2012年3月31日(土)
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日本航空による不当解雇の撤回を求める客室乗務員の裁判で30日、東京地裁(白石哲裁判長)が、原告側の訴えを棄却する不当判決を出しました。判決直後に東京都内で行われた報告集会では、前日のパイロットに続く不当判決への怒りと勝利までたたかい抜くという意気高い発言が相次ぎ、参加した原告、支援者ら440人が、解雇撤回、空の安全を守るために、この日を新たな出発点にたたかいを強めていく決意を新たにしました。
集会で報告にたった船尾徹弁護士は判決について、前日のパイロットの判決に続いて会社の主張を丸のみした不当判決だと強調。稲盛和夫会長(当時)が「雇用を続けることは不可能ではない」と法廷で証言したことを、判決が「心情を吐露したにすぎない」と切り捨てたことを怒りをこめて批判しました。
内田妙子原告団長は、典型的な不当判決であり、東京地裁は大きな誤りを犯したと批判。稲盛証言についても、会社の主張を丸のみしたものだと指摘しました。「大義と正義は私たちにある。悔しさでいっぱいだが、この怒りを10倍、20倍のエネルギーにして、原職復帰を果たせるようたたかう」と語り、大きな拍手に包まれました。
支援共闘会議から全労連の井上久事務局次長、全国港湾の糸谷欽一郎委員長があいさつ。パイロットの山口宏弥原告団長が決意を表明しました。
日本共産党の志位和夫委員長があいさつ(別項)。穀田恵二国対委員長、山下芳生参院議員が出席し、あいさつしました。
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報告集会であいさつした日本共産党の志位和夫委員長は、原告、支援者のたたかいへの敬意とともに、二つの不当判決に満身の怒りを込めて抗議すると表明しました。
志位氏は、「この判決には、いろいろな問題点があると思いますが、とくに二つの問題を強く感じました」とのべました。
第一は、「自己矛盾・自己破綻をきたした判決」だということです。判決では、会社更生手続き下の企業にも、「整理解雇4要件」は適用されるとしながら、具体的な検討となると、「更生計画」を盾に「4要件」をことごとく形骸化・蹂躙(じゅうりん)しています。志位氏は、「これでは結局、会社更生手続き下の企業では首切り自由ということになります。こんなひどい自己矛盾と自己破綻はありません」と強調しました。
第二は、「空の安全に対する理解も見識もないことを自ら語る判決になっている」ということです。志位氏は、たとえば判決が、解雇の「人選基準」について、「過去に休職、病気欠勤、乗務離脱、乗務制限があったものは……運航業務に対する貢献にあたっても相対的に劣る」などとのべていることについて、「これでは体調不良などがあっても、申し出ることができなくなる。空の安全を根底から脅かす恐ろしい考えが、ここにはのべられています」と強く批判しました。
志位氏は、「この判決で、敗北したのは司法です」と強調。「これはすべての労働者に対する攻撃であり、空の安全のかかった全国民にかかわる問題です。たたかいの大義はみなさん方にあります。勝利をつかむまで、最後まで、ともにたたかいます」と決意を表明しました。