2011年11月8日付「しんぶん赤旗」に掲載
TPP参加問題を議論している民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)の総会(7日)で、外務省が「公的医療保険制度」についてまとめた説明資料にこっそり追加してきたのが、「混合診療」の「全面解禁」の項目です。これまで同資料には、「混合医療の解禁」はTPP交渉で「議論の対象となっていない」との説明があるだけでした。
衆院本会議での代表質問(1日)で日本共産党の志位和夫委員長が「混合診療」の「全面解禁」が迫られることをただしたのに対し、野田佳彦首相が「完全には否定できない」と事実上認めたのを受けて、あわてて政府が追加してきたものです。
総会では、外務省側が文書を読み上げて説明。これに一部の議員が、政府はどう対応するのかと迫りました。内閣府の大串博志政務官は資料を示し、「ここに書いてある通り。それ以外のことは答えられない」と繰り返しました。
国民の生命にかかわる重大な項目を平気で追加してくる政府の姑息(こそく)な姿勢。そんな姿勢でTPP交渉に参加しても、「国益」が守れるのか…。民主党PTメンバーの議員もナメられたものです。 (信)