2001年1月 11日(木)「しんぶん赤旗」

CS放送・朝日ニュースター 志位委員長明快に語る

アメリカの現状をどうみるか

日本はどう対応すべきか


 日本共産党の志位和夫委員長は九日、CS放送朝日ニュースターの「各党はいま」に出演し、朝日新聞の佐々木芳隆記者の質問に答え、アメリカの現状をどうみるか、日本はどう対応すべきかについて発言しました。その大要を紹介します。


 佐々木 二十一世紀を迎えて志位委員長も少しインタビュー疲れでないかと思っているんですが、きょうは共産党本部に志位委員長をおたずねしてお話をおうかがいします。さっそくですが、志位委員長が近く訪米されて、アメリカの当局者と意見を交換するのではないかという報道が一部にありましたが、どうなんでしょうか。

アメリカとは対等・平等の関係を21世紀に開きたい

 志位 これは、そういう具体的な計画や日程が決まっているというわけではないのです。ただ、私たちは、アメリカというのは、太平洋をはさんだ隣国として、大いに交流と友好の関係を本当の意味でつくっていきたいと考えています。いまのような日米安保体制という従属の関係ではない、対等・平等の関係を二十一世紀に開きたいと思っていますから、可能な条件ができれば、アメリカに行きまして、進歩的な諸団体の方々などと懇談する機会があればと思っています。まだこれは、具体的な段取りがつまっている、機が熟しているというところまではきていないんです。

バブル経済が崩れつつあるアメリカ──矛盾を押しつける動きに警戒

 佐々木 共産党はアメリカを論ずるという場合、日米安保条約というものを廃棄をする、否定をするという立場から、いろんな議論をなさってきたわけですが、広範にアメリカを論ずるという機会がそれほどわれわれの記憶に残っていないものですから、きょうはぜひ、新しいテーマで話をおうかがいしたいと思います。まず、年明け早々からいろいろアメリカ経済をめぐって金利の問題とかいろいろ出ていますが、景気の動きについてどうご覧になっていますか。

 志位 アメリカの経済というのは、この間、好景気が続いてきたといわれてきたのですが、その実体は、バブル経済だったと思うのですね。しかも、このバブルというのは、アメリカというのは世界一の借金国でしょう、つまり外国の借金で、人のお金でバブルをやるという、かなり節度のないバブルが続いてきたわけです。これが、崩れ始めたというのが、いまの実態だと思います。

 この過程というのは、いわば不可避的に起こる経済の調整の過程です。問題は、アメリカという国が、自分の国の経済が困難に陥った場合、世界にその矛盾を押しつける、とくに日本に押しつけてくる、この動きが一番、警戒をはらわなければならない点ですね。

 佐々木 アジアにしても、日本にしても、中国もそうですが、アメリカという巨大なマーケットは、債務を背負いながら資金の流入をうけながら、やっている経済ということになりましょう。半面、大きなマーケットとして、買い物をしてくれているわけですね。それが、くしゃみをしますと、日本やアジアは肺炎になるのではないか、というようなことがよくいわれますが、そういう意味でなかなか影響力が大きいだろうと。その角度からはいかがですか。

アメリカ経済の矛盾を日本国民にかぶせるべきでない

 志位 影響が大きいことはまちがいありません。とくに貿易という点でも、アジア経由の影響が、いま日米間の影響として、強まってますし、それから、株という点でも、かなり日米の株が連動するということは、これは大きな影響が出てくることはある程度避けがたい面があるんですね。

 ただ、さきほどいったように、そういうことが起こった際に、どういう政策を日本側がとるかということが大事だと思うのです。

 これは、苦い経験がありまして、一九八五年の「プラザ合意」がありますね。あのときに円高と低金利というのが、日本に押しつけられてきた。その結果、日本の経済がめちゃくちゃになりました。

