2012年9月26日(水)

尖閣問題への志位提言

メディアの注目広がる

「領土問題存在しない」は不利に 「政府より明確」


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(写真)(左から)西日本新聞(24日付)、「毎日」社説(22日付)、日刊スポーツ(24日付)

 日本共産党の志位和夫委員長が20日に日本政府に手渡した提言「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」へのメディアの注目が広がっています。「領土問題は存在しない」という政府の立場にたいして疑問を呈す報道も出始めました。

政府対応に問題

 西日本新聞は24日付2面で「尖閣主張に見直し論も」の見出しで、日本共産党の「提言」を紹介しています。記事では、「『実効支配している以上、目立たず騒がずが最も有効な戦略』(元外務省高官)との方針を維持してきたため、国際社会でも中国に一方的に領有問題があると主張されている」と指摘。「こうした事態を懸念し、日本共産党の志位和夫委員長は20日、藤村長官に『問題の存在を認めた上で交渉で解決をはかるべきだ』とする党見解を伝えた」と報じ、「竹島は話し合え、尖閣は話し合わないでは通らない」との官邸筋の発言を伝えています。

 また同日付の社説では、「日本は『尖閣に領土問題は存在しない』との立場だが、沈黙のままでは立場が不利にならないか」と主張しました。

 日刊スポーツは24日付コラム「政界地獄耳」で、「『領土問題』にしなかった日本政府の対応にそもそも問題があったと意外にも共産党委員長・志位和夫が指摘している」として、提言の中身を紹介。「政府よりも外務省よりもどの党よりも明確に指摘している」と評価しました。その上で、「政府は領土問題を中国に説明し我が国の領土と明確に確定すべきだろう」と主張しています。

論調にも変化が

 「毎日」は志位氏による政府申し入れ後の22日付社説で「領土問題は存在しない、という姿勢を続けるだけで事態を改善することができるのかどうか、改めて考える必要がある」と提起しています。

 外務省の横井裕報道官の記者会見(21日)では、志位氏の申し入れ時に藤村長官が「領土問題は存在しないが、領土に関わる日中間の問題はある」と応じたことについて記者が質問。横井氏は、「(両国間に)尖閣諸島に関わるあつれきというか、事態が存在するのは事実だ」と認めました。