野党連合政権へ「政治決断」を

──小沢一郎政治塾での講演

志位和夫(日本共産党委員長)


 □日本共産党の志位和夫委員長は、二月九日、東京都内で行われたた「小沢一郎政治塾」二〇周年記念特別講演に講師として招かれ、講演しました。講演全文と質疑応答を紹介します(編集部)。


三〇年前の小沢氏との出会いと、この五年間の協力関係
 みなさんこんばんは。共産党の志位和夫でございます(「こんばんは」の声)。今日は、こういう舞台にご招待をいただき、まことに光栄でございます。
 私と小沢一郎さんとの出会いから、少しお話をさせていただきますと、ちょうど今から三〇年前、小沢さんは自民党の幹事長──飛ぶ鳥を落とす勢いの幹事長で、私は新米の共産党書記局長でありました。はじめて出会ったのはNHKのスタジオでした。当時は、党大会で役員に選ばれましても、他党にごあいさつにうかがうという慣習もなかったものですから、いきなりテレビのスタジオでお会いすることになりました。
 当時は、私はまだ国会議員でもなかったものですから、怖いものなしで、ちょうど湾岸危機にどう対応するかをテーマにしたスペシャル番組だったのですが、「法案を強行するなら国会を解散して信を問え」ということを言いましたら、小沢さんが「共産党は勝手なことを言っている」と(笑い)。そういった議論をしたことを思い出します。
 それからの三〇年間を振り返りますと、三〇年のうち二十数年間は、立場が異なりまして、お互いにあんまりよく言わない、むしろ批判をしあうというような関係にあったと思いますが、この五年間は、野党共闘を進めるうえで、信頼し、さまざまな協力をさせていただいてきたと思っております。
 私自身、いろいろと小沢さんから学ぶところも多かったと感じております。共産党は、理屈には割と強い方だと思います。全国の草の根に組織を持ちがんばっていることも、私たちの誇りとするところでございます。ただ、なにしろ政権というものをとったことがございません。まあ、とったら大変なことになりますが(笑い、拍手)。これはまったく未体験の話でありまして、その点では、小沢さんは政権党の中枢にいて、なおかつ野党として二度、自民党を倒した経験をお持ちで、しかも二度ではすまない、三度目をやろうという、そういう政治家ですので、私たちにはない、いろいろな経験や知恵も多く学ばせていただきました。こういう機会が巡ってこようとは、三〇年前はまったく想像だにできなかったことでございまして、人生というのは愉快なものだと、感じているところでございます。
 今日は、「本気の共闘と日本共産党の立場」と題してお話しさせていただき、質疑にもお答えさせていただきたいと存じます。どうか最後までよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

共闘への路線転換──二つの出来事をきっかけに決断した
日本共産党の九八年の歴史と共闘について

 日本共産党は、党をつくって九八年、あと二年で一〇〇年になります。その歩みは、そのときどきで共闘を求めつつ、長い間、独自の道を歩んできました。
 戦前、私たちの先輩は、「国賊・非国民」と言われ迫害されました。何か悪いことをしたためではありません。まったく反対に、平和と民主主義の旗を掲げたために、小林多喜二、野呂栄太郎など諸先輩が命を落としました。戦前、こうしたたたかいをおこなった政党は他にありません。先輩たちのたたかいは、日本の歴史のなかで独自の意義を持つものだと考えております。
 戦後、私たちは、地方自治体のレベルでは革新自治体の経験があります。東京、京都、大阪などで、共闘によって革新自治体をつくり、与党として支えました。ただ、国政においては、本格的な政党間の共闘にまでは至らず、独自の道を歩んできました。国政選挙においては、日米安保条約の問題など、国政の基本問題での一致が共闘の前提になるという立場を原則にしてやってきました。私は、それは一つの筋だったと考えています。
 ただ、それだけでは情勢に対応できない。そのことを、ここ数年来感じるようになってきました。とくに安倍政権が発足し、日本の民主政治を根底から壊し始めるありさまを目の前にして、こんな政権に日本の舵取りをまかせるわけにはいかない、ここは共闘が必要だと思いを定めてまいりました。二〇一五年九月、従来の路線を転換し、共闘の道に舵を切り、三回の国政選挙を共闘でたたかってきました。

