消費税増税、浮き彫りになった公約違反「中堅減税」のごまかし
衆院予算委員会 志位書記局長が追及

94年10月11日


志位委員 私は、日本共産党を代表して、村山首相並びに関係閣僚に質問いたします。
 制約された時間なので、消費税の税率引き上げ問題に絞ってお伺いしたい。
 その第一は、昨年の総選挙の社会党の公約とのかかわりであります。村山首相は、きょうも答弁で、税率引き上げは公約違反でないと断言されましたが、あなた方の社会党の総選挙中の言明を見ますと、いろいろな場所で,税率引き上げをやらないということをはっきり言っております。例えば、これは朝日新聞の総選挙中に公表された「各党「こうします」」という各党の政策一覧表です。七月七日付。総理、よく見てください。いいですか。社会党のこの欄について、消費税の税率問題について、「税率は上げるべきではない。」とはっきり書いてあるわけですね。
 総理にお聞きしたいのですが、これは総選挙における国民への公約でないのですか。端的にお答えください。

村山内閣総理大臣 私の手元に昨年七月のときに社会党が出しました政策大綱があるわけです。これは、「豊かさを実感できる生活基盤を」という見出しでつくられているわけでありますが、その中を見ますと、「国民が納得できる税制改革を断行します」というこの見出しの中で、「所得税の実質増税構造の解消や、飲食料品の非課税化による消費税の逆進性緩和など、国民的な要望に責任をもって応えられる取り組みをすすめます。」こういうことになっていますね。したがって、いろいろなものがあるのじゃないかと思いますけれども、これは本部が責任を持って出した文書ですから、私はこのことを申し上げているわけです。

志位委員 そうすると、その社会党の政策というのは、今言った大綱の本部が責任を持ったものだけで、それ以外は責任ないということですか。そうなるわけですよ。
 総理、聞かれたことをちゃんと答えてほしい。私が聞いているのは、消費税の存続か廃止かについてのあなた方の公約じゃないのですよ。いいですか。税率の問題について、引き上げるか引き上げないかについてのあなた方が聞かれたものについて、引き上げないとはっきりおっしゃっているわけですよ。あなたは、その大綱は政策だけれども、公約だけれども、こっちの方は公約じゃない、こうおっしゃるんですか。――これごらんになってみますか。

村山内閣総理大臣 今拝見をさせてもらいましたけれども、私は、先般来答弁しておりますように、消費税の扱いにつきまして、消費税率は上げませんと、上げることには反対ですとこう仮に選挙のときにお話を申し上げても、その後のやはり情勢は変わっていくわけですからね……(発言する者あり)いや、変わっていくわけですから、したがって、したがって私は、やはりその事態に対してどういう政策の選択をすることが一番いいのかという議論があって当然だと思うんですよ。当然だと思うんですよ。しかしそれは、それは選挙のときにもし約束したことと違えば、それはそれなりにやはり国民の皆さんの理解と了解を得なきゃいかぬというので、その努力は私は個々の議員がそれぞれやはりやられておると思いますし、それは当然やらなきゃならぬことだと。
 同時に、そのことの是非については、いずれまた審判を仰ぐときに有権者の判断もいただくわけですから、したがって、私はそういうふうに理解をしておるところであります。

志位委員 そうしますと、まず公約とお認めになったわけだ、あなたはこれを。これは事実としてまず確認したい。そして、公約はしかしできないんだ、できないこともあるんだということがあなたの今のおっしゃった中身ですね。減税のこともあったと言うわけでしょう。
 しかし、この公約の中には、減税の財源についてもどうするかという公約まであるんですよ。いいですか。それについては、「歳出の見直し、法人課税の適正化こそういうものによって減税の財源、福祉の財源はやるべきだと。それも公約なんですよ。あなたは公約と認めたわけだ。税率を引き上げないが公約で、引き上げて五%にするのはあなたの方針で、これは明瞭な公約違反でしょう。公約違反という事実を認めますね。その事実を認めてください。