 とくに、「プラザ合意」以降、アメリカの金利よりも日本の金利のほうがつねに低く抑えられる、この日米金利差という状況がずっと続きました。そういう形で、アメリカの経済を支えるための資金を確保すると。つまり、アメリカの高い金利を求めて、日本のマネーがいくように、つねに日米の金利差がつくられる、これが政策的につくられる。そのおかげで、まず、(日本経済に)バブル経済が起こりましたしね。それから、国民からすれば、超低金利政策で、何十兆円という規模でなけなしの預貯金の利子が目減りするという事態が押しつけられて、日本の国民が非常にひどい事態におかれたわけですね。

 たとえばこういう金融面でのアメリカによる拘束という事態が続いてきたわけですから、今度、アメリカが二度にわたって利下げをやりましたね。そうしますと、日本に対して同じ圧力が加わって、日本はいま事実上のゼロ金利ですけれども(佐々木「もうこれ以上下げられませんね」)、これ以上下げられない。ですから、これをゼロ金利のまま続けろという圧力になるでしょうし、それから、「調整インフレ」という形で、これは(事実上の)マイナス金利ということになりますけれども、そういう形で日本に金融面での圧力がかかってくる可能性があります。

 それから、きょう(九日)、報道されていましたが、ブッシュ次期大統領が、市場開放の要求を、外国にたいして強めるということもいわれております。そうなりますと、この間やられてきたような規制緩和の名で、農産物の輸入自由化をどんどんすすめる、それから、大店法の規制緩和・撤廃をやる。こういう流れも、日本の農家や地元の商店街のみなさんを痛めつけてきたわけですが、そういう形でのいっそうのしわよせが押しつけられてくるという危険があるのですね。

 ですから、アメリカ経済自体のバブルの崩壊は避けがたい事態だけれども、そのときに日本の政府が、経済の面で自主性を発揮して、アメリカの矛盾を日本国民にかぶせるような立場をとるべきではない。ここが大事ではないでしょうか。

経済の地球規模化──民主的な国際経済秩序を

 佐々木 ただ日本には、自由貿易で国内産業、あるいは国内の中小零細の人たちが受ける影響と同時に、自由貿易体制の利益を享受しているという両面がありますね。調整が難しい気がしますが、いかがですか。

国際的な経済機構・機関の民主的改革が大事な課題に

 志位 経済の全体がグローバル化する、国境をこえて資本や市場が拡大していくというのは、ある意味ではこれは資本主義のもとで避けがたい傾向ですが、ただその場合に、アメリカの多国籍企業や国際金融資本の利益が最優先になって、それぞれの国民経済が犠牲になるという形での「グローバリゼーション」というのは、国際的な規制が必要だと考えているのです。

 民主的な国際経済秩序が必要だということが、いま発展途上国からもずいぶん声があがっていますし、国連の諸機関などもそういう提言を出していますけれども、そういう方向が大事ですね。

 佐々木 コンピューターの時代、サイバー・スペースなどといいますが、あたかも国境がないような経済活動がどんどん日増しに激しくなっていますね。その秩序を考える場合、どのへんが主体になってくるのでしょうか。

 志位 これはいろいろな場があると思うのですけれども、国連という場がありますし、WTO(世界貿易機関)だとか、IMF(国際通貨基金)だとか、OECD(経済協力開発機構)だとか、すでにある諸機関がありますね。

 これらの国際機関というのは、いまはかなりアメリカ主導の機関ですが、その機関自体の民主的な改革をやっていく。たとえば、WTOなどでも、農産物の問題についてはWTOからはずせと、日本の農民のみなさんは要求していますね。WTOひとつとっても、国際的な調整の機関の民主的な改革というのが大事な課題になってきますね。

 佐々木 APEC(アジア太平洋経済協力会議)ですとか、ほかにも地域のいろいろな、アメリカ主導のものだといえばそれまでですが、G8とかそういうものがいくつかできて、実務的な動きをしていますね。やはり、国連のほうが重要ですか。

 志位 国連も大事だと思います。国連開発計画(UNDP)や、国連貿易開発会議(UNCTAD)などで、かなり発展途上国の声も反映して、新しい対等・平等の国際経済秩序を求める動きが強まっていますから、これは重視していくべきだと思います。同時に既存の主要諸国間の国際調整の機構がありますね。これを「壊す」というのでなくて、「IMF打倒」といってもしょうがありませんから、IMFの改革をやっていく必要があるし、WTOについてもそういうことが必要になってくる。

