2012年12月13日(木)

弱肉強食社会ただす選挙に

ラジオ番組で志位委員長語る


 日本共産党の志位和夫委員長は11日、TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」に出演し、総選挙の争点をめぐって質問に答えました。遊説先の博多から電話で話しました。


国民の所得を増やす政策へ

 冒頭、国際ジャーナリストの小西克哉氏が「デフレをどう克服するか。どう経済成長させ、みなさんの懐に1円でも多く入ってくるようにするか」と質問しました。

 志位氏は、働く人の賃金の低下が、内需の縮小、企業の業績悪化、さらなる賃金低下という悪循環を招いていると指摘し、これを断ち切るカギは国民の所得を増やす政策への転換にあると強調。具体策として▽消費税増税を中止する▽雇用のルールを強化し正社員を増やす▽中小企業に手当てしながら最低賃金を引き上げる▽中小企業の下請け単価を適正な水準に引き上げる―などをあげました。「こうした社会的責任を大企業に果たさせ、内部留保260兆円の一部を雇用と中小企業に回す仕組みをつくれば、内需が活発になり不景気から抜け出せます」と力説しました。

 小西氏は「企業の内部留保が260兆円というのは他の政党があまり言っていないこと。労働分配率が賃金の方にもっと回ってもいいという主張ですか」と尋ねました。

 志位氏は「そうですね。大企業の内部留保が積みあがってきたのは、正社員を非正規に置き換え、賃下げを行い、労働者から吸い上げてきたからです。下請け単価を買いたたき、中小企業からも吸い上げてきました」と答えました。すべての大企業がリストラを進めると、社会全体の需要が縮小して不況に陥り、結局は大企業の首も絞めるという「自縄自縛になっています」と強調しました。

 小西氏が「(負担を求めると)企業の競争力をそぐのでは」と尋ねたのに対し、志位氏は「逆です」と発言。日本の電機産業が競争力を失っているのは、目先の利益優先、株主への配当優先で、技術職も含めて働く人をどんどん切ってきたからだと指摘し、「働く人を大事にする方向に転換しないと、大企業自身も先がありません」と強調しました。

 TBSラジオの武田一顯記者が「(労働者が)いきなり『首だ』といわれた問題を志位さんは国会で追及していましたが、今回の選挙では市場経済色の強い政党がかなりの議席を占めるだろうといわれ、国民はある程度容認しているのでは」と質問。志位氏は「そうは思いません。『二大政党』が崩れ、新しい政治を求める国民の模索や探求は前進していると思います」と答えました。

 志位氏は、2009年の政権交代は新自由主義の経済政策のもとでの貧困と格差の拡大を食い止めようという流れだったと指摘。無法なリストラの撤回、「原発ゼロ」の実現、TPP(環太平洋連携協定)の阻止など、新しい政治を求める国民の運動が広がっていると強調し、「日本共産党を伸ばして弱肉強食社会をただし、人間らしいくらしを保障する『ルールのある経済社会』に向かう力を強めていく選挙にしたい」と力をこめました。

どの政党とも一致点で協力

 武田氏が「共産党は独立不羈(ふき)でやってきましたが、統一戦線や民主連合政府で、他の政党と協力しながら政権をとる考えは」と尋ねたのに対し、志位氏は「今度の選挙の後に日本共産党の参加する連合政権ができる条件はありませんが、一点共闘はおおいにやります」と回答。消費税増税中止法案の提出・可決など、一致点があればどの政党とも協力して政治を動かすと強調しました。

 「社民党とは一点以上で協力できるのでは」との質問には「憲法の問題でも原発の問題でも、私たちは『おおいに協力しましょう』という姿勢で変わりません」と述べました。