2013年1月1日(火)
2013年は日本の政治の行方を左右する参議院選挙の年です。新春からダッシュする日本共産党の比例代表5氏と志位和夫委員長が選挙にかける抱負などを大いに語り合いました。
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志位 あけましておめでとうございます。
5氏 おめでとうございます。
志位 昨年の総選挙で、ご支持いただいた有権者のみなさん、寒さのなかご奮闘していただいた支持者、後援会員、党員のみなさんに心からお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
選挙の結果は、私たちは議席の倍増を目指して奮闘したわけですけれど、9議席から8議席に後退するという残念な結果になりました。委員長としていたく責任を感じています。ここは、しっかりと自己分析をして、参院選挙では、それを踏まえて、必ず前進・躍進に転じたいと思っています。
今日は5人の参院比例代表の予定候補者のみなさんに集まっていただき、選挙にのぞむ抱負などについてざっくばらんに話してもらいたいと思います。どの方も、もう政治の舞台で試されずみの大活躍をしていますが、とりわけ選挙に向け、これはぜひやりたいという抱負を一言ずつ、語っていただければと思います。まず活動地域が北の方の紙さんからお願いします。
紙 私は参議院に送り出していただいてから12年たったわけですけれど、数えてみるとその間に総理大臣で7人、農林水産大臣が17人も代わっているんですよ(一同、笑い)。政権交代がありましたけれど、結局、「アメリカ、財界いいなりの政治」は変わらない。今年の抱負でいうと、そこを変えていくことに真正面から取り組んでいきたいなと思います。
とくに農林水産分野ですごく大きかったのは、やはり一昨年の3・11の東日本大震災による被害です。復旧・復興はまだ緒についたばかりで、たとえば津波で被害をうけたイチゴ産地の宮城県亘理(わたり)町、山元町は『農業白書』で「東北一のいちご産地の完全復旧」のためにチームをつくって取り組んでいることを紹介していますが、大多数の農家は再開できず苦しんでいます。水産業では、地盤沈下した港をかさ上げして船をつけられるようにすると同時に、冷蔵や加工など一体に復興させるなどたくさんの課題が残っていますから、これを一つひとつ、被災者のみなさんの声を聞いて解決していくということに取り組みたい。
それから環太平洋連携協定(TPP)はいよいよ焦点になってくると思うんですね。もともとは農業の再生を図るための政権交代という期待があったのに、まったくそれを裏切る形になって、一昨年以来、TPPを言い出しました。食料自給率50%といっていたのと逆行することが行われようとしています。
TPP推進の政府の姿勢を見て離農する人たちも出てきています。これはもう絶対に阻止するということで、たたかいに全力をあげて取り組んでいきたいと思います。自分自身も選挙で勝利をしたいと思っています。
志位 今度の自公連立合意でTPPは「国益にかなう最善の道を求める」という表現です。まがりなりにも選挙中は安倍さんが「例外なき関税ゼロが前提なら参加しない」「反対」といっていたのを早くも投げ捨てる気配が相当漂っていますから、年明け早々、緊迫しますね。
紙 今度の選挙で当選した議員の66%は、アンケートで「TPPは参加反対」と言っているわけです。自民党議員も多くが「断固阻止」と訴えてきたのです。だから国民の側からの縛りをかけて、きちんと公約守れというたたかいをやっていかなくてはいけないと思います。JA全中など、TPP反対で頑張ってきた団体のみなさんも約束したことを破らないだろうな≠ニ注視をすると言っています。そこは本当に緊迫した状態が続くでしょうし、破ったときは、多くの人たちがその時点で、自民党政権に対して反対することになると思います。
志位 たたかいは本当にこれからだと思いますね。私も、JAのいろんな集いに紙さんと一緒に参加する機会が多かったんですけど、JAのみなさんから信頼や期待が広がって、「農業の守り神(紙)」(一同、笑い)といわれていますけれど、一緒に力を合わせて頑張りたいと思います。