 佐々木 最近では日本とシンガポールが自由貿易協定をどうしたらいいかとか、あるいはASEAN(東南アジア諸国連合)10にたいして中国、韓国、日本、ASEAN10プラス3とか、地域は地域でやってみようということも、アジアでも目だっています(志位「そうですね」)。この動きは歓迎されるわけですか。

アジアが自主的、対等・平等な経済圏をつくることは当然の方向

 志位 アジアがアメリカのドルの支配のもとにじゅうりんされるという事態が続いてきた結果として、この間のアジアの通貨危機、経済危機が起こってきたわけですから、アジアとして一つのまとまりをもった自主的な経済圏をつくっていくということは、当然、構想されてしかるべきだと思います。ヨーロッパはEU(欧州連合)という形でつくったわけですから。ただ、その際に日本が“盟主気取り”みたいなことはやるべきではないと思いますけれどもね。

 本当にアジアの諸国間のなかでも、対等・平等の経済主権が守られながらの自主的な経済圏をつくっていくということは、これは大いに構想されてしかるべきではないでしょうか。

米支配層の安保政策──日米軍事同盟の危険な変質にきびしい批判の目を

 佐々木 経済の裏につねにはりつくように安全保障政策があるわけですが、ブッシュ政権が一月二十日の大統領就任式をまぢかに控えています。先だってアーミテージ元米国防次官補ら十数人の対日政策専門家を集めた会議で、コンセンサスをつくったということで報告書を出しました。もろもろの対日要求が並べてありますが、ご覧になりましたか。

 志位 読みました。

 佐々木 どのへんが問題だと感じておられますか。

 志位 アーミテージ、キャンベル(前国防副次官補)、ナイ(元国防次官補)、こうした人たちがそろってますね。つまり、民主、共和両党の外交・軍事の中枢ブレーンのコンセンサスの文書として出ている特別報告ですね。ですから、これは、一定の重みがあるリポートとして、重視しなければならないと思います。これを新政権がこのとおり採用するかどうかは、これは見てみないとわかりませんが、かなり重みのあるリポートだというふうに私たちはみています。

 そのなかで、この十年間に日米同盟は「目的を失って漂流した」という言葉を使ってありました(佐々木「『ドリフト』とありましたね」)。そういう総括のうえにたって、「再活性化」が必要だと。その「再活性化」の一番のカギとして、日本の集団的自衛権の採用という結論が出てくるわけです。これはいまのガイドライン法――私たちは戦争法と呼んでいますが、その制約として集団的自衛権を含まないというのが一応の法律の建前として残っていたが、これさえはずして、日米両軍が海外で自由に戦闘活動ができるような、その方向に(道を)開いていこうというようなことが、この報告書の結論ですから、こういう方向に日米同盟が危険な変質をしていくということに、私たちはきびしく批判的な目を向けなければならないと思っています。

 佐々木 私は、必ずしもあれがコンセンサスというふうには読めないなと思っているんです。いろいろ多様だなと。ただ対日要求として、もう少し日本が国際的に役割を果たせと、ある意味でいえば重荷を担えということでもあり…。

 志位 報告書の言葉の中で印象的だったのは、「これまではバードン・シェアリングだったけれども、こんどはパワー・シェアリングだ」と、この言葉がありますね。これまではお金を日本は出せばすんだけど、今度は軍事力を出しなさいというのが最後の言葉ですから、やはりそこが集約点じゃないでしょうか。

 佐々木 おそらくそういうことをアーミテージ氏自身が考えているんだろうことは、容易に想像できるんですが、アメリカ全体がコンセンサスかというと私は実は、まゆにつばつけながら疑っているんですが、ともあれ、そういう対日要求がブッシュ政権下では強まるだろうということは想像できるわけです。やはりこれは反対ということで対応していくということになりますか。それとも一部、日本が担えるものは担って、だめなものはだめだという態度をとられるんですか。

