2012年4月29日(日)

原発ゼロ実現を

全国首長会議を設立


 「脱原発をめざす首長会議」の設立総会が28日、都内で開かれました。同会議には69人の市町村・特別区の首長や首長経験者が加入。総会には福島第1原発事故で被災した福島県の桜井勝延南相馬市長を含む21人が出席し、多くの報道陣がつめかけるなど、原発ゼロをめざす新たな動きとして注目されました。


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(写真)脱原発をめざす首長会議設立総会=28日、東京都品川区

 総会では、大飯原発などの拙速な再稼働に反対する決議や今年夏策定予定の「新しいエネルギー基本計画」で原発ゼロを決定するよう政府に求める決議を採択しました。

 日本共産党の志位和夫委員長らが顧問に就任しました。総会や直後の記者会見では、各首長らが同会議発足にかけた思いを発言しました。

 京都府京丹後市の中山泰市長は、かつて原発立地を断った経緯に言及。福島第1原発事故の被害にふれて、「あの判断は間違っていなかった」と述べました。

 桜井南相馬市長は、「原発、被災地の報道がだんだん薄れるなか、再稼働の状況が大きく取り上げられている現実に、地域住民は不安を抱え、棄民にされているのではとさえ思う現実がある」と述べ、再稼働を急ぐ政府を批判。東海第2原発を抱え、廃炉を求めている東海村(茨城)の村上達也村長は、人間がコントロールできない危険な原発に「見切りをつけなければいけない」として、現状を「転換しなければいけない」と発言しました。

 また、飯田哲也環境エネルギー政策研究所長が「脱原発社会―地方自治体の可能性と役割」と題して講演。原発に反対する韓国の自治体首長から送られたビデオメッセージも放映されました。

 会場には吉原毅理事長が脱原発を表明した城南信用金庫の本店が使われました。

 総会は、呼びかけ人の三上元・湖西市長(静岡)、村上村長と桜井市長の3氏を世話人として選出。「新しい原発は作らない」ほか、「できるだけ早期に原発をゼロにする」ことや福島への支援を行うなどの取り組みを盛り込んだ規約を採択しました。


「安全神話」復活許すな

志位氏あいさつ

 顧問就任あいさつで志位氏は、「原発と人間社会は共存できないというのは多くの国民の気持ちになりつつあります。政府に原発からの撤退と原発ゼロの日本を目指す政治決断を強く求める決意です」と表明しました。 (あいさつ全文)

 このなかで志位氏は、「『安全神話』が新しい形で復活しつつあるのは重大です」と述べ、「新安全基準」を決め、自治体に再稼働を迫る政府の姿勢を厳しく批判しました。

 志位氏は「“電力需給のためには多少の危険に目をつむれ”という議論がでていますが、再稼働問題と電力需給問題は切り離して判断すべきであり、両てんびんにかけるようなやり方は、こと原発に関しては絶対にやってはなりません」と強調。党として地方議会で「原発ゼロ」を目指す首長の活動を支えていく考えを表明しました。