志位 小池さんは政策委員長として、あらゆる改革のビジョンをつくる中心になって頑張ってきました。「経済提言」では、懇談会などで日本国中を歩いてきたんじゃないかと思うんです。
小池 2010年参院選挙の痛苦の経験を経て、反対だけではなくて日本をこう変えるんだ≠ニいう前向きな提案をしていこうと努力をしてきました。日本共産党は綱領をもち、一番、未来を語れる党なのですから。財政問題では、「消費税に頼らない別の道がある」という具体的な財源を示す提言も行いました。原発については「即時ゼロ」という立場を鮮明にした提言を発表しました。外交ビジョン、尖閣ビジョン、そのほかにも、被災地の復興では3次にわたる提言とともに、日本の災害政策そのものを根本的に転換しようという提案もしました。
志位 いじめ問題の提言もありましたね。
小池 「『いじめ』のない学校と社会を」という提言も発表しました。そういう意味では、本当に語りやすい選挙だったといろんな方に言っていただきました。私自身も街頭で訴えたり、テレビ討論で話すときにも、今まで以上に自信をもって語ることができたかな、と思っています。
同時に、どうこれを本当にみんなの心に響くように語っていくかは、参院選挙に向けて努力をさらに進めていきたいなというふうに思っているんです。
新しい挑戦もしていきたいなと思っています。選挙直前に島根県の隠岐島に行ったのですが、本当に大歓迎していただきました。町の商工会議所の黒板に「12月2日、共産党小池演説会」と書いてあったらしいですけど。6人の商工会の職員が参加されたそうです。また森林組合の組合長さんも来てくださいました。隠岐島は竹島が近いですから、やはり危機感を持っているんですね。領土問題の共産党の考え方を最初に話したら、よく分かっていただいて、翌日の首長さんたちとの懇談も弾み、総選挙の得票も参院選に比べ3割増でした。
参院選に向けて、今まで演説をやったことのない場所や今まで懇談したことのないような団体のみなさんとお話をする。本当に共産党の政策を、この国の隅々まで届けきることに力を尽くしたいなと思います。そうすれば必ず大きな変化をつくれるんじゃないかなと、今実感しています。
志位 今度の選挙の改革ビジョンはどれも、前回の参院選の教訓を生かして、解決策を示し、展望を語る点で、とてもいいものだったと、自信を持って言えるんじゃないかと思うんです。各県の県委員長さんや、一緒にたたかった比例代表、小選挙区の候補者のみなさんの感想を私も全部読みましたけれども、圧倒的多数のみなさんが、今度の選挙の政策は、自分でも確信をもって語れたし、語りやすかったと言っています。ここは自信を持って、参院選にむけてやっていきたいと思います。
ただ挑戦という点で言いますと、いま、新しい政治を模索し探求し、悩んでいる国民のみなさんの気持ちにかみあって、心にしみ入るような訴えをどうしていくかという点では、もっともっと改善が必要だと感じています。私自身も、新しい挑戦をやっていかなくてはいけないなと思います。
小池 もっと日常的に積み重ねて磨きをかけていきたいですね。
志位 井上さんは、たとえば原発の問題でも、たいへん大事な論戦をたくさんやってきたと思うんです。私自身の経験からいうと、2010年のNPT(核不拡散条約)再検討会議で、アメリカに一緒に行って、核兵器廃絶の取り組みでも、すごく情熱的に取り組んできたと思うんですね。
井上 広島に育った被爆2世ということで、核兵器のない世界をつくること、それから被爆者の平和への思いがこもった憲法を守り生かすということをずっと信条にしてきました。委員長と一緒に行った時を含めて、2回続けてニューヨークで開かれたNPT再検討会議に行って、核廃絶を訴えてきたんです。
国連に行って痛感したのは、日本の署名などの草の根の運動と、被爆者の生の発言が、どんなに世界の世論を動かしているかということです。ところが今度の選挙で、「日本維新の会」の石原慎太郎氏が核武装を口にし、「毎日」の調査では、「維新」の候補の77%、自民党候補の38%が、核武装検討と答えていました。こういう連中に負けてたまるかという思いでたたかいました。次の参院選挙では憲法9条が正面から問われますから、いよいよ負けられない。