村山内閣総理大臣 いや、私が先ほど読みましたね。党が、党が責任を持って出した文書はこれなんですよ。これなんですよ。(発言する者あり)いやいや、これなんですよ。ですから、ですから私はこれを公約として守ってきているわけです。いいですか。それで、それぞれ新聞社等が選挙のときにアンケート調査やったりしたのがありますね。そういうものを拾い上げますと、やはりそれぞれの議員によって違いがあることはまた私はやむを得ないと思うんですね。
 したがって、そのことをもって公約じゃ、公約違反じゃないかとこう言われてみても、なかなか答弁の限りじゃないんですけれども、ただ、ただ私は先ほど来申し上げておりますように、申し上げておりますように、やはり選挙が終わった後、いいですか、選挙が終わった後いろいろ情勢は動いていくわけです。
 第一、連立政権をつくるなんという想定があったかどうかといいますと、これは連立政権がつくられてきたわけですよ。連立政権がつくられますと、その政権に参画している政党がそれぞれ約束したことが完全に果たせるのなら、それは苦労もなければ何もありませんよ。しかし、連立政権が構成されているということは、お互いの持っているその政策をやはり出し合って、譲り合って、そして合意を求めていくというところに連立政権の持つやはり妙味があるんです。それを生かし合っていくというのはこれはやむを得ないことであって、その連立政権が否定されてしまうのならそれは別ですよ。私は、やはりその点は国民の皆さんに十分納得と理解ができるようにすべきことではあるというふうに思います。

志位委員 党が責任を持ったものは大綱の方であって、これは党が責任を持っていないんだということになるような答弁ですけれども、そうじゃないんですよ。
 私は、このアンケートが出てきた背景を全部調べてみましたよ。そうしたら、こういう文書が各党に朝日新聞社から届けられている。そしてこう書いてある。
「公党の政策として責任を持ったものを文書をもって回答してほしい」、書いてあるんです、そういうふうに。それから、同じ日の七月七日にNHKで「各党に問う」という討論番組がありました。それは、各党の書記長と政策責任者がこれに出席しているわけですよ。この場でも、税率引き上げどうだと聞かれて、日野政審会長、今の与党の税調のプロジェクトの責任者ですか、彼は、税率アップは絶対にしちゃいかぬ、テレビの場でも言明しているのですよ。だから、党が責任を持って回答した文書でも、日本国じゅう、テレビを見ている皆さんの場でも、そういう責任ある幹部が、税率アップ絶対にしない、こう言っているわけですよ。それを、まずその事実をどう考えるのか。
 あなたは連立政権になったからと言いますけれども、連立政権の三党の中で消費税の増税を公約にした党がありますか。社会党は反対、さきがけだって、この同じ政策対照表では税率はそのままにすべきと書いてあるのですよ。自民党だって税率引き上げをしますといって選挙を戦ってないのです。だから、その三党が集まって連立の合意だというけれども、どうしてその税率引き上げという結論が出てくるのか。(発言する者あり)全くそういう説明つかないじゃないですか。財政状況がどうのこうのと言いますけれども、それがわからなかったのかということになります。その財政は、増税によらないで歳出の見直しあるいは不公平税制の是正、防衛費の見直しでやるというのがあなた方の公約だったじゃないですか。
 だから、どう見たってこれは公約違反なんですよ。国民はみんなそれで怒っているのですよ。だから、今新聞を見たって、投書の中で、社会党に裏切られたという声が日本国じゅうにあふれているじゃないですか。ですから、あなたはそれにどう答えるのか。公約違反と認めないのか。

村山内閣総理大臣 先ほど来答弁していますように、あなたが言われるように、私は、それはテレビは聞いていませんからわかりませんけれども、わかりませんけれども、それはいろいろあったと思います。それは否定しません。
 しかし、先ほど発言っていますように、総選挙が終わった後、連立政権が組まれたんです。その連立政権というのは、もう何遍も言いますけれども、それぞれ理念や政策の違う政党が共同じでつくっている政権なんですよ。その政権の中でいろいろ議論をして合意点を求めていくということの中から生まれてきた結論として、この国会に提案をされるような税制改革が合意されたわけですから、そういう経過については、私は、国民の皆さんには十分説明すれば理解してもらえるものだ、こういうふうに思っております。