 志位 いまのアーミテージ報告書などに盛られた方向は、私たちはきっぱり反対です。そういう方向は。

 佐々木 いわゆる国連平和維持活動に手を出せというところにも、さまざまな十数人の対日政策専門家の共通項があるように感じているんですが、集団的自衛権の点についてはニュアンスの違いがずいぶんあるものですから、ここはどうかなと思いながら読んでいるところなんですけれども。

 志位 集団的自衛権というのは、たとえばユーゴへのNATO(北大西洋条約機構)軍の空爆にみられるように、“自衛”というより“干渉”です。この間、NATOでは「新戦略概念」、日米ではガイドラインの改定がやられたが、そういう“集団的干渉態勢”をつくろうとするのが狙いですから、私たちはそういう方向にたいしては、きびしくこれにストップをかけるということが大事な仕事だと思っています。

「一つの中国」の立場を国際社会は守ることが大切

 佐々木 対中国政策を、ブッシュ新政権がまだ発足直前なんですが、気配としては割と強く出るのではないかと観測があるわけですが、これをどうご覧になっていますか。

 志位 新しい政権がどういう行動をするかというのを、よく見るということだと思っています。たしかにブッシュ氏が大統領選挙中に、「中国は戦略的パートナーではなくて、戦略的ライバルだ」ということをいったり、かなり強硬な発言を繰り返したことは事実なのですが、大統領としての立場でどういう対中国政策をやるかというのは、それがそのまま出てくるというふうには必ずしもならないこともあるわけです。新大統領としてどういう対応してくるかをよく見るということだと思います。

 ただ私たちの党の考え方についていいますと、中国にたいしては「一つの中国」という大原則を、国際社会はアメリカであれ日本であれ、しっかり守るべきです。台湾問題にかんする介入・干渉戦略は絶対にとってはならない。もちろん中台の関係が平和的な話し合いで解決してほしいことは、だれしもが願っていることですが、「一つの中国」の立場をしっかり守ってこそ、そういう政治的要請も生きてくるわけですから。

朝鮮半島の大きな平和の流れは簡単に後戻りさせられない

 佐々木 そこでもう一つの朝鮮半島のお話に移りたいんですが、アメリカの政権の動きを見ておりますと、クリントン大統領がブッシュさんと会って、北朝鮮を訪問しようかどうか相談をした形跡があります。そのあと断念を発表したわけですね。一部にはブッシュ政権に代わったら、かなり強硬に出てくるんではないか。いままでのクリントン政権の出方より強くあたるのではないかという観測が出ております。

 志位 これもはっきりいいまして、新政権の行動をよく注目したいということですね。朝鮮半島については、南北間でああいう歴史的な首脳会談がやられて、かなり大きな平和の激動が起こっている。これはもちろん坦々(たんたん)とはいかないと思いますが、もう逆もどりはしない過程だと思うのです。米朝関係も対話の方向に大きくかじを切ったというのがこの間の経過で、たしかにアメリカは北朝鮮にたいする軍事のオプションは捨てていませんが、かなり弾力的な外交をクリントン政権のもとでやってきた(佐々木「やりましたね」)。その積み重ねがあります。これも坦々とはいかないと思いますが、大きくいえば逆もどりできない過程が進んでいると私たちは思います。

 それは東アジア全体のなかで、ASEANでも、朝鮮半島でも大きな平和の流れが起こっていて、アメリカといえども、それをよく念頭に置いて行動しないと、アジアでのアメリカなりの発言権、あるいは影響力を失うことに逆になるわけですから、そこは彼らとしても考えながら行動せざるをえない。いろいろと紆余曲折(うよきょくせつ)はあるかもしれないが、いま起こっている前向きな流れというのは、そう簡単に後もどりできない流れだと思っています。

 佐々木 米朝あるいは日朝にしてもそうですが、交渉ごとでお互いにお互いの立場があると思うんですが、アメリカの出方と同時に、北朝鮮側の出方についてはどうあるべきだとお考えになりますか。