それから、一昨年の大震災のあとの8月9日、長崎市長が平和宣言で、「『ノーモア・ヒバクシャ』を訴えてきた被爆国の私たちが、どうして再び放射線の恐怖に脅(おび)えることになったのでしょうか」と読み上げられた。そういうこともあって、原発問題というのは被爆2世としての課題であり、担当する北陸信越、東海地域には、柏崎刈羽、志賀、若狭原発群、浜岡原発まであって、日本の原発の半数以上が集中している世界一の密集立地地域でもあり、どうしても取り組まなくてはならない自分の課題だと思ってきました。
福島の事態を見たら、二度と事故を起こしてはならないし、地震大国日本に、安全と言える原発があるのかという角度で、この間、ずっと論戦してきました。柏崎刈羽原発は活断層が過小評価されていて中越沖地震のとき、基準地震動の4倍の揺れがあったし、志賀原発は建設のときに直下にある典型的な活断層が見逃されてきたのではないかという重大問題になっています。電力会社寄りの一部の専門家によって建設のときに極めてずさんな活断層審査が行われている。全部、自民党時代ですよね。だから既存原発の総点検をし、その際に、「第三者の専門家を必ずいれろ」ということを国会でかなり求めてきた結果、今、原子力規制委員会のもとに一定の第三者的な方が入って、東通も敦賀も活断層を否定できないというところになっているわけです。
志位 規制委員会のもとに専門委員会がつくられて、この専門委員会はわりと機能していますね。
井上 まともな専門家からみれば明らかな活断層が、かつての自民党政権のときに見逃されてきた。気象庁長官も私の質問に日本でここに大きな地震が起きないといえる場所はないと認めたわけで、安全な原発などなく、再稼働の条件はないということは明らかです。
選挙がおわったら、早速、電気事業連合会(電事連)が「原発稼働ゼロ」を見直すよう注文をつけ、安倍さんは新規建設まで口にしている状況です。国民はこんなことOKしていないという思いで選挙直後の官邸前行動に初めてきたという人もかなりいたようですが、こういう人たちともっと手を組んで「原発即時ゼロ」へさらに頑張りたいと思います。
志位 私は、昨年12月21日の金曜日の官邸前行動に行ったんですけど、新たな決意に燃えているという感じで、新しく参加した方もすごく多かった。自公政権が再稼働ということをいいだし、新規建設までにおわせたことに対して、そんなことを国民は支持した覚えはないぞという感じで、新たな怒りがあふれていました。これもたたかいはこれからだな、という感じを強く思うんです。
志位 山下さんはいろんな分野での活躍がありましたけれども、労働者のたたかいと一体に、その声を国会に届けるという点での一貫した頑張りが、非常に印象的でした。
山下 6年前に国会にもどしてもらって以降、大企業による身勝手な労働者の使い捨てに待ったをかける論戦に力をいれてきたつもりです。いま振り返って、パナソニック、ソニー、キヤノン、ダイキン、ダイハツ、住友電装、NTTなど、実際の大企業の職場で、実際に起こっている無法、違法な実態を踏まえて、企業の実名をあげて、国会で告発、追及してきました。
ソニーの期間社員の若者が「世界的メーカーの品質を担っているのは自分たちだという自負があった」と語ってくれましたけれど、こういう労働者の誇りと怒りを胸に刻んで総理や大臣と対峙(たいじ)してきたつもりです。ソニーの若者たちが自ら労働組合に入って、ねばり強くたたかって、大企業相手に勝利をしたというのは本当にうれしい出来事でした。
4年前、「年越し派遣村」がうまれ、小泉「構造改革」のもとでの労働法制の規制緩和が労働者を安上がりで使い捨てるためのものだったということが社会的に明らかになりました。そのことが政権交代の大きな原動力の一つになったと思うのですが、民主党政権はその期待をことごとく裏切って、結局、労働者派遣法の抜本改正も、有期労働契約の規制強化も、全部骨ぬきにしてしまった。