志位委員 また連立政権だからという言いわけですけれども、ともかく、あなた、連立政権の場合、最大公約数という問題がありますよ。だから、各党の政策が全部実現できないことは確かにある。それは認めますよ。しかし、反対の政策を実現するというのは、やっちゃいけないんですよ。税率引き上げやらないと言ったあなた方が税率引き上げをやるということは、やっちゃいけないんですよ。私、これは、この問題は、だれがどう見たって公約違反は明瞭なのに、これを認めないというのは、本当に不誠実だと私は思う。あなた、人柄がいいとかいろんなそういう声が一部にあるようだけれども、本当に不誠実ですよ、あなたの態度は。
 やはり、公約を守るということは議会制民主主義の土台ですし、増税反対を掲げて当選したあなた方、それが当選したら増税の推進をやるということ、こういうことが許されるなら、こんな恐ろしい政治はないですよ。こんなことをやったら、私は、選挙をやる意味がなくなる。あなた方がやっていることは、議会政治、政党政治、議会制民主主義、全部覆す暴挙だということを指摘して、次の問題へ進みたいと思うんです。いいですか。あなたはどうしても認めない。
 第二の問題として私聞きたいのは、政府が、中堅サラリーマンの減税、こうおっしゃっておることについてであります。
 大蔵省の発表した試算、私随分研究してみたんですが、これでは、消費税率が引き上げられた場合、増減税差し引きで年収六百万円以上の世帯はおおむね負担減になる、こういうふうに書かれております。大蔵大臣にちょっと事実の問題だけ確認させていただきたいんですが、これは逆に言いますと、大蔵の試算でいいますと、年収六百万円以下のサラリーマン世帯はおおむね差し引き増税になる、こう理解してよろしいですね。

武村国務大臣 これはどういうデータを根拠にするかにもよりますが、というのは、大蔵省のデータはデータでございますが、年次を追って何年ぐらい先までの変化を見るかということも含めて、そういったことによって、多少、プラスになるかマイナスになるかというのは変化が出てまいります。
 基本的には、私どもは、標準世帯七百万以上については、今回の所得税、住民税の累進税率を緩和をさせていただくことによってかなり思い切った減税になるという認識を持っております。−(志位委員「六百万円以下の層は増税になるの」と呼ぶ)これは、福祉のいわゆる財政サービスが具体的にどう充実していくかということとも相関するわけでございますから、一概に所得税だけで云々はできかねますし……(志位委員「試算でどうなっているか聞いているんです」と呼ぶ)試算では、六百万以下は平成十年になりますと減税……(志位委員「増税でしょう」と呼ぶ)そうですね、○・一と。
 これももう一言申し上げておきますが、昭和六十一年の税制、これが継続していると仮定した場合の税負担の増減額はまた変わってまいります。

志位委員 一つのことを答えるのに随分かかるのですけれども、要するに、六百万円以下は増税ということになるわけですね。
 そうしますと、最近、国税庁が民間給与の実態の調査を出しました。サラリーマン世帯で六百万円以下といいますと、これで、最新の調査では、大体七五%ですよ。サラリーマンの四人に三人はおおむね増税になるという計算になるわけですね。
 しかも、私、大蔵省の試算を調べてみますと、増税を少な目に描くいろいろなごまかしかある。
 その第一は、この試算を見ますと、給与収入が年々増加するという仮定を置いて、一九九八年の時点での増減税は幾らかという計算になっております。大蔵大臣、そうしますと今、年収六百万の人は一九九八年、平成十年には年収幾らになると仮定して計算されたんですか。これ、数字だけで結構です。