「オール沖縄」──保守・革新の垣根を超えた画期的共闘
 私たちが、路線の転換に至ったのは、二つの出来事がきっかけであります。
 一つは、二〇一三年から一四年の沖縄です。
 二〇一三年、辺野古新基地反対の「沖縄建白書」が、県内のすべての市町村長、市町村議会議長の連名でとりまとめられました。このとりまとめにあたったのは、一昨年(二〇一八年)亡くなられた翁長雄志那覇市長(当時)でした。「建白書」を土台にして、「オール沖縄」がつくられました。これは非常に画期的な共闘組織となりました。翁長さんは、自民党の県連幹事長を務めた保守の重鎮です。その翁長さんが、私たち共産党とも力をあわせようということになった。保守・革新の垣根を超えた共闘の誕生です。
 「オール沖縄」は素晴らしい力を発揮しました。二〇一四年、一連の選挙のすべてで勝利しました。名護市長選で勝ち、県知事選挙で勝って翁長知事が誕生し、続く総選挙では、沖縄一区から四区まで小選挙区ですべて勝ち、自民党がゼロになった。その時に翁長さんが私に語った言葉が忘れられません。
 「これまで沖縄では、基地をはさんで保守と革新が対立してきた。そのことで一番喜んでいたのは日米両政府だ。これからは保守は革新に敬意を持ち、革新は保守に敬意を持ち、力をあわせてやっていきましょう」
 素晴らしい言葉です。忘れられません。こういう体験を通じて、共闘の偉大な力を感じ、沖縄で先駆的に起こったことは、次に本土でも起きると感じました。

安保法制廃止の「国民連合政府」──共闘路線への転換
 実際に、翌年の二〇一五年、全国規模で新しい展開が起こりました。
 安倍政権は、一四年七月、内閣法制局長官の首をすげかえるという乱暴きわまるやり方で、「憲法九条のもとでは集団的自衛権行使はできない」という、戦後、歴代政権が一貫して唱えてきた憲法解釈を一夜にして一八〇度変更する閣議決定を強行し、二〇一五年、安保法制をもちだし、力ずく強行しました。
 これに反対する新しい市民運動が、大規模に広がりました。そのなかから「野党は共闘」というコールが起こり、私たちも決断を迫られました。
 そのたたかいのさなか、二〇一五年の八月、岩手県知事選挙がありました。達増【たつ そ】拓也知事の三期目の選挙でした。小沢さんから連絡があり、「達増勝利のために、みんなで集まってデモンストレーションをやろう」ということになりました。選挙が始まる前の日、盛岡に、当時の野党五党の党首が集まって共同記者会見をやり、「達増勝利のために力をあわせる」と表明しました。自民党は恐れをなして、達増知事が無投票当選となりました。そういう体験のなかで、盛岡への往復の新幹線のなかでも、国政でも共闘を考えなければと、いろいろと思いをめぐらせたことを思い出します。
 そして、その一カ月後、九月一九日、安倍政権によって安保法制が強行されたとき、私たちは、中央委員会総会を開き、憲法違反があまりに明瞭な安保法制ばかりは、強行されたからといってそのままにしておけない、安保法制廃止の「国民連合政府」をつくろう、この政府をつくるという点で一致する野党で選挙協力をやろう、というよびかけをしました。私たちとしては、共闘の道に大きく転換した大きな節目となりました。
 私は、野党各党党首のみなさんに、私たちの提案をお持ちし、話し合いがはじまりました。そのとき、即断即決で「これはいい」「これでいきましょう」と応えてくれたのが、小沢一郎さんだったのです。これは、私たちにとって、たいへん心強い、頼もしい表明でありました。
 ただ、この話はなかなか進みませんでした。「こともあろうに共産党と一緒にやるのはどうか」という声もありました。
 そのとき、月刊誌『世界』(別冊二〇一六年四月)で小沢さんと対談する機会があって、そこで小沢さんはこう言われた。証拠の品なので(笑い)、ここにもってまいりました。
 「この期に及んで共産党が嫌だとか云々と言っている人間は、結局、『共産党と一緒にやるよりは安倍のほうがいい』ということではないか。アンシャン・レジームの一員として既得権益をむさぼっている体制派だと言われても仕方がない」
 なかなかいいことをおっしゃいます(爆笑、拍手)。私からはなかなか言えないセリフです。(笑い)
 この時以来、節々で協力してきました。小沢さんから選挙でわが党候補の応援をいただいたこともあり、岩手をはじめ私が応援にうかがったこともありました。今後も協力関係の発展を心からを願うものです。(拍手)

五年間の野党共闘──一定の成果があがった
二回の参院選での二一の勝利──安倍自民党の体力を確実に奪った

 私は、この五年間、野党共闘──市民と野党の共闘は、一定の成果はあがったと思っています。
 三回の国政選挙を共闘でたたかってきました。二〇一六年の参院選、一七年の総選挙、一九年の参院選と、三回、共闘でたたかってきた。一六年と一九年の参院選では、全国三二の一人区のすべてで野党統一候補が実現し、一六年は一一選挙区で勝ち、一九年は一〇選挙区で勝ち、あわせて二一勝ちました。
 共闘は安倍自民党の体力を確実に奪ってきたと考えています。この二一の勝利があったために、参院で改憲勢力は三分の二を割りました。自民党は単独過半数を割りました。バラバラにたたかっていたら、二一の多くで勝てなかったと思います。そうなっていたら、恐ろしいことになっていたと思います。安倍首相のやりたい放題、いまごろは憲法九条改定も強行されていたかもしれません。

