2013年1月14日(月)

働く人の所得増やす政策への転換を

NHK番組 志位委員長が主張


 日本共産党の志位和夫委員長は13日、NHK「日曜討論」に出演し、安倍晋三首相が決定した「緊急経済対策」について「なぜデフレ不況がここまで深刻化したかについての原因の分析がなく、まともな処方せんがたてられない中身になっています」と指摘したうえで、「(デフレ不況打開の)最大のカギは、働く人の所得を増やす政策への転換です」と強調しました。(詳報)


安倍経済政策

「三本の矢」というが“折れた矢”を三つ並べただけ

 このなかで志位氏は、1997年を100とした場合に、資本の取り分である「経常利益」は163まで増えた一方で、労働者の取り分である「雇用者報酬」は88まで減っている実態を示し、デフレ不況の最大の原因は「働く人の所得が減り続けているところにあります」と述べました。

 そして、安倍首相が「緊急経済対策」で「三本の矢」として掲げた(1)「大胆な金融政策」(2)「機動的な財政政策」(3)「民間投資を喚起する成長戦略」について、「新しい中身は何もない」とズバリ指摘しました。

 「金融緩和」は、これまで散々やってきたが効果がなかったのをもっとやろうというものであり、「大型公共事業」のばらまきは、経済成長につながらず、借金の山を残しただけだったと指摘。「成長戦略」も、貧困と格差を広げて破綻した小泉「構造改革」の焼き直しだと批判しました。そして、「破綻が証明された“折れた矢”を三つ並べただけだというのが実態です」と語りました。

 そのうえで志位氏は、対案を問われ、三つを示しました。

 第一は、消費税増税の中止です。消費税率10%で、サラリーマン家庭では年間で1カ月分の給料が消えることをあげ、「所得を増やさなければならないときに奪うのは論外です」と指摘しました。

 第二は、大企業が進めている身勝手なリストラ・賃下げをやめさせることです。電機産業の13万人にものぼる首切り計画や、経団連の“賃下げ宣言”をあげて、「政治の責任でストップさせていく必要があります」と強調しました。

 第三に、人間らしい暮らしを保障するルールをつくることです。雇用のルール強化で非正規社員の正社員化、最低賃金の抜本的引き上げ、中小企業と大企業の公正な取引ルールづくりなどを列挙したうえで、「大企業の260兆円の内部留保=ため込み金のごく一部を活用しただけで可能になります。ぜひそういう改革をやりたい」と表明しました。