武村国務大臣 過去のデータでは、大体定昇とベアを足しますと、平均ですが五%くらいだと認識をいたしておりますが、大蔵省の試算の場合は、四%にやや抑えて計算をいたしております。詳しい点は主税局長から、政府委員から説明をいたします。

小川(是)政府委員 一つの試算として四百万円から試算を提供してございますが、平成六年に四百万円の方は……一志位委員「六百万円を聞いているんだ」と呼ぶ)失礼しました。六百万円のケースですと、平成十年で約七百二万円という水準になるわけでございます。

志位委員 つまり、大蔵省の試算でも、実際には差し引き増税になるのは七百万円以下の世帯ということになるわけですね。そうしますと、さっきのこの国税の調査でいいますと、八三%になるんですよ。
 それだけじゃない、もう一つ問題点がありまして、大蔵の試算では、家計収入を夫の給与収入のみという世帯をモデルにしていますね。しかし、実際の世帯というのは、夫の給与収入以外に妻の非課税のパート収入などあるわけです。総務庁の家計調査年報の最新のものを見ても、大体年収七百万円ぐらいの世帯は実収入は八百五十万円になる。そうなりますと、その分消費課税は重くなるのですよ、消費税は重くなるのですよ、大蔵試算よりも。
 そこで、私、そういう大蔵のごまかしじゃない本当のパネルをつくってまいりましたけれども、ちょっとごらんになっていただきたいのですが、横軸は給与収入です。縦軸は増減税です。赤い棒は増税、青い棒が減税。
そうしますと、私たちの、そういう二つのごまかしを排除した計算をしますと、年収八百万であっても増税の方がまだ若干多いのですよ。年収一千万になってやっと減税が若干上回る。年収八百万までの世帯というのは、この国税の調査では八八・五%ですからね。私、念のためにこちらの総務庁の方のでも計算してみたのですけれども、やはり九割です。つまり、サラリーマン世帯の約九割が差し引き増税になるというのが今度のあなた方の改革の中身なのですよ。
 私、これは総理にお伺いしたいのですけれども、中堅サラリーマンの減税、減税と言うのですけれども、国民の大多数、九割に差し引き増税を押しつけておいて、何が中堅減税になるのか。これはごまかしじゃないですか。総理、どうですか。総理ですよ。

小川(是)政府委員 今お尋ねの点は、今回の改革が、平成六年から実質消費税が平年度化されます十年までの間の税負担の状況を試算としてお示しするのがこの問題を御判断していただく上で材料になるかと思って、試算をしたものでございます。その間給与収入が一定で全くふえないという仮定を置くことはいかにも非現実的でございますから、ここでは毎年四%ずつふえるという仮定を置いて計算をしているわけでございます。
 それで、先ほどお話がございました、確かに七百万円の方が八三%を占めでございますが、ここで試算をしておりますのは、どこかの世帯の形で試算をしてみる必要がございますので、夫婦子二人の世帯について試算をしているというのが前提でございます。
 なお、夫婦子二人の場合の世帯の収入の分布は先ほどの八三%とは様相が大分違ってまいりまして、例えば最近のところでも、先ほどのお話がございました六百万円以下というところは四〇%台というウエートになってくるわけでございます。いわんや、この後給与収入がふえるに従いましてそういう世帯収入を持っておられる方の世帯のウエートは次第に下がっていく、そういう前提に立ってこの試算を御検討いただきたいと思うわけでございます。

志位委員 標準世帯夫婦子二人、そして夫の収入だけというのが非現実的で、実際には家計収入では実収入がある、全部そういう具体的な現実の試算で私言っているのに対して、何ら反論になっていませんよ。
 それで、やはり私聞いているのですね、大蔵の試算でも、いいですか、大蔵の試算でも七割になってくる、八割になってくる。私たちが試算すると九割になってくる。大多数に増税を押しつけておいてどうして中堅減税なのか、こういうごまかしをやめなさいということを総理に伺っているわけで、あなた自身の言葉で言明してほしい、釈明してほしい。あなたが言わなきゃだめです。