相互に支援しあう共闘への発展──さらに前進を
 共闘の中身の面の前進もあったと思います。
 一つは、相互に支援しあう共闘に発展しつつあるということです。一六年の参院選では、わが党は、三二の一人区について、香川を除いて、野党一本化のために一方的に候補者を降ろすという決断をいたしました。小沢さんは、さきに紹介した『世界』の対談のなかで、「共産党がこれだけ決断して積極的に動いているのに、ただ『おまえたちは降りろ』というだけでは、共産党の党員や支持者の方々にしてみれば、ふざけるなという気持ちになるでしょう。これでは本当の野党共闘にはならない」と言っていた(笑い)。その通りなのですが、何しろ共闘でのぞむ初めての選挙です。どうしても成功させなければならない。そう考えて、一方的に降ろしてでも共闘をまとめることを考えました。私は、これはこれで良かったと考えています。
 しかし、いつまでも一方的対応を続けるわけにはいかない。その点で、一九年の参院選は、野党各党の努力もあり、三選挙区五県──高知・徳島、島根・鳥取、福井で、共産党候補で一本化が実現しました。一歩前進です。
 参院選後、野党共闘で、埼玉県知事選で勝ち、岩手県知事選で圧勝し、続いて一一月、高知県知事選となりました。高知では、共産党県委員の松本顕治さんを「オール野党」の候補者にしていただき、大健闘の結果を得ました。野党各党の党首がそろって応援に入り、五〇人を超える各党の国会議員の方々の応援もいただきました。共産党の候補者を、「オール野党」で応援したというのは、自民党から見たら脅威と映ったのではないでしょうか。
 こうして相互に支援しあう共闘が前進してきたことは嬉しいことです。これを総選挙にむけて、さらに前進させたいということが、私たちの願いであります。

共通政策の面での前進──国民から見て魅力ある旗を
 いま一つ、野党の共通政策の面でも前進がありました。
 野党共闘は、もともとは、「安保法制の廃止、立憲主義の回復」と言うシングル・イシューで始まりました。しかし、一歩一歩、政策面でも前進してきた。
 昨年(二〇一九年)の参院選の前には、市民連合と野党との間で、一三項目の共通政策が合意されました。これまで一致点でなかった、消費税増税反対、辺野古新基地建設中止、原発ゼロなども、共通政策のなかで前向きの合意を得ました。
 さらに真剣に話し合いをすすめていけば、国民から見て魅力ある共闘の旗が立つのではないか、と考えています。

共闘の大きな課題──政権問題で前向きの合意をつくる
 同時に、私は、野党共闘には大きな課題があると考えております。それは政権問題で、前向きの合意をつくるということです。

「国民連合政府」の提案──政権合意を前提に選挙協力をという提案だった
 五年前に、私たちが安保法制廃止の「国民連合政府」の提案をおこなったときは、この政府をつくるということで一致する野党で、選挙協力をやろうという提案でした。つまり政権問題での合意を、選挙協力の前提として位置付けて提案をさせていただきました。
 私は、これは当たり前の筋と考えていました。なぜならば、選挙というのは政権をとるためのものであります。選挙協力をやれば、当然、選挙協力したものが政権協力をするのが当たり前ではないかと考えまして、そういう提案をさせていただきました。
 しかし当時は、「共産党と政権まで一緒にやるのはとても無理だ」という意見が強くて、一致が得られませんでした。
 そういうもとで、二〇一六年二月一九日、五野党党首会談がおこなわれ、安倍政権を打倒するために選挙協力をおこなおうという合意が得られました。画期的な一歩前進でした。そこで私は、党首会談の場で、「わが党としては、国民連合政府の主張は今後も続けるが、こういう合意が成ったからには、政権の問題はひとまず横に置いて選挙協力をやりましょう」と表明し、まずは選挙協力を成功させることに力をそそいでまいりました。

