2012年5月24日(木)

青年と志位さん熱くトーク

2時間半 感動のドラマ

大阪


 日本共産党の志位和夫委員長を招いて、党大阪府委員会と民主青年同盟府委員会が20日に大阪市内で開いた「大阪青年トークセッション」。これからの日本と大阪、生き方を真剣に探し求める青年の要求に耳を傾け、怒りをともにして、たたかおうと心からよびかけた志位さんと青年たちとの熱い2時間半の“語り合いの場”となりました。 (北野ひろみ、大串昌義)


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(写真)参加者の質問に答える志位和夫委員長=20日、大阪市中央区

怒 橋下・「維新」はひどい

 志位さんが最初に1時間講演した後、司会の清水忠史衆院近畿比例候補らが再登場した志位さんへの質問を求めると、トークは橋下大阪市政への怒りから口火が切られました。

 真っ先に手を挙げたのが学童保育の女性指導員です。学童保育事業の補助金を廃止しようとした橋下徹大阪市長の攻撃を13万人以上の署名を集め、押し返したけれど、「今後が不安」と質問しました。

 志位さんは、橋下・「維新の会」が、小泉「構造改革」をより野蛮にしたくらしへの総攻撃と、全職員への「思想調査」や「君が代」を歌っているか、口元をチェックする恐怖政治ともいうべき異質の危険を持っているとし、「民主主義や人権をないがしろにするのは絶対に許さない。くらしや民主主義を守る反撃ののろしをすべての分野からあげていこう」とよびかけました。

 手が次々あがり、盛り上がる会場。「中学生がいます。当ててあげて」の声がかかりました。「僕は発達障害を持っています」。マイクを持ち、男子中学生が話し始めると、わいていた会場が一転、水を打ったように静まりました。

 「橋下さんたちは(発達障害は)親の愛情が不足してるからと言っていましたが、僕は違うと思います。僕がおとなになったとき、障害者も仕事のできる社会になっていますか」

 少年を真っすぐ見つめ、うなずいて聞いていた志位さんは「よく話してくれました。ありがとうね」と声をかけました。

 橋下・「維新」が“発達障害は親の責任”などとした条例案を市議会に提出しようとしていたことに、「怒りを持って聞いた」と語気を強める志位さん。

 国政でも、1割応益負担の「障害者自立支援法」の改善を求める声を裏切り続けていると述べ、「障害を持つ人も同じように社会の中で尊重される社会になってこそ、すべての人に対して優しい社会がつくられます」。

 中学生の勇気ある質問に、あちこちで涙を拭う姿がありました。

 わが子を抱きしめ涙を流した母親を見て、志位さんは再びマイクを握り、競争をあおり立てる橋下市長のやり方を批判。「競争が一番悪い。どの子も傷つくことになる。教育は最大限の自由が保障され、一人ひとりがわかる教育にすべきです」と訴えると、大きな拍手がわき起こりました。

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(写真)志位委員長への質問が次々出された「大阪青年トークセッション」

期待 「政権を取ったら最初になにを」

 “日本共産党が政権をとった時”の期待いっぱいのトークが続きました。男子高校生は「政権を取ったら、最初に何をしたいですか」と質問。志位さんは、真っ先に消費税に頼らず社会保障を充実させる「提言」の実行、同時並行で、「安保廃棄の通告をして安保をなくします。私たちはどんな政策を出す場合もカラ約束しません。私たちにぜひこの二つの仕事をやらせてほしい」と力を込めました。

 「政権を取っても、民主党のようにはならないと安心させて」という男性に、志位さんは「共産党は変わりません」ときっぱり答えました。その理由は(1)日本をこう発展させていくという羅針盤としての党綱領がある(2)「しんぶん赤旗」購読料や党費などの自前の財政で“汚いお金”と無縁(3)2万を超える党支部など草の根の運動に支えられている党―だと説明しました。

 「共産党が政権に入って裏切るようなことがあれば、その人たちが黙っていませんよ」と語る志位さん。笑いとともに、すかさず会場から「そうや。黙ってへんぞ」と声が飛びました。これに、志位さんが「ごっつう怒りますがな」と大阪弁で応じ、会場は爆笑の渦に包まれました。

