2011年11月29日(火)

日韓議連代表団が李大統領を訪問 志位委員長 あいさつを交わす


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(写真)李大統領と握手する志位委員長(右)=28日、青瓦台(笠井亮議員撮影)

 【ソウル=中村圭吾】韓国を訪問した日韓議員連盟代表団は28日、青瓦台(大統領府)を訪問し、李明博(イミョンバク)大統領と懇談しました。このなかで、日本共産党の志位和夫委員長は、李大統領とあいさつを交わしました。穀田恵二国対委員長、笠井亮政策委員長代理も出席しました。

 李大統領は冒頭、「韓日は深い関係ですが、その関係の発展には、議員同士の役割、議員外交が大事です。これまで韓日間ではよいことがたくさんありましたが、ときおり問題も起こります。そういうときに議員同士でこそ、より関係を深めることができます」と語り、歓迎のあいさつを述べました。

 渡部恒三日韓議連会長は、李大統領が福島県を訪問したことなど、東日本大震災での日本に対する支援に感謝を表明。日韓議連が日本共産党も含めた超党派の議連として発展していることなどを説明し、日韓の友好関係の発展にさらに努力したいと述べました。

 懇談の中で、志位氏は、「昨年10月に日本共産党は日韓議連に加盟しました。全議員が加入しており、私も副会長を務めています。日本共産党は、崩壊した旧ソ連の党などとは違う平和的で民主的な政党ですから、ご安心ください」と述べると、大統領は笑顔で応じました。

 志位氏はさらに、「この間、超党派でとりくんできた朝鮮王朝儀軌(ぎき)の返還がかなったことを喜んでいます。歴史問題に正面から向き合ってこそ、未来にわたって両国国民の本当の友情がつくれるというのが私たちの考えです。超党派の議連の一員として今後も力を尽くします」と語りました。

 志位氏の話をうなずきながら聞いていた李大統領は、「日本共産党の志位委員長から、日韓議員連盟に参加されたとのお話を聞き、ありがとうございます。韓国としても歓迎します」と応じました。

韓国首相・国会議長と志位委員長が懇談

 【ソウル=中村圭吾】韓国を訪問した日本共産党の志位和夫委員長は28日、ソウル市内のホテルで渡部恒三日韓議連会長とともに、金滉植(キムファンシク)首相、朴熺太(パクヒテ)国会議長、李相得(イサンドゥク)韓日議員連盟会長らと懇談しました。

 志位氏が「朝鮮王朝儀軌が返還されたことを、植民地支配の清算の一つとして、大変うれしく思っています」と語ったのに対し、朴議長は「ご協力に感謝します。残された文化財の返還にも引き続きご協力ください」と応じました。

 志位氏が昨年、日韓議連の副会長に就任して以来、韓国を訪問するのは初めてということもあり、朴議長ら韓国側の出席者から、日本共産党の路線や理念についての質問も出されました。

 志位氏は私有財産制や市場経済などについての日本共産党の考え方について説明し、和やかな雰囲気につつまれました。


 朝鮮王朝儀軌 「儀軌」とは「儀式」と「軌範」を合わせた言葉で「儀式の手本」という意味。朝鮮王朝(1392〜1910年)は、王室や国の行事に関する記録を「儀軌」にまとめました。16世紀の豊臣秀吉の朝鮮侵略で一度、喪失したため複製をつくり、何カ所かに分けて保管しました。そのうちの一つは、日本が1910年に朝鮮半島を植民地にした後、朝鮮総督府が、江原道の月精寺にあった「五台山史庫」から持ち出したものです。