「政治を変える」という本気度が有権者にビンビン伝わる共闘に
 ただ、三回の国政選挙をやってみて、ここでこの共闘を飛躍させる、バージョンアップさせるには、政権問題での前向きの合意をつくることが、どうしてもいま必要じゃないか。これが私たちの強い思いなのです。
 なぜかと申しますと、いま「安倍一強」と言われていますでしょう。しかし、私は「一強」でも何でもないと思っています。安倍晋三さんが、自民党の総裁になって六回、国政選挙がおこなわれています。彼は「六連勝」だと威張っている。しかし、六回の国政選挙での自民党の比例での有権者比得票率は、二割を超えたことは一度もないんです。すべて一割台です。一五〜一八%です。一割台の票しかとっていない。
 それでどうして多数の議席を占められるのかといったら二つです。一つは、選挙制度の問題です。もう一つは、低投票率です。この前の参議院選挙の投票率は四八・八%。戦後二番目に低かった。このおかげで、なんとかかんとか多数をとったような格好になっている。
 なんで投票率が低いか。その最大の責任は、もちろん安倍首相にある。彼は、あらゆることでウソをついてきた。彼の姿勢というのは、「ウソをつき続ければいい、そのうちウソに慣れるでしょう、慣れたあとにあきらめるでしょう」。こういうものです。こういう姿勢で、あらゆる面で政治不信をつくってきた。安倍首相によってつくられた深刻な政治不信によって、低投票率という事態がもたらされている。その責任は重い。
 しかし同時に、私は、野党の側にも努力すべき問題があると思うんです。
 この前の参院選の直後におこなわれた世論調査の結果を見ますと、「安倍政権を支持しない」と答えている人の中にも棄権の方が多いのです。支持しないけれど、「どうせ一票入れても、政治は変わらない、暮らしは変わらない」、こういう思いで棄権されている方が多いのです。こういう方々がもし投票所に足を運んで、かりに投票率が一〇ポイント上がったら情勢激変ですよね。二〇ポイント上がったら政権交代ですよ。
 そういう状況をどうやってつくるか、ということを考えた場合、私は、野党共闘を、「政治を変える」という本気度が有権者にビンビン伝わるような共闘に、バージョンアップさせる必要がどうしてもあると思います。
 その要になるのが、政権構想なんです。つまり、安倍政権を倒すのはいい。しかし、倒した後にどうするか。こういう政権を野党はつくりますよ、という政権構想をしっかり示すということがいま必要じゃないか、と私は考えています。

野党連合政権の協議の呼びかけ──半歩進んだがもう半歩進めたい
 私は、そう考えまして、昨年(二〇一九年)八月、参院選の後に、私たちの党創立記念講演会で、野党連合政権にむけた話し合いを始めましょうということをよびかけさせていただきまして、そのあと、各党のみなさんと話し合いを重ねてまいりました。
 立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、社会民主党の又市征治党首、れいわ新選組の山本太郎代表──四党の党首のみなさんと党首会談をおこなってまいりました。
 そのなかで政権の問題ももちろん話し合ってまいりましたが、「安倍政権を倒し、政権を代え、立憲主義を取り戻す」。政権を交代させようというところまでは一致が得られたと思っております。つまり半歩すすんだと思っておりますが、もう半歩が必要だというのが現状だと思っております。
 先日、私どもの党大会(第二八回党大会)がありまして、野党各党の代表のみなさんが来賓でお越しくださいました。立憲民主党、国民民主党、社会民主党、沖縄の風、碧水会の各代表、ゲストで中村喜四郎さん──六人の方に、大変あたたかい激励をいただきました。そのなかで、「野党共闘を積み重ねていけば、その先に政権の問題が見えてくる」、そういう発言もありました。ずいぶん、この問題がこなれてきたと思っておりますが、ぜひここは、もう一歩先に進めたいというのが、私の強い思いであります。

三つの課題を一体に話し合っていきたい
連合政権の政治的合意を──機は十分に熟している

 私は、これを進める場合に、三つの課題を一体に話し合っていきたいと考えています。
 第一は、何といっても、安倍政権に代わる政権をともにつくっていこう──ともにつくっていくというのは共産党も含めてということですが──、ともにつくっていこうという政治的な合意、政治的な意思を確認することであります。
 私は、その機はもう十分に熟しているんじゃないかと考えております。
 総がかり行動実行委員会の福山真劫共同代表が、先日(二〇一九年一〇月一九日)、ある集会で、こうおっしゃっていました。
 「共産党の二〇一五年の国民連合政府構想には、正直言って唐突感がありました。しかし、今回はありません。その条件は、確実にできつつあると思います」
 私は、三回、国政選挙で共闘を積み重ねてきて、信頼のきずなが確実に広がってきたと思っております。ここにこう立っておりましても、一緒に宣伝カーに乗って選挙をたたかった仲間の方々がたくさんいらっしゃる。本当に信頼のきずなが、いろいろなところで広がってきた。政策の合意も広がってきた。あとは政治的決断ではないでしょうか。意志さえあれば道は開ける、私はこう考えておりまして、政権をともにつくる合意をつくるうえで機は熟したと考えております。
 なお、私たちは、「政権」と言っているところが一つのミソでありまして、「政府」をともにつくろうとは、私たちは言っておりません。「政府」をともにつくると言いましたら、これは閣内協力ということと理解されてしまうことにもなります。しかし、「政権」ということになりましたら、閣内協力も閣外協力も両方含むでしょう。私たちは、閣内でも閣外でもどっちでもありだと考えております。それはそのときの状況に応じて、閣外でもいいし、必要だったら閣内にも入る。こういう考え方です。ですから、そういう広い意味での「政権」、これを一緒につくっていこうじゃないか、というのが私たちの提案でございます。ぜひ、この意志を確認することから新たなスタートを切りたい。