この裏には経団連、財界の圧力があったわけですが、財界にちゃんとモノをいう党でなければ、労働者の雇用と権利を守る本物の改革はできないということが明らかになったのが、この間の一連の政治の流れだったのではないかと思います。
小池さんが新しい挑戦とおっしゃったんですけれど、私もぜひこの分野で新しい挑戦をしたい。
まだごくわずかな経験なんですけれど、この間、志位委員長の国会質問も踏まえて、NECの本社と日本IBMの本社前で選挙前と選挙中に門前宣伝をしたんです。非常に労働者の反応がいいんですよ。労働者を10、11回と呼び出して、退職強要をするというやり方を告発した「赤旗」の日刊紙を掲げて声をかけていると、じっと信号待ちで立ち止まってそれを聞いてみて、近寄ってきて受け取っていく。用意した100部の「赤旗」日刊紙は全部なくなりました。
そのとき言ったのは、「大企業をつぶそうというのが共産党ではない」ということです。「私もパソコンは長年NECを使っています。いいモノをつくってくれている労働者・技術者に感謝します。ところが、その労働者・技術者をこんなやり方で使い捨てて電機産業に未来はあるのでしょうか」という切り口でアプローチしたんです。NECのなかで働いている人たちの気持ちにもぴったりきたんじゃないかと思います。
やはり、労働者の雇用と権利を守るというだけではなくて、日本経済、そして、企業や産業の発展にとっても大事な問題を日本共産党が提起していることが伝われば、この分野でも大きな共感を得られるということを感じました。
まだまだ届いていないと思うので、大いにそういう風をこれからも吹かせたいなと思っています。
志位 NECと日本IBMの問題というのは、山下さんたちに全面的にバックアップしてもらって、私も国会質問をやりましたけれども、あそこで取り上げた論点として、大企業が競争力、競争力というけれど、自分で競争力を壊しているんじゃないかと。私が山下さんと一緒に聞き取りをやった労働者のみなさんは、ほとんどがエンジニアなんですね。誇りをもって働いてきた人たちです。その人をどんどん切り捨てるというのは、本当に自分で自分を壊しているということですよね。
1社では、なかなか止められないわけで、そこは政治の出番なんだという議論を、私たちはこの間やってきました。そういう議論は、労働者のなかでこれまでなかなか声が届かなかったところにも入っていける。それも正規労働者の中にも入っていける道を開拓したというのは、とても大事だったと思います。
志位 仁比さんはなんといっても弁護士出身で、たくさんの分野の活躍がありますが、やはり憲法が大きいでしょう。あなたの発言のなかで印象深く覚えているのは、(第1次)安倍政権が強行した改憲手続き法の参院での反対討論です。自らの感情をぶつけて、涙ながらの反対討論をやった。なんとしてもこれは許してならんぞ、という気持ちが伝わってくるものでした。
仁比 「当面は安全運転で参院選挙勝利を」というのが(第2次)安倍政権のもくろみだといわれているんですけれども、だいたい交通事故の裁判なんかでも、危ない運転をする人ほど、そういうふうに安全運転というわけです。(笑い)
いま、委員長から紹介していただいた2007年の改憲手続き法の強行がなぜ起こったのか。あのときにテレビ中継で私も取り上げて質問したんですけれども、安倍政権が当時掲げていた自民党としての改憲スケジュールというのがありました。これは2007年に法案を強行して、2010年にはこれを動かせるようにして、それまでの間に憲法審査会で改憲案を徹底して議論した上で、2011年には改憲を発議する、国民投票を行うんだというのが自民党の改憲スケジュールだったんですね。
そういう意味では、あの集団的自衛権の行使の問題なども含めて、改憲を具体的に強行しようという思惑、意図というのは、極めて強いものがあると思うんです。
それだけに夏の参院選挙で憲法を守り生かすという私たちが勝利を遂げることができるかどうか、先ほど井上さんも言われたけれども、憲法を本当に正面から守り生かすという政治に転換できるかどうかの、正念場のたたかいだなというふうに思っています。
今度の総選挙を通じて、草の根から苦難を打開するために絶対に揺るがずに、ぶれずにたたかいぬく党の姿が本当に伝わったところでは大きな変化が起こってくるということを感じています。
