2012年8月30日(木)
日本共産党の志位和夫委員長は29日、東京都内で開かれた全国農業者農政運動組織連盟の「TPP交渉参加阻止に向けての情報交換会」であいさつしました。その内容は次のとおりです。
日本共産党を代表して、心からの連帯のごあいさつを申しあげます。
まずTPPをめぐる現状ですが、野田政権は、4月の日米首脳会談、6月のG20サミットでのTPP参加表明を画策してきましたが、国民の強い反対に直面して、先送りをせざるを得なくなりました。さらに今日の報道では、9月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)での参加表明についても「困難」「見送り」などと報じられています。
しかし一方で、日本経団連は、「遅くとも年内にはTPP交渉に参加しなければならない」として、野田政権に早期の参加表明を強く迫っています。
そして、野田政権は、表向きは「情報収集」といいながら、国民に隠れて実質的な交渉をすすめ、なし崩し的にTPPに参加しようとしています。
いまたたかいは、重大な正念場にきています。私は、TPP参加を断念させるまで、みなさんと力をあわせて、総力をあげて頑張り抜く決意を申し上げるものです。
最大のカギをにぎっているのは、国民の世論と運動です。(拍手)
先週、私は、日本医師会の横倉義武会長と懇談する機会がありましたが、横倉会長は、TPPに参加すれば、医療への株式会社の参入、混合診療の全面解禁、薬価の引き上げなどが押し付けられ、国民皆保険制度が空洞化する恐れがあるとして、「日本医師会はTPP参加に全面反対」という立場を表明されました。
「医食同源」という言葉もありますが、日本の食をあずかる農協のみなさんと、医療をあずかる医師会のみなさんが、TPP全面反対で頑張っているのは、心強いかぎりであります。(拍手)
昨日の「朝日」の世論調査では、6割の人が「TPPに参加すれば農業に悪影響」と答え、「日本経済全体に悪影響」と答えた人が多数となり、TPP参加の賛否が4割前後で拮抗(きっこう)するところまできました。
TPPに参加すれば、農業が壊され、医療が壊され、雇用が壊され、食の安全が危険にさらされ、そして経済主権そのものが奪われ、国民にとって「百害あって一利なし」だということを、広く国民の共通認識にし、反対の声を国民の圧倒的世論にして、この亡国の企てを阻止するために、最後まで頑張り抜こうではありませんか。(拍手)