政権が実行する政策──政権公約についての協議を
 第二は、政権が実行する政策の協議をおこなうということです。
 これは、土台はすでにあると思っておりまして、さきほどのべた市民連合と野党が合意した一三項目の政策合意がベースになるでしょう。
 それから、この一三項目から、エッセンスを取り出しますと、私は三つのエッセンスがあると考えております。
 一つは、憲法にもとづき、立憲主義、民主主義、平和主義を取り戻す。
 二つ目は、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治にきりかえる。
 三つ目は、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く。
 簡単に言えば、「立憲主義」、「格差是正」、「多様性」、この三つの理念はすでに野党は共有しているんじゃないでしょうか。
 そして、これらの理念は当たり前のことのように見えますが、どれも安倍政権にはないものじゃないでしょうか。つまり安倍政治からの転換の方向は、もうすでに野党間で共有している。私は、一三項目の政策合意、そしていまの三つの転換の方向、これを土台にしながら、政権が実行する政策──つまり政権公約をしっかり話し合っていこうじゃないか、これをよびかけたいと思います。
 そのなかでは、消費税の問題も大きなテーマになってこようかと思います。
 消費税を一〇%に増税した結果、いま大変な景気悪化がおこっております。安倍首相は「八%の増税時より、影響は少ない」などと言っていますが、まったくのウソです。家計消費は三カ月連続して前年比大幅にマイナスになっています。景気動向指数は五カ月連続悪化です。八%のときよりさらに悪い。八%のときは若干でも景気が上向きのときにボーンと増税をかぶせて景気悪化に落としたんですが、今回はもともと悪いところに増税をやったわけですから、八%のとき以上に悪いのは当たり前です。ですから私たちは、緊急に五%に減税すべきじゃないか。富裕層や大企業に応分の負担を求めようじゃないか。こういう提案をしております。
 そういう問題もふくめて、政権公約として、魅力ある政策の旗印が立つように話し合っていきたいと考えています。

小選挙区での選挙協力──競り合っている選挙区を中心に一本化を
 そして第三は、小選挙区での選挙協力について、ぜひ話し合いをまとめていきたいと思っております。
 この問題では、二〇一七年の総選挙は、残念ながら難しい流れがおこって、選挙協力は一部にとどまりました。今度はぜひ成功させたい。与野党が競り合っている選挙区を中心に一本化しただけでも、一〇〇くらいはひっくり返ります。一〇〇がひっくり返ったら政権交代じゃないですか。そういう本格的な選挙協力をやっていきたい。
 この三つを、いわば三位一体でやりたいというのが、私たちの考えであります。政権をともにする政治的合意、政権の実行する政権公約、そして選挙協力──この三つについての話し合いを一体にやりたいと考えています。

最大のカギは、政権をともにする政治決断にある
もうそろそろ、われわれと一緒に、政権を奪っていく決断を

 ただ、この三つのなかでも、まずは第一の課題──政権をともにつくる政治的合意が大事だと思っております。そこに目下の最大のカギがあると思っております。
 そこは、ぜひ他の野党のみなさんもここは決断していただきたい。もうそろそろ、決断してもいいんじゃないでしょうか(笑い)。もうそろそろ、われわれと一緒に政権を奪っていく。この決断をしようじゃないかということを、この場をお借りして訴えさせていただきたいと思います。(大きな拍手)

政権公約──政権が実行する政策とともに、不一致点にどう対応するかも話し合う
 私は、共産党も含めた政権協力に踏み切った場合には、政策協議も、選挙協力も、まったく違ったフェーズ(段階)になると思っています。
 まず政策協議が、一般的な政策の話し合いではなくて、政権が実行する政策、つまり政権公約をつくるという協議になってきます。そうしましたら、国民に対するインパクトがまったく変わってまいります。
 その場合には、政権が実行する公約とともに、各党の不一致点について政権としてどう対応するかも、よく話し合っていくことが、私は大事だと思っております。
 みなさんのなかにも、この点がご心配な方もいらっしゃるかもわかりません。私たちとしては、簡単に言えば、一致点を大事にし、不一致点は持ち込まない。これを原則に対応してまいります。
 共産党は、ご承知のように、独自の政策をいろいろな分野でもっております。そうした独自の主張は大いにやっていきます。ただし、不一致点については、政権に持ち込むことはいたしません。
 たとえば日米安保条約の問題です。わが党は、異常な対米従属の諸悪の根源にはこの条約があると考えており、国民多数の合意で解消して、日米友好条約を結ぶという大展望を持っています。ただ安保条約の是非は、野党間で一致していませんから、この問題を野党連合政権に持ち込むことはいたしません。対米関係で野党連合政権がとりくむことは、安保法制の廃止、日米地位協定の改正、辺野古新基地建設の中止など、あまりに異常なアメリカいいなりをただしていくということになるでしょう。
 自衛隊はどうするか。わが党は、自衛隊は憲法九条と両立しないと考えています。国民多数の合意で、段階的に、九条の完全実施に進むというプログラムをもっています。しかし、この立場を野党政権に持ち込むことはいたしません。野党連合政権としておこなうべき自衛隊と憲法との関係の整理は、集団的自衛権行使容認の閣議決定を廃止する。このこと自体が大仕事ですが、こういうことでいい。この閣議決定を廃止したら、その前の憲法解釈に戻ることになるでしょう。かりに政権に入っても、その線で対応していきます。この点でも、ご心配に及ばないと思います。(笑い)