昨年7月に、天草市(熊本県)で共産党史上最高の500人を超えた演説会がありました。そのうち、350人は不知火(しらぬい)患者会、水俣病の被害者だったのです。一貫して被害の全面救済のためにたたかいぬいてきた共産党への政治的な信頼です。総選挙の結果、水俣市では得票、率を含めて大きく伸ばして、天草を含む熊本4区では、10%以上の得票を獲得したのです。市田書記局長が行かれた黒岩地区のある芦北町では比例得票を1・4倍にしています。
そういう結果がしっかり出てきているところに確信を持って、共産党への一票一票に本当につなげていくために、これから7カ月間全力を尽くして頑張りたいなあというのが抱負です。
志位 憲法の問題は、参院選挙が非常に大事なたたかいになると思います。衆院では、自民党の安倍総裁は、まず96条から変えようと「維新」やみんなの党に呼びかけています。「維新」は一緒にやりますといっているわけで、3分の2をとっているのです。それを参院選で絶対に許さないぞという結果を出すことは非常に大事だと思います。
同時に憲法の問題というのは9条を守り生かす、生かすところが大事です。9条を指針にした自主自立の平和外交でこそ、本当の日本の平和と安全が確保できるんだということを、いかに説得的に語っていくかが、たいへん大事になってくる感じがします。
沖縄の10万人集会にも一緒に出ましたね。2人とも真っ赤な服を着て。(笑い)
仁比 1995年の少女暴行事件以来、私は沖縄の県民大会にずっと参加してきたんですが、政権交代したのに裏切られたこと、オスプレイ配備許すなという思いを踏みにじって配備を強行し、米兵犯罪をいわば容認していること、その政治的体験というのは沖縄県民を変えたと思うんです。その沖縄の怒りが本土に暮らしている私たちも本当に心から共感して連帯の力って言うのは大きく広がっていると思います。だからこそそれを代弁してたたかう力を党が大きく伸ばしたいと思います。
志位 それぞれ抱負を語ってもらったのですけれど、今度の選挙で、私たちは、党員や後援会員のみなさんの奮闘を、議席の前進に結びつけることができなかった最大の理由が、党の自力の問題にあるということを痛感しました。党の力の根源は何よりも、さまざまな困難に直面し解決を求める広範な国民に溶け合い、溶け込み結びつく力にあります。
そういう国民とのいろんな接点や結びつきを大事にして活動していくという点で、「しんぶん赤旗」日曜版の新年号に掲載された特集での、みなさんの趣味の欄をみるとね、なかなか意外だなと思うところがあるんですよ(笑い)。そういうことも含めて、どうですか。
小池 私の子どもの小学校で毎年マラソン大会があって、PTAで練習しようということになり、それに参加したのです。出勤前に、毎日みんなと一緒に走って、先生たちも職員室で「あ、小池さんが走っている」って(笑い)、後で聞いたら話題になっていたらしいんですけど。やり始めると、なんだか気持ちいいし、これはいいなと思って、それ以来、ずっと走っています。記録をとってみると、半年で300キロ以上。1回6キロぐらいかな。
志位 子どもさんのPTAの結びつきから始まったというのは大事なところですね。
小池 そうですね。お母さんやお父さんたちと一緒に始めたんです。子育ての悩みとか、いろんな思いを共有できるのはすごくいいなと思いますね。
志位 釣りも趣味だと書いてありますね。(笑い)
小池 品川に引っ越してから海が近くなったので、友だちが「行こうよ」って誘ってくれました。時間がないからたまにしか行けないんですけど、東京湾で釣りをしていると、サバやアジなどが釣れますよ。このあいだは、サバが20匹以上釣れたんです。
そんなときは、政治の話ももちろんするし、政治と全く関係のない話もする。何も考えずに釣り糸をたらしていると、いろんなヒントやアイデアがパッと浮かんだりもするし、気分転換にも最高ですね。
志位 山下さんは、山を歩き、歌を歌い、料理をつくり、落語を聞くと多彩ですね。