 志位 北朝鮮も平和による問題解決のための交渉の立場を、一貫してとるべきだと思います。

 日本についていいますと、そのなかで独自のしっかりとした対北朝鮮外交の方針をもつべきです。とくに日本の場合、一番大きな問題というのは、戦後処理が終わっていないわけです。(北朝鮮は)唯一終わっていない国なんですね。ですからこれは日本側の責任です。この問題については、かつての植民地支配が違法行為だったということをはっきり謝罪して、必要な補償をおこなうという立場に立つ。歴史の清算をやるという立場を、交渉のなかの駆け引きの材料ではなく、日本としてしっかりそういう立場を確立してのぞんでいく。これが何よりも大事です。

TMD構想──軍拡競争もたらす動きにきびしく反対

 佐々木 そのほかに、一つのテーマとしてあがっていますのが、戦域ミサイル防衛(TMD)構想にかんする日本政府の出方ですね。いまのところアメリカとの共同研究の段階が進行しているわけですが、さらに今後、もし前に進むとすれば開発、配備ということがかなり長い目で見て想定されるんですけれども、これについてはどういうお考えですか。

 志位 反対です。アメリカが今度やろうとしているNMD(全米ミサイル防衛)にかんしても、TMDにしても、相手方のミサイルを防御するというのが建前なのですが、槍(やり)と盾の関係でして、頑丈な盾をもてば槍が自由に使えるという関係ですから、そういう態勢をとるということは軍拡競争を激化させるということにつながるわけです。TMD構想については、ペリー前米国防長官が、“軍拡競争をもたらすだけで、やめたほうがいい”ということを、そういう方までおっしゃるようなものですから、これは絶対にくみするべきではありません。

 佐々木 ペリーさんの場合、あれは北朝鮮の出方が静まって、説得外交が成功すればあとはいらなくなる、これをやると中国を刺激して軍拡のわだちに入るということをおっしゃっていますね。

 志位 そういう流れがいま進んでいるわけですから、ペリーさんの論理でもそうなっていくのではないでしょうか。

民主主義の伝統、制度は研究し、大統領選挙での新しい流れに注目

 佐々木 アメリカという国との付き合い方ですね。アメリカという国はいろんな多様性があると思うんですが、共産党というお立場で、米国というのはかなり重要なわけでしょう。

 志位 重要な国ですね。民主党であれ共和党であれ、政権全体の性格というのは、アメリカが唯一の超大国として世界に覇権をふるう、一方的な軍事力行使も辞さないという基本では変わらないと思うのです。ブッシュさんになってもこの基本は変わらないと思います。そういう外交政策にたいしては、私たちはきびしい批判者として一貫して立ち向かっていく。そして日米関係は、安保条約をなくして、本当の対等・平等の関係をつくり、それに代えて日米友好条約を結ぶというのが私たちの考えです。

 同時にアメリカという国は、奥の深い国で、民主主義の伝統というのがありますね。世界で最初に民主共和制が実現された国ですから。そういうアメリカの進歩的な伝統、あるいは制度というものは、大いに研究する余地はあります。また、アメリカの国内にさまざまな進歩的勢力がいることも事実です。今度の大統領選挙で私たちは、ネーダーさんの健闘に注目したのです。「第三の流れ」ができてきて、大企業中心には反対する、外交政策もああいう覇権主義のやり方は見直そうではないかという流れが広がってきたというのは、注目すべきだと思います。

 佐々木 最後の話題になりますが、今年は夏に参議院選挙がございます。締めくくりにどういうふうに対応されるかをお聞きして…。

 志位 いま国民のみなさん全体として、自公保の政権を延命させてはならない、これにきびしい審判を、というのは共通していると思います。そういう審判をくだすために力を尽くしたいのですが、同時に、いまの自民党の政治に代わって、外交だったらどうするのか、経済だったらどうするのか、教育だったらどうするのか、あらゆる分野で、政治の中身のどこを変えるのかという、中身の議論を大いにしっかりやって、二十一世紀に国民の希望がもてる日本をどうやってつくるのかという論戦をやっていきたいと思っています。

 佐々木 ありがとうございました。

 志位 どうもありがとうございました。