社会主義の新しい形での復権、党綱領改定について
 社会主義・共産主義という大目標、理想は、堅持していきます。この問題で面白いことは、世界で、社会主義の新しい形での復権が起こっているということです。いま行われているアメリカ大統領選挙では、民主党の予備選挙で、民主社会主義者を名乗るサンダース氏が大健闘しています。アメリカの「ピューリサーチ」、「ハリス」、「ギャラップ」などの大手世論調査会社が、この間、世論調査をおこなっています。資本主義と社会主義のどちらが良いかという問いに対して、両者拮抗している。とくに若者と女性は、社会主義の方に親近感をもっている。いま世界で、貧富の格差が目のくらむような広がりを示しています。気候変動がたいへんな危機的状況にある。そういうもとで、利潤第一の資本主義というシステムでいいのだろうか。こういう問いかけが広くおこなわれている。ただし、この体制変革の問題を野党連合政権に求めるつもりは、もちろんありませんので、ご安心ください。(笑い)
 なお、私たちは先日の党大会で綱領改定をおこない、これまでの綱領にあった、中国は「社会主義をめざす新しい探究を開始している国」だという規定を削除いたしました。この間の中国政府の動きを見てきますと、東シナ海、南シナ海での覇権主義的な行動が目にあまる。香港やウイグルでの人権侵害が国際問題になっております。中国の政権党は、「社会主義」「共産党」を名乗っていますが、その行動は社会主義と無縁であり、共産党の名に値しない。そういう立場を綱領のうえでもはっきりさせました。
 私たちがめざしている社会主義・共産主義とは、つぶれてしまったソ連、あるいはさまざまな問題点が噴出している中国とはまったく違います。資本主義のもとで国民が得た、自由、民主主義、人権などの成果をすべて引き継いで、豊かに発展させていく。これが私たちの構想する未来であります。この点でも、どうかご安心いただければと思います。(拍手)

選挙協力の度合いも、政権合意ができるかどうかで異なってくる
 野党連合政権をともにつくるという合意ができましたら、いまお話ししたように、その政権の実施する政権公約の協議にすすむことができる。不一致点に政権としてどう対応するかの話し合いもできます。
 そして、選挙協力も、政権合意が得られるかどうかで、ずいぶんとその度合いが異なってくると考えています。
 政権までともにしよう。ここまで腹が固まったら、私は、(小選挙区制という)選挙制度の問題は考慮いただきたいと思いますが、最大限の選挙協力ができると思います。そこまでいかなかったら、それ相応のものにならざるを得ません。そういう点でも、ぜひこの点での踏み切りを、他の野党のみなさんにも訴えたいと思っているところであります。

安倍政権を倒すことは自明のこと──問題は倒した後にある
 安倍政権は本当に、政権末期だと思います。「桜」の疑惑一つみても、簡単に言うと日本語で説明できなくなっていますよね(笑い)。「幅広く募っているが、募集ではない」とか(笑い)、「合意はしているけど契約じゃない」とか(笑い)、もう日本語として答弁が成り立たないところまで来ているわけです。そして内政・外交ともに行き詰まっている。なんだかんだと外交をやっているふりをしていますが、対米関係、対ロ関係、対中関係──私は三方面の覇権主義に対してペコペコしている、「覇権主義ペコペコ外交」が特徴だと思います。本当の意味での自主外交に切り替えなくちゃいけない。このように考えております。
 この政権を倒さなければならない。これはもう自明のことだと思います。問題は、倒した後にあります。倒した後にどういう政権をつくるのか。ここまでしっかり野党として示して、選挙に勝とうではありませんか。(「よし」の声、大きな拍手)

「多様性の中の統一」という立場で力をつくす
 最後に、一言、共闘にのぞむ私たちの基本的な心構えについてお話しします。
 それは「多様性の中の統一」ということです。私は、野党はそれぞれ個性があっていい。違いがあっていい。違いがあるからこそ、われわれは別の政党を構成しているのであります。違いがあっても、お互いに違いを認め合って、お互いにリスペクトしあって、国民の切実な願いにそくして一致点で結束する。「ユニティ・イン・ダイバーシティ=多様性の中の統一」こそ、共闘のあるべき姿ではないでしょうか。
 これは、世界では当たり前になっていることです。ASEAN(東南アジア諸国連合)のモットーは、ユニティ・イン・ダイバーシティ。東南アジアの国ぐには、発展段階もさまざま、社会体制もさまざま、宗教もさまざまです。しかし、多様性を相互に大切にしながら、協力しあって、平和の地域共同体をつくっている。こういう姿に、私たちも学びたいと考えております。
 相手を見れば、安倍政権は「多様性ゼロ」の政権です。安倍首相の言うことに議論ゼロで従う。官僚はみな忖度する。こういう政権に対して、野党の側は「多様性の中の統一」の立場で向かうことが、一番強いのではないか。
 そういう姿勢で、共闘の発展のために、今後もみなさんと力を合わせて、とことんがんばり抜くことをお約束して、私の話を終わります。(大きな拍手)

質疑応答
野党共闘の首相候補は?有権者の気持ちがつかめるか?

