2013年5月23日(木)
日本共産党東京都委員会は22日、江東区の有明コロシアムで、志位和夫委員長を迎えて演説会を開きました。都議選(6月14日告示、23日投票)と7月の参院選で連続勝利を勝ち取ろうと、3階席まで埋めた聴衆は「そうだ」のかけ声と盛んな拍手を送りました。都議・都議予定候補42氏が勢ぞろいし、あぜ上三和子都議(江東区)と尾崎あや子予定候補(北多摩1区)が力強く訴え。参院選をたたかう小池晃副委員長(参院比例予定候補)と吉良よし子参院東京選挙区予定候補も登壇し、比例5氏と吉良氏の当選に全力をあげる決意を述べました。志位委員長は「首都東京の底力を発揮し、燃えに燃えて、大激戦を勝ち抜き、必ず躍進を果たそう」と力強く訴えました。
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志位氏は都議選・参院選を貫く「五つの大争点」―暮らし・経済、原発、「アメリカいいなり政治」、憲法問題、歴史問題―を解明し、参院選では「自民党対共産党」、都議選では「オール与党対共産党」という対決軸を際立たせました。
第一の争点は、暮らしと経済です。
安倍内閣が最大の売りにしている経済政策「アベノミクス」。賃金や中小企業、設備投資という経済の土台では落ち込みが続く一方で、一握りの富裕層には巨額の富が転がり込む経済がまともといえるのか―。志位氏はアベノミクスの実態を解き明かしながら、「政府が率先して『投機とバブル』をあおり立てるのは邪道です」と指摘しました。
首相が「成長戦略」で標榜(ひょうぼう)する“企業が世界一活動しやすい国”の正体についても、「解雇自由」「ただ働き自由」―“働く人が世界一住みにくい国”だとズバリ解明。
消費税増税ストップ、働く人の賃金と安定した雇用を増やして「デフレ不況」から脱出する党の抜本的対案を正面から対置し、「日本共産党を伸ばして大幅賃上げを勝ち取り、この不況から抜け出そう」と訴えました。
では、国の間違った政治からの「防波堤」となるべき都政はどうか。
―他の道府県が1人あたり老人福祉費を平均53%増やすなか、1999年度から2011年度で23%減。結果、全国1位から29位に転落。
―国保の滞納世帯は23%。市区町村への都の支援額は石原・猪瀬都政下で320億円から43億円に激減。
―1メートル1億円の東京外郭環状道路建設には2兆円もの巨額のお金を注ぐ。
福祉と暮らしを削りながら、大型開発に熱中する姿を厳しく告発した志位氏は、「自治体にあるまじき『逆立ち』政治をただす―ここに都議選の最大の争点があります」と強調しました。
住民の運動と結んで都政を動かす日本共産党都議団は「調査・提案・論戦」という「三拍子」そろった素晴らしい議員団だとその実績を紹介し、躍進を呼びかけました。
第二の争点は、原発問題をどうするかにあります。
首相が財界と一体に再稼働に暴走し、原発輸出の「トップセールス」に奔走するなか、福島第1原発では、大気中に放出された放射能の10倍もの巨大な放射能を含んだ大量の汚染水が流出する瀬戸際の危機的状況にあります。
志位氏は、福島原発の実態と自らの視察も踏まえ、政府に対し(1)「収束宣言」を撤回する(2)再稼働は論外(3)即時原発ゼロの決断―3点を要求。
「日本最大の電力消費地、首都・東京から原発即時ゼロ・再生可能エネルギーへの転換の流れを共産党の躍進でつくろう」と訴えました。
第三の争点は「アメリカいいなり政治」を続けていいのかです。
環太平洋連携協定(TPP)、米軍基地国家という二つの問題から語りました。
このなかで志位和夫委員長は、首都に広がる米軍横田基地では、米国内であれば公共施設の設置が禁止される地域に、小学校や病院、特養ホームなどが多数存在する危険な実態があることを告発。「沖縄のたたかいに連帯し、横田基地の無条件・全面撤去を要求していこう」と訴え。「日米安保条約をなくし、真の主権回復をかちとろう。自主・独立・平和の新しい日本を築こう」とよびかけました。
第四の争点は、憲法をめぐる対決です。
改憲派が、憲法9条改定の「突破口」として憲法96条の改定―改憲手続きの緩和―を押し出したことに、各界から批判が広がり、「動揺と混迷」が始まっていると指摘。「ここは攻めどころです。このたくらみを断念に追い込むまで国民的包囲を強めよう」と力説しました。
第五の争点は歴史問題をめぐる対決です。
安倍内閣のもとで過去の侵略戦争と植民地支配を正当化する歴史逆行の勢力が本性をむき出しにし、一大国際問題となっています。
志位氏は、「村山談話」見直しをすすめる安倍首相の姿勢を厳しく批判。「戦後の国際政治は、日独伊がおこなった戦争が不正不義の侵略戦争であることを共通の土台としています。この土台を覆す勢力に国際政治に参加する資格はありません」とのべました。
さらに、日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が、「慰安婦は必要だった」などという驚くべき暴言を吐いたこと、石原慎太郎共同代表も、維新の会としても、この発言を擁護・容認していることを厳しく指摘。「このような態度を続ける限り、維新の会は、国政であれ、地方政治であれ、日本の政治に関与する資格はありません」とのべました。
「都議選・参院選で逆行勢力に厳しい審判を下そう。暗黒時代に侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた党として先頭にたって奮闘する決意です」と表明しました。
都議選・参院選を貫く「五つの大争点」から、「暴走と破たん」という安倍内閣の特徴を示した志位氏。他の諸党が「安倍へ、自民へ」となびくなか、国民とともに安倍内閣の暴走に正面から対決し、「アメリカいいなり」「財界中心」「歴史逆行」という「三つのゆがみ」をただす抜本的改革の対案を示しているのは日本共産党だけ―“自共対決”こそ「参院選の真の対決軸」だと強調しました。
「都政ではさらにわかりやすい政党状況が展開しています」と続けた志位氏。猪瀬都政のもとで、自民、公明、民主、維新、みんなの各党が、知事提出の議案に100%賛成している事実を示し、「『オール与党でいいのか』こそが大争点です。『オール与党対日本共産党』の対決構図のなかで、大激戦を勝ち抜こう」と訴えました。