村山内閣総理大臣 私が先ほど来申し上げておりますのは、六十二年のときの税制改革の際に、最低課税率を引き上げて、そして四百万円以下ぐらいの層の皆さん方の税率の刻みを減らして、そして税の軽減を図った。ですから、そのときには比較的課税の低い人たちに、所得の低い人たちに減税をやったわけですよ。そのひずみがある程度出てきて、そして中堅サラリーマン層に重税感が強い。だからこの際ひとつここをならして緩やかなカーブにしようではないかというので、是正をしたのです。ですから、皮肉にも前の政権、 といったってずっと前の政権ですけれども、六十二年の政権のときには所得の低い層をならして、今度は、社会党が政権をとったら、所得の比較的高い層をならしたというようなことを皮肉に言われましたけれども、私はそういう考え方でやったことが一つ。
 それからもう一つは、これからやっぱり高齢社会になって、しかも、少子対策も含めて、いろいろ金がかかっていく、そういう面で財源が必要になっていく、そういう場合に、所得税だけにその負担を依存していくことについてはやっぱり問題があるのではないか。だから、所得と資産と消費というものにバランスのとれた形で課税することがいいのではないかということは、これは、渡部さんお笑いになっておりますけれども、旧連立政権のときからやっぱりそういうことは課題になって検討してきているわけですよ。
 したがって、できるだけ公平に社会的な負担ができるようなものにしていこうというような観点から議論をされておるわけでありまして、その一つだけを取り上げて、そしてこれらの層には増税になるではないか、こういう指摘は私はどうかと思うんですね。
 したがって、全体として国民に対してできるだけ公平な課税と負担をしていただくということが税制改革の基本ではないかというふうに考えておりますから、そういう考え方でもって今回の税制改革は行われたということを申し上げておきたいと思います。

志位委員 今私は答弁を聞きまして、本音が出たと思うんですよ、高い層の方の改革だったと。さっき、あなたが言ったように、例えば所得税の二〇%の適用限界というのは、現行でも一千四十六万までなんですね。それを一千三百何十万まで拡大しようというわけですから、一千万円以上の層が主に潤う、そういう今度の改革なんですよ。やはり高額所得者、数パーセントの改革のために、庶民を犠牲にしていいのかという問題が今あるわけですよ。
 それから、あなた、高齢化社会のためと言ったけれども、私はこの前の国会でもこれはさんざん論議をしましたが、お年寄りに一番つらい税金は消費税なんですよ。逆進性もお年寄り世帯、年金暮らしのお年寄り世帯の方がはるかに激しく出るのです、どんな調査を見ても。今度も、大体年金暮らしのお年寄りの年金、全部合わせたら二十五兆円ですよ。それで二%上がれば、それが消費に回ったとしたら、大体お年寄りからだけでも五千億円ぐらい吸い上げるわけですよ。その一部をたとえ福祉にあれしたとしても、本当に泣くのはお年寄りですよ。ですから、公平だ、公平だという言い方で、私は、実は弱者にそういう負担を強いるやり方は絶対承服できない、このように思います。
 最後に、私、時間もなくなりましたので、見直しの問題、見直し条項についてお聞きしたい。
 総理は、本会議の答弁で、これは予断を持ってない、上に上げるか、下に下げるかわからない。つまり五%を最終的にどうなるかわからないということをおっしゃったけれども、私、武村大蔵大臣にお聞きしたいんですね。
 あなたは、九月二十五日のNHKの討論番組でこうおっしゃっている。いきなり七という数字を出しても、国民の皆さんからそう簡単に理解は得られない。見直し条項も入りまして、これからも議論を続けていく。行革や福祉の議論にはもう少し時間がかかる。そんな中で、粗っぽく六、七とぽんと決めるよりは、ここは五%でやや低目といいますか、妥当な数字で抑えておいて、そういう問題はこれから議論して詰めていこうということです。つまり、いきなり六、七と言っても、出すわけにはいかないから、とりあえず低目の五で抑えておこうというのがこの見直しの意味だと。これだと、悪名高いあの腰だめの数字と同じになっちゃうじゃないですか。

