2013年6月16日付「しんぶん赤旗」

激戦 語れば“共産党”

原発なくしたい 保育園増設を 憲法守って…

東京都議選


 東京都議選(23日投票)の告示後最初の土曜となった15日、日本共産党は42選挙区で候補者を先頭に、支部・後援会が宣伝や対話・支持拡大に全力をあげました。志位和夫委員長が4選挙区を駆け巡ったのをはじめ、市田忠義書記局長、小池晃副委員長など党幹部も激戦の選挙区で党候補の必勝を訴えました。党支部・後援会は支持拡大で飛躍をつくろうと電話も使い、「共産党の躍進で認可保育園と特養ホームの増設を」「憲法守り、原発ゼロの願いを共産党へ」と呼びかけました。一方、他党派も必死のとりくみを強めており、共産党締め出しのシフトを敷くなど激戦の様相です。


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(写真)宣伝する青年たち=14日、東京都中野区

 「ギリギリの暮らしをなんとかして」「共産党に初めて投票しようと考えている」―。東京都議選で15日、日本共産党の志位和夫委員長と市田忠義書記局長の遊説場所で本紙取材班は、通りがかって演説に足を止めたり、ビラを受け取った有権者と対話。党の政策や役割を語れば、期待と共感が広がりました。

「三つの願い」が響く

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(写真)志位委員長らの訴えに声援を送る人たち=15日、東京都練馬区

 暮らしを良くする、原発ゼロ、憲法を守る、という都民の「三つの願い」に応える日本共産党の政策が模索する有権者の心に響いています。

 「原発をなくしてほしい」というのは、国分寺駅前で市田さんの訴えに立ち止まった鈴本健二さん(22)=会社員=。「静岡出身ですが、(中部電力)浜岡原発もあるし、とても心配です」。しかし、「なにも変わらないから」と選挙には一度も行ったことがありません。記者が「市田さんも話しているように共産党は、都議選でも原発ゼロを掲げています」と説明すると、「原発なくしたいから投票にいきます」と約束してくれました。

 「共産党の演説を聞こうと思って来た」という行(ゆき)健夫さん(50)=小金井市=。「病気で仕事を失い、職探しをしていますが、とにかく雇用がありません。生活保護も受けられず、生活がギリギリ。最低賃金を上げるなど、共産党にがんばってほしい」

 2歳と4歳の子を連れた小池尚子さん(38)=練馬区、自営業=は、「2人の子は別々の保育園。でも周りには仕事がなくて入園の申請さえできない人もいるのでぜいたくな悩みです」と語ります。「(共産党は)考え方が好き。でもいつも負けちゃうからな」と小池さん。党都議団は数は少なくても、議会で提案し、1万7500人分の保育所を増設したことを伝えると「そうだったんですか。がんばって」。

 自民党の悪政と正面から対決する姿も鮮明に。

 志位さんが演説した練馬駅前で自転車を止めた50代の男性=出版関係=。自民党が嫌だから民主党に投票し続けてきたといいます。共産党が国政で自民党に真正面から対決し、都政でもチェック機能を失った「オール与党」に対決していると説明すると、「共産党がぶれずに掲げた政策を実現しようとしているのはよくわかる。(共産党も)考えてみます」。

「このままだと大変」

 妻と演説を聴いていた会社員の男性(40)=立川市=は「新しい政治を期待して民主党に入れたけれど、ぜんぜん変わらなかった。それでまた自民党じゃあ…」。憲法改定に国防軍の創設、増税に社会保障の切り下げという自民党の方針を話すと、こう期待を込めました。「確かにこのままいったら大変なことになりそう。共産党には入れたことはないけど、今度は応援しますよ」


「こういう頑張りが大事」

青年の宣伝市民が激励

中野

 14日午後9時。東京都中野区のJR中野駅北口の改札をでると、青年たちの元気な声が聞こえてきました。この日から、中野の青年支部や中野在住の青年党員、後援会員たちが、おかえりなさい宣伝を始めました。15日昼も中野共立病院内日本共産党後援会と一緒に、メガホン宣伝を行いました。

 14日は、青年たちとともに、ベテラン党員や後援会員も一緒に15人ほどでにぎやかに宣伝。声をあわせて訴える姿や、「認可保育園ふやしましょう」「原発いますぐなくせ!」「ブラック企業根絶」などのプラスターに、通行する人たちの注目が集まります。

 宣伝中に話しかけてきた男性とは、保育園や憲法の問題などで長い対話に。憲法改定などで意見の違いもありましたが、最後には「共産党に入れるから。こういう頑張りが大事だね」。

 「原発を止めたい思いで、どこに投票しようか悩んでいる」という女性には、「本当に原発ゼロを実現するには原子力ムラに切り込めるかどうか、アメリカにはっきりとモノが言えるかどうかが重要」と共産党の政策を紹介すると、真剣に話を聞いてくれました。

 駅前では、他党も夜遅くまで宣伝。15日昼も、各党の宣伝カーがひっきりなしに現れました。メンバーらは「前回の都議選では279票差で植木こうじ候補の議席を失った。今度は絶対に都議会に押し上げたい」と語っていました。