 質問 二つあります。野党共闘で、首相候補はだれか。志位委員長か。そうはいっても、安倍政権の支持率は四割あるなかで、先ほどの政策案は非常に魅力的だと思いますが、果たしてそれで、あきらめている有権者を本当に振り向かせることができるのか。なかなか支持率が上がっていません。
 志位 首相候補は、やはり野党第一党の代表ということになるでしょう。そういうふうにお答えしておきたいと思います。「どうしてもやれ」、となったら私もやりますが(爆笑、拍手)。野党第一党の党首ということになると思っております。
 それから、民意をつかめるか、ということなんですが、先ほどお話ししたように、共闘で選挙を三回やった実感を申しますと、野党の本気の度合いがどれだけ伝わるか、打ち出す政策の魅力ももちろんですけれど、本気でこれをやるつもりがあるのか、本気で政権をとるつもりがあるのか、ただ口で言っているだけじゃなくて、その迫力があるのか、というところをやはり国民のみなさんは見るんじゃないでしょうか。そのためには、やはり先ほど言ったように、政権の合意をつくる、その政権が実行する政権公約をつくる、こういうことをやってはじめて、同じことを言っていても響き方が違ってくる。そう考えております。(拍手)

女性、性的マイノリティー、若者がリーダーになる可能性は?
 質問 僕はいま二二歳ですが、若者の立場からお聞きしたいのは、いまこの会場にいるのは、中年から高年の男性ばかりです。九つ公党があるが(党首は)全部、男性です。世界を見ると、カナダ、ヨーロッパでも、意見の良し悪しはおいて、若者の国家元首まで生まれてくるような状況になっている。共産党さんに特定するわけではないですけれど、日本の公党の中から、若い、さらにいえば女性、LGBTの方が、公党の代表になっていただけるということがあれば、若者の立場から、自分と身近な人が政治の場で、これだけ活躍しているんだという身近さを感じることができるようになるのではないかな、という考えをもっていまして、共産党さんのなかで、そういった若い方がリーダーになる土壌はあるのか、そういう予定はあるのでしょうか。
 志位 たいへんに大事なご指摘だと思います。ジェンダー平等が、本当にいまたいへん大事な課題に国内でも世界でもなっています。先ほどわが党が綱領改定をおこなったということを申しましたが、綱領改定でも、「ジェンダー平等社会をつくる」という課題を新たに明記しました。それから、「性的指向と性自認を理由にする差別をなくす」、「女性にたいするあらゆる形態の暴力を撤廃する」ということを綱領に書き込みました。
 ジェンダーという問題は、本当に大事な課題で、法律上は「男女平等」になっていても、実際は女性に対する根深い差別がある。女性に対する暴力がある。政治的につくられ、歴史的に押し付けられてきた、「女性はかくあるべし、男性はかくあるべし」という、行動規範や役割分担があり、知らず知らずのうちに国民の中に刷り込まれている。それは決して自然にできたものではなく、支配する側がつくり、押し付けてきたものです。政治の責任でジェンダー差別をなくしていく必要があると思うんですね。
 私たちの党自身も、この立場で大いに学び、自己改革をはかりたいと決意しています。その第一歩ですが、今度の党大会で、党の副委員長に二人の女性を起用しております。「桜を見る会」の追及でもがんばってきた田村智子議員が、副委員長・政策委員長になりました。それから、倉林明子議員が、副委員長・ジェンダー平等委員会責任者になりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 おっしゃるように、女性や、性的マイノリティーの方々も、党のリーダーになっていくことが当たり前の時代になるように、私たちも努力していきたいと思っています。
 それから、共産党の場合、日常的な執行機関として、常任幹部会というのがあるんですが、そこに三人、三〇代の若い方に入っていただきました。東京選出の吉良佳子議員と山添拓議員、そして田中悠さんという三人です。こういう若い方にも入ってもらいました。それから、常任幹部会のメンバーのなかに八人の女性が入りまして、女性が構成の三割を超えました。さらに努力が必要ですが、これも一歩前進と考えております。
 さらに、私たちの党でも、トランスジェンダーであることをカミングアウトされている方で、地方議員でがんばっておられる方もいます。性的マイノリティーの方がいろんな場で活躍されることも当然の方向として努力していきたいと思っています。
 いまの若者からしますと、ジェンダー平等の問題は、とても身近な問題です。性暴力根絶を求めるフラワーデモが広がっています。私も何度か参加したことがありますが、若い方々からすると、学費が高すぎる、働き方がひどいということとあわせて、ジェンダーの問題、気候変動の問題などに対し、とっても敏感だと思います。野党共闘としても、ぜひジェンダー平等を、さらにしっかり位置づけていくことが大事ではないかな、と思っています。(拍手)

