐり、日本共産党の志位和夫委員長と自民党の武部勤幹事長との間で、次のようなやりとりがありました。

 志位委員長 先ほどサラリーマン増税やらないとおっしゃられたけど…。

 武部幹事長 やりません。

 志位 じゃあね、これ持ってきましたけど…。

 武部 それ政府税調のでしょ?

 志位 違います。与党税調です。去年の十二月十五日に自民党、公明党の与党が「平成十七年度、税制改正大綱」を出したと。

 武部 サラリーマン増税やると書いてませんよ。

 志位 その中にですね、所得税においては、「控除の見直し」を行うと。「控除の見直し」を行うと書いてあるでしょ。それでこの「控除の見直し」のためにですね、二〇〇六年の通常国会において税法の改正をやると。つまり来年の国会で「控除の見直し」をやると。「控除の見直し」というのは、いま政府税調が出した配偶者控除、扶養控除、給与所得控除の見直しでしょう。

 武部 それは税の公平性を欠くということで…。

 志位 いやいや、「控除の見直し」と書いてあるんですよ。ですからね、与党がこの増税の号令をかけたのを政府税調が具体化したというのが、ことの本質ですよ。じゃ、もしやらないっていうなら…。

 武部 あなたね、自民党みたいなこと言わないでくださいよ。(私は)自民党の幹事長だから、いま言ったことが正しいのです。

 志位 いやそうじゃない。じゃあね聞きますが、サラリーマン増税をやらないっていうのだったら、この与党の税調の方針を撤回しますか?

 「控除の見直し」って書いてあるんですよ。撤回するのですか、どうなのですか?

 武部 控除の見直しが、なぜ増税ですか。だから撤回じゃないですよ。

 志位 撤回できないでしょう。