2012年12月10日(月)

経済・外交・原発…どの問題でも「改革ビジョン」鮮明に

志位委員長が発言

党首討論2番組


 日本共産党の志位和夫委員長は9日、フジテレビ系「新報道2001」、NHK「日曜討論」にあいついで出演し、各党党首との討論にのぞみました。経済や外交、原発などどの分野でも閉塞(へいそく)打開の展望を示す「改革ビジョン」を明快に語りました。(フジテレビ系「新報道2001」詳報) (NHK「日曜討論」詳報)

 「国民の給料をどう上げるか」との問いに、野田佳彦首相や自民党の安倍晋三総裁が「雇用をつくる」と口にしながらも、企業への「投資」しか語らないなか、志位氏は日本経済の再生・「デフレ」からの脱却のためには「働く人の所得を増やし、内需を活発にする。これに転換することがカギです」と強調。▽消費税大増税の中止▽国民の所得を増やす政策への転換―という具体策を提起しました。

 とくに、大企業が目先の利益だけを追い求めてリストラの競争をすれば、社会全体の需要がなくなり、企業自体もたちゆかなくなるとして、「雇用のルールをつくる政治の出番だ」と強調しました。

 消費税増税をめぐっても、安倍氏が「〇(=賛成)」も「×(=反対)」もあげず、野田首相から「3党合意したのに、なんですか」と非難されたり、日本未来の党の嘉田由紀子代表が「福祉のために必要だ。いまはその時期ではない」と増税を認める一幕もありました。

 志位氏は「大不況のもとで消費税増税はありえない」と発言。社会保障制度については(1)富裕層・大企業に「応能負担」を求めて壊された社会保障を再生する(2)「先進水準」への社会保障の充実のためには、所得税の累進強化など国民全体で支える―2段階の改革を提起し、将来にわたって消費税に頼らずに社会保障を充実させていく道筋を示しました。

 尖閣諸島問題で志位氏は、中国側に領有の正当性について理をつくして主張せず、反論もしない日本政府の自縄自縛の態度を改め、冷静な外交交渉による解決策を提唱しました。「日米同盟の絆を取り戻し、断固として守る」(安倍氏)、「自分の国は自分で守るという意思表示を物心ともにしないといけない」(日本維新の会・石原慎太郎代表)などの物理的対応の強化を求める発言とは著しい対照をなしました。

 原発問題では「即時ゼロや10年後というのは無責任」(野田首相)、「(原発)ゼロは理想だが、責任ある立場ではそういえない」(安倍氏)、「(ゼロでは)日本のほとんどの産業は壊滅する」(石原氏)などと、原発活用の方向性を示しました。これに対し、志位氏は再稼働せずに止めたまま廃炉にし、自然エネルギーの爆発的普及に向かう「即時原発ゼロ」こそ、現実的で、責任があり、可能な方向だと述べ、「三拍子そろっています」ときっぱり主張しました。