2012年7月14日(土)

人が集まる。ここに希望

親子で「再稼働反対」


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(写真)「原発再稼働をやめよ」と訴える子ども連れの参加者たち=13日、国会正門前

 「再稼働やめよ」「原発いらない」―。関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に抗議する行動が13日夕、東京・永田町の首相官邸前だけでなく、全国各地に「拡散」し、市民の怒りは大きな一つの声となりました。

官邸前

 子ども連れや会社帰りの人びとが続々と集まった永田町の官邸前。「もんじゅ君」のうちわを持っていた東京都町田市の女性(29)は、1歳の娘を抱いて参加しました。

 うちわの裏側には「原発のない未来をあなたにプレゼントしたい」。「福島県三春町に実家があります。3・11前は福島は地震がないので大丈夫だと思っていました。この子が大きくなったときにも同じような心配をさせたくない。この先、別の原発で再稼働をされたとしても、ここであきらめてしまったら政府の思うつぼ。自分にできることが大切だと思って来ています」

 一家3人で参加した世田谷区の男性は、「これまでも家族を代表して毎週来ていました。原発が危ないというのは知識で知っていたが、危機感を持ったのは事故のあと。何で真剣に市民として声をあげなかったのか、後悔している。反省をこめてここに来ています」

 「パパママぼくの脱原発ウオークIN武蔵野・三鷹」の代表で、前進座の俳優の紫野明日香さんは「政府は国民の声を一切無視し、ますます怒りがこみ上げます。たくさんの人が集まっているので、世の中は変えられると、私は希望を持っています」と話しました。

 官邸前行動に初参加した練馬区の女性(38)=主婦=は家族4人で来ました。この春、関西から引っ越してきました。小さい子どもが2人います。関西の友人と「東京は大丈夫?(大飯原発のある)関西は?」という話になります。「安全、大丈夫と言うだけなら誰でも言える。政府には、もうちょっと考えて、これだけ集まっているのを見てと言いたい」

志位さんもマイク握る

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(写真)原発再稼働に反対して集まった人たちにあいさつする志位和夫委員長(中央)と笠井亮(右)、高橋ちづ子(左)各衆院議員=13日、国会正門前

 日本共産党の志位和夫委員長は13日、原発再稼働に反対する首相官邸前行動に参加し、集まった人びとと一緒に「原発なくせ!」の声を上げました。志位氏の参加は4週連続です。官邸前で主催者と握手しエールを交わした志位氏は、そのまま国会議事堂正門前の行動に駆けつけ、マイクを握りました。

 「福島の子どもたちは家族がバラバラで、いまも16万人の人びとが避難生活を強いられています。そのもとで、どうして再稼働できるのか。撤回しろー」と迫ると、「そうだ」の声。「いまからでも再稼働をやめろ、原発いらない、この声を野田首相は聞けー」と訴えると、「聞け!」「撤回しろ」の大声援が沸きました。

 官邸行動には笠井亮、高橋ちづ子両衆院議員、田村智子参院議員が参加。京都での行動には、穀田恵二国対委員長、井上哲士参院国対委員長が参加しました。

命と引き換えに原発!? 豊かな自然を子に

札幌

 北海道反原発連合が主催した2回目の道庁前抗議行動には、800人が参加。札幌市中央区の大通西6丁目をスタートした隊列は200メートルに及び、笛や太鼓、ドラムの音に合わせ「再稼働反対」のコールが続きました。

 東区の自営業の男性(37)は「大飯だけでなく世界から原発がなくなってほしい」と話しました。

名古屋

 名古屋市の関電東海支社前では、雨の中、400人を超える市民が集まりました。先月末より規模が広がり、熱気も勢いも増しています。

 参加2度目の自営業の女性(28)は「福島の事故も収まらないまま再稼働するなんて。私たちが運動を広げることで、疑問を持つ日本人がもっと増えてくれるといい」と話しました。

京都

 関電京都支店前(京都市下京区)には、雨のなか、190人が参加しました。

 福島県浪江町から京都に避難する女性(25)は、ツイッターを見て初めての参加。「もし同じ事故が起きたら将来の子どもたちに大変な思いをさせる」と語りました。

大阪

 大阪市北区の関電本店前には、ときおり強くなる雨をものともせず、1100人を超える人たちが集まり、1時間半、声を上げ続けました。

 兵庫県西宮市の女性(34)は「人間が操作できない原発。命と引き換えで再稼働をするのはよくない」。大阪市東成区の女性は「すぐに止めてほしい」と話しました。

神戸

 神戸市中央区の関電神戸支店前では、雨のなか、仕事帰りや家族連れなど、次々と参加者が集まり、150人超に。太鼓のリズムに合わせ「原発いらない」と声をあげました。神戸市東灘区の男性(69)は「豊かな自然を子や孫に残すのは私たちの使命です」と話しました。