2012年8月25日(土)

大飯停止 原子力規制委人事案撤回を

政府は国民の声聞け


官邸前行動20回目

 野田内閣が原発を推進してきた人物を原子力規制委員会に送り込む人事案を閣議決定した24日、首都圏反原発連合(反原連)有志がよびかける首相官邸前抗議行動がおこなわれ、官邸前や国会一帯を埋めた4万人(主催者発表)の参加者は、「原発いらない」「大飯原発の停止」「原子力規制委員会の人事案撤回」を求めて怒りの声を響かせました。


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(写真)「原子力規制委員会人事案撤回」「原発再稼働反対」を訴える抗議行動参加者=24日、国会正門前

 3月末から毎週金曜日に行ってきた官邸前行動は、この日で20回目を迎えました。反原連は22日に野田佳彦首相との面会を実現し、原発ゼロと人事案撤回を申し入れたばかりです。そのわずか2日後に国民の声を裏切る人事案を閣議決定。反原連のミサオ・レッドウルフさんは「本当に腹立たしい。あきらめずに訴え続けていきたい」とマイクで訴え、参加者からも「政府はどうして国民の意思を無視するのか」の声が相次ぎました。

 フランス人形のようなロリータファッションをした女性(19)は、父親と服飾専門学校に通う友達といっしょに参加、「規制委員会なのに、これでは原発推進になる。勝手に決定しないでほしい」と話しました。友達の男性(19)も「野田首相は、国民の声を聞かずに暴走していて、気に入らない」と語りました。

 「原子力規制委員会人事案を撤回せよ!」と書いたメッセージボードを首から下げていた神奈川県小田原市の女性(50)は、反原連と首相との面会をインターネットの中継で見ました。「原発の即刻停止を求めた反原連の人たちに対して、官僚の作文を読むような心のない答弁をした野田首相に怒りがわきました。決してあきらめない、という反原連の人たちの決意を聞いて、私もあきらめないぞと強く思いました」

 小学生4人の子どもを連れてきた埼玉県所沢市の女性(35)は、初参加。反原連が首相と面会したニュースを見ました。「声をあげれば変えていくことができると思いました。中途半端な気持ちで参加していいのかと思っていましたが、原発はイヤだという気持ちだけでもきちんと伝えることが大事だと考えるようになりました」

 この日は、民主党本部の近くから同党にむけて「人事案に反対せよ」などと訴えました。


ここからは“頑張りくらべ”

志位委員長が参加

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(写真)参加者とともに訴える志位和夫委員長(左)と笠井亮衆院議員=24日、国会正門前

 日本共産党の志位和夫委員長は24日、笠井亮衆院議員と官邸前抗議行動に参加し、参加者とともに、「原発いらない!」「人事案撤回!」と力いっぱい声を上げました。

 官邸前と国会正門前でマイクを握った志位氏が「『大きな音だね』としか言わなかった野田総理がとうとう反原連のみなさんとの会談に応じました。数万、十数万の声が官邸『前』行動を官邸『内』行動まで進めたのですから、これは歴史的な出来事です」と強調すると、「そうだ!」の声と拍手が飛び交いました。

 「ここからは、“頑張りくらべ”です。原発にしがみつく勢力が勝つのか、原発なくそうというまっとうな国民が勝つのか。原発をなくし、再稼働をやめさせるまで、声を上げ続けようではありませんか」と力強く呼びかけると、「よーし」の声と拍手がわき上がりました。