これからはアメリカ従属からの脱却をめざさないといけないのでは?
 質問 野党共闘を阻んでいる原因について、自分なりに考えているんですけど、その一つに保守の勢力があると思っていて、日本において保守というのは二つあると思っていて、一つは親米保守と、もう一つは対米自立を志向する保守と、本当は二つあるんじゃないかと思っていて、そのなかで日本が今までは対米従属でそれが保守だという認識があったと思うんですけれども、そろそろこれからはアメリカからの脱却をめざしていかないと、日本は動いていかないということに目覚めていいのかなと思っていて、その点についてどう思われますか。
 志位 いま言われたことを私も感じておりまして、さきほど沖縄の話をさせていただきました。亡くなった翁長さんにしても保守ですよね。日米安保条約は肯定されているわけです。しかし今のような、なんでもかんでもアメリカの言いなりになっている状態からは脱却しなければならないという点では、方向性は随分一致しているのだと思います。
 それから、他の野党のみなさんも、日米地位協定の抜本改正を主張しておられますよね。日本くらい米軍の特権がひどい国──地位協定が屈辱的な国というのはありません。これも対米自立の方向に一歩進もう。これも私たちは賛成です。
 いま保守のなかでも、あなたが今言われたように、アメリカ言いなりで、トランプ大統領の言うことは何でもペコペコで言うことを聞く。こういう本当の保守とはいえないような、いわばきつい言葉で言うと売国勢力と(笑い)、それと国の未来を本当に思うまっとうな保守の方々と、二つあるだろうと思います。そういうなかで、日本の自立を真剣に願っている保守の方々と協力していきたい。これが私たちの立場であります。ぜひご一緒できるんじゃないかと思っております。(拍手)

政権交代したら不正をただすことができるか?
 質問 現在の政権は、権力の恣意的乱用と言えるような、人事や不正が横行していて、あまりにも悪い前例をつくっていますが、政権交代したら、この流れを変えることができるんでしょうか。
 志位 これはできると思いますよ。まず衆議院選挙で野党が勝って政権を握ったとしますでしょ。その場合に参議院は与党──自民党が多数ですが、それでもできることがある。まず予算はつくれる。予算は衆院だけでも通せます。そして、何より最優先のこととして、安倍政権によって壊されてきた立憲主義・民主主義を再建する。隠されてきた文書、捨てられたとされている文書などを、すべて洗いざらい明らかにする。つまり政権のウミを出し尽くす。これだけでも大仕事じゃないですか。これらは政権交代すれば、すべて実行することができます。今の政権によるウソと隠蔽は、「森友・加計・桜」だけじゃない。この間も、沖縄の新基地建設予定地の軟弱地盤の情報隠しが明らかになっています。あらゆる点で情報隠しをやっているわけです。これを洗いざらい明らかにする。これだけでも私は、日本の民主主義にとってものすごい進歩になると思います。そういうことが政権交代をすればガラッとできるようになる。
 民主党政権の時代に、私たちは野党でした。ただ、民主党政権が最初にやった一連の改革については、賛成したものも多いんです。例えば「日米核密約」の問題です。自民党政権はその存在すら認めてこなかったんだけど、はじめて「核密約」があることを政府として認めた。私たちもずっと「核密約」の追及をしていたものですから、当時の鳩山由紀夫首相や岡田克也外相に、私どもの資料をお渡ししたこともあります。「核密約」については、それを公式に廃棄するという課題が、今後に残されていますが、その存在を明らかにしたことは、重要な一歩だったと思います。
 こういうことが、政権交代でもっともっとできるようになる。これだけ安倍政権が、日本の政治をめちゃくちゃにした。これを再建するだけでも大仕事です。この再建の仕事ができるようになると思います。それと一体に、国民の切実な暮らしの問題にこたえる仕事をどこまでできるかということについても、具体的に議論を煮つめて、ぜひメニューとして示していくということが大事じゃないかと思っています。(拍手)

 司会 ありがとうございました。本日は、半歩といいますか、一歩二歩三歩も踏み込んだ貴重なご講演をたまわりまして、一つ一つの塾生の質問にもていねいにご回答たまわりました。本当に貴重な講演となりました。素晴らしいご講演をたまわりました志位委員長に、今一度盛大な拍手をお願い申し上げます。(大きな拍手)

講演する志位和夫委員長(2月9日、東京・新宿区)