提案 原発廃炉・就職難「解決策あります」

 街頭での対話で「廃炉には膨大な金がかかり、54基も廃炉にしたら日本はつぶれる」との意見に答えられなかったと発言する民青同盟員の女性に、志位さんは「お金、見つけました」と返答。顔をあげて注目する青年も。

 電力業界が計画している19兆円の積立金を国が管理する基金に移すこと、原発推進政策でもうけてきた原子炉メーカーや大手ゼネコンなどの大企業にも拠出を求め、数十兆円規模の基金にする方針を語りました。

 雇用問題の質問に、志位さんは熱をこめて解決の方向を話しました。「雇用は正社員より、セーフティーネットや税額控除のほうがいいのでは」という21歳の通信制大学生。志位さんは、欧州と比較してそもそも日本は失業給付期間が短いと指摘し、抜本的充実とともに均等待遇や派遣労働を規制することの必要性をのべました。

 「青年の働く実態も、就職も大変。共産党はこの実態をどう変えるのですか」との質問には、志位さんはメモをとりだし、「考えて準備してきました」。

 就職難の解決に雇用を増やす「四つの提案」―(1)非正規雇用から正規雇用への転換を進める(2)長時間労働とサービス残業(ただ働き)の一掃(3)公務員の中の非正規を是正し採用を増やす(4)福祉やエネルギーなど新たな産業の健全な成長分野を政府の力で後押しする―と対策を示し、実現に頑張りたいと結びました。

 あっという間のトークでした。終了後、「もっと聞きたかった」という声があちこちから聞かれました。


「志位さんの回答で自信」

トーク参加者の声

 「私がやっていることを知ってほしい」と党員の母親に誘われて来たという男子大学生(21)は「志位さんの丁寧に答える姿が印象的でした。僕らの意見を聞いてくれ、信用できるかもと思った。難しい言葉も多かったけど、勉強したい」と笑顔をみせました。

 「子どもの質問に対し、きちんと回答してくれて、とても感動しました」と話すのは質問した中学生の母親、山下朝子さん(42)=仮名=です。「今まで息子のことばかりを見ていたけど、競争教育では子どもたちみんなが苦しむことになるということもよくわかりました」「息子は『僕を大事にしてくれないおとなは嫌い』と不信感を持っていました。けれど、一日で様子が変わりました」と山下さん。

 「質問のあと、たくさんの人が声をかけてくれました。『ここにいるみんなが君のことを守るから安心して生きていこうね』といってもらいました。自分の質問にきちんと答えてくれるおとながいることが息子の成長と自信になったんでしょう」

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(写真)志位さんのイラストや共感がびっしりつづられた感想文

感想文から

心が揺さぶられた 大阪から変革起こしたい

 「会場トークは感動とロマン・展望が広がりました。涙も出ました」「一人ひとりを幸せにする教育の話が胸に響きました」―。感想文には、青年の切実な要求や思い、感動があふれていました。

 「よく理解できました。この世に生を受け、意味のある人生を送りたいと思いました。本当に心がゆさぶられました」(26歳女性=会社員)

 「私は今日の志位さんのあたたかい話を自分の生徒に、友人に、そして橋下さんに聴いてほしいと心底思いました。志位さんありがとうございました。私も自分ができることをあきらめずに模索しながら生きていきます」(27歳=教員)

 「日本共産党が掲げている政策を本当に実行することができればすばらしい日本が築けると思いました。今日はバイトを休んできたかいがありました」

 「『もっと社会に対して声を上げたい』『青年だからって社会から、のけものにされるんじゃなく、ここ大阪から変革を起こしたい』と心底思いました」(22歳女性)

 「政権を担える能力、担う条件をもっているのは、共産党だけだと再確認しました。党勢の拡大に向けて、がんばりたい」(22歳男子大学生)

 「具体的な話が聞けてとてもよかった。とりわけ政権をとった後、裏切られないかという質問と答えは説得力があってよかったです。きちんとしたデータ、裏付けに基づくことの大切さを改めて思いました。草の根活動の大切さも本当に学んだように思います」