武村国務大臣 見直し条項の真剣な意味を認識していただいていないというふうに思いますね。なぜなら、午前中も答弁いたしましたように、この九月の臨時国会までに行財政改革の具体的な方針を詰め、それに伴う財政需要の減の数字まで詰め切ってしまう。片方、また福祉の将来展望の中で、年金や医療や介護にどの程度の金額が要るのかという、このことの数字も詰め切ってしまうということは容易なことではありませんでした。そういう中で、さらに時間を置いて真剣に詰めを続けていこうという意味で見直し条項を置くということになったわけでありまして、これもちゃんと二年後といいますか、という目標まで明確に定めているわけであります。
 そういう意味で、整理して申し上げますと、見直し条項は何点か入っておりますが、消費税率の引き上げにかかわってきそうな項目と、消費税率の引き上げを抑える可能性を秘めた項目と、両方ずっと四項目ぐらい並んでおります。
 言ってみれば、年金、医療等にもかかわってまいります福祉の財政需要というのは、これはもうかなりはっきりしていることでございますから、むしろほっておけば、このままいけば消費税の引き上げにつながりかねない要素を持った項目でありますし、行財政改革というのは、やはりこれは改革の中身にもよりますが、どちらかといえば歳出カット、経費節減を期待させる項目であります。
 不公平税制、そこには租時法の問題と消費税課税の適正化という項目が入っておりますが、これも両面ございますが、どちらかといえば財政需要を抑制するあるいは財源を新たに生み出す、そういう期待の持てる項目でありまして、そういう幾つかの要素が重なってこの見直しの中に書かれていることも御理解をいただきたい。そして、真剣な結論の結果、必要があれば最終的な見直しを決断をするという考え方を打ち出しているわけであります。

志位委員 いろいろなことをおっしゃいましたけれども、あなたが結局テレビで言ったことは事実なんですよね。私が言いたかったのは、五%というのは最下限の数字であって、結局六、七に上げていく、そこのところに本音があるのですよ。本音があるからこそああいう発言になった。
 あなたは減らす努力、減らす努力と言うけれども、例えば軍事費の問題、どうですか。総理の社会党は軍縮が公約でしょう。ところが、今度の概算要求では○・九%の増加じゃないですか。抑制する、抑制すると今おっしゃったけれども、正面装備はどうなっているか。戦車とか潜水艦とか護衛艦とか戦闘機とか、これは契約ベースでは四・五%伸びているのですよ。九千二百十五億円ですよ。後年度負担で全部ツケ払いになって、後年度負担の伸びは九・七%ですよ。軍縮と言いながら、実際は軍拡のレールを将来にわたって敷いている。
 財源の問題というのは、こういう軍事費にメスを入れる、本当の国民のための行政改革をやる、あるいは大企業の不公平税制の是正をやる、これをやれば出てくるのですよ。それをやる姿勢を私は政府から感じないですね。
 本当に感じない。それをやらないでおいて増税だと言っても国民は納得しないと思うのですね。私、一たん増税がやられれば、武村さん、同じ番組の中で、直間比率四五対五五に徐々に持っていくということも同意していますよ。そうなると消費税率一〇%ですよ。一たん増税の道が開かれればそっちの方向に持っていかれる。
 私たち日本共産党は、消費税の増税計画の断固撤回を強く求めたいし、それからやはり、こういう点で国民にとって村山政権の存続は百害あって一利ない、そういう点では即刻退陣を私は強く求めたいと思います。そして、いかなる形でも自民党政治の継承では日本の政治はよくならない……

佐藤委員長 時間が経過いたしました。結論をお急ぎください。

志位委員 そのために私たちは全力を挙げて奮闘したいと思います。
 以上をもって質問を終わります。




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