山下 若い頃は、政治漫才もやっていました(笑い)。何年か前に、妻が、保育所にいっていない子どもをもつお父さん、お母さんと子育て支援のNPOを立ち上げたのです。そのつながりで、毎年キャンプにいくのです。子どもたちといっしょにキャンプファイアをしたり、スタンツといって、出し物をやって、子どもの中で人気がぐっとアップしますね。
政治的には共産党のことなんか知らない方が多いですけれど。「なんか国会議員やってるらしいで」と。その中でお父さん同士、一緒に踊ったりしているのをみて、近しく感じたりとか。(笑い)
志位 紙さんは、ホームページにすてきな絵が並んでいますね。
紙 そんなに描ける時間があるわけじゃないんですけど、細々とでも続けていこうと思って続けています。毎年1回、平和美術展というのを北海道でやってるんですよ。何枚か描いたものを出しています。それから、短大のときの絵の仲間がいるのです。3人展というのを5年に1度くらいやっていて、案内を出すと意外に当時の知り合いが来てくれるんですよ。絵の先生も来てくれて。
道庁前の再稼働反対の行動に参加したとき、その先生が来ていて「私はもう十数回来ているのよ」とおっしゃるんです。意外な形でつながっていてうれしかったんですけど、そんな感じで続けていますね。
志位 仁比さんのプロフィルには、「ドラムスの息子とお盆と正月限定で結成する仁比バンド。私はギター。音楽一家」と書いてありますね。
仁比 もともと僕も小学校のときからクラリネットを吹いていて、京大の吹奏楽団にも入っていたんです。娘も息子も吹奏楽をやっているんですけど、息子は別にドラムスもたたいているんです。その音楽会にいくと、先生とか親同士とかとつながりができます。先日は、デモをしているとき、私の姿をみて、バスからわざわざ降りてきて「仁比さんが頑張っているのがみえたからいま降りてきた」と握手してくれる人がいました。
仁比バンドというのは、子どもたちへの罪滅ぼしみたいにして、お盆と正月だけ親戚の前でやるんですけど。母方の祖母が満100歳になったのです。長生きしてよかったとみんなが思える世の中をつくりたいじゃないかという思いが、みんなに共通する力を持っているんじゃないかなと思いながらやっています。
志位 井上さんは、水泳とサッカーのテレビ観戦とあるんだけど…。
井上 超党派の国会議員でつくるサッカーチームに入っていて、韓国国会議員チームとか中国全国人民代表大会(日本の国会にあたる)のチームとか、外国の大使館チームとかと試合をやっていたんですけれど、この間の日韓関係、日中関係の悪化もあったりして、ここ数年試合をやらなくなっていますね。韓国の全州(チョンジュ)で行った日韓戦のときに優秀選手賞もいただいたんですけど…。
志位 ほお、知らなかったな。
井上 両国間に問題が起きても、国会議員同士の交流はやろうということだったのですけれど、そういうこともなくなってしまっているのは残念だと思っているのです。
あとは、いま宿舎のそばに区民プールがあるので、けっこう行っています。年間で42・195キロ泳ぐという水泳マラソンには毎年挑戦しています。昨年夏から再開しましたが、五十肩になってしばらく中断していましたが。(笑い)
志位 今度の参院選の比例代表選挙は、日本共産党という政党を選んでもらう選挙になります。
同時に、お話を聞いて、この5人のチームがほんとに多士済々で、個性的だと思いました。絵にしても音楽にしても、スポーツにしても人類がつくりだした営みであり、文化です。そういうものをそれぞれ楽しんでいるという個性豊かな人間集団としての党の姿が伝わってきます。
忙しい仕事を抱えているから、時間をとるのは大変なんだけれど、みなさんが取り組まれていることは、党がいろいろな結びつきを深めていくうえでも、いろいろなヒントがあると思って聞きました。
何としてもこの5人をと、私も決意を新たにしたところです。
読者、後援会員のみなさん、支持者、党員のみなさん。650万を獲得させていただいて、1人も欠けることなく、このベストメンバーにしていただけますよう、心からお願い申し上げます。私も一緒に頑張ります。
一同 よろしくお願いします。
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