2011年10月16日(日)「しんぶん赤旗」

世界観の違いこえ共同を

千葉で宗教者の集い 志位委員長よびかけ


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(写真)パネリストの(右から)田中義元曹洞宗住職、吉田吉夫日本基督教団牧師、発言する志位和夫委員長=15日、千葉市

 日本共産党の志位和夫委員長は15日、千葉市で開催された「大震災と原発問題を考える宗教者と日本共産党との懇談会」に出席し、会場いっぱいの宗教者らと、世界観の違いを相互に認めあい、「原発ゼロ」の日本に向けて共同することの重要性について大いに語り合いました。

三つの原則語る

 神社、寺院、教会が多い「宗教県」の千葉。志位氏は、宗教問題についての日本共産党の基本的態度について、1975年12月の中央委員会総会決議がいまも行動の指針になっていると述べ、三つの原則を説明しました。

 第一は、信教の自由を将来にわたって無条件で擁護するということです。志位氏は、党が戦前、天皇制権力の国家神道体制と、それに批判的な宗教団体、信仰者への迫害に反対してたたかった歴史を紹介しました。

 第二は、政教分離という民主的原則を厳格に守り抜くことです。「国家の側から特定の宗教に特権を与えたり、迫害したりすることは許されません。宗教団体の側も政党の支持を決めて、信仰者の政党支持の自由を奪うことは正しくありません」と強調しました。

 第三に、信教の自由を擁護し、国家の宗教への介入に反対する立場は、将来にわたって、いかなる社会の発展段階でも厳格に貫くと表明した志位氏。宗教の未来について、党は方針で「自由な理論的予見の領域に属する」と述べていることを紹介しました。

 そのうえで志位氏が、「世界観の違いはあってもそれを相互に認めあい、世の中をよくするために広く手をむすび共同しあいましょう」と呼びかけると、参加者は大きな拍手で応えました。

原発ゼロの一点

 原発問題について志位氏は、文字通りの一大事業である除染を何としてもやりぬくために全力を尽くす決意を表明。さらに「安全な原発などありえない」ことを丁寧に解明し、「『原発ゼロの日本』の一点で、政治的立場、宗教の違いを超えて広大な国民的共同を」と呼びかけました。

 曹洞宗金剛寺の田中義元(ぎげん)住職は、原発の「安全神話」や「必要神話」を批判。事故を受けて「全くのウソが証明された」と強調しました。日本基督教団の吉田吉夫牧師は、日本の被ばくの歴史を示し「原発や核兵器の廃絶は、日本独特の使命だ」と発言しました。

 会場フロアからも多くの手が挙がり、「共産党の議員さんも当選祈願にくる。いいことは大いにご一緒に」との神主さん発言に会場は爆笑。吉田牧師が再度、「志位さんが、最後まで宗教を大事にするといわれたので安心しました」と述べると共感の拍手が起こりました。「『原発ノー』をはっきり言っているのは共産党だけ。野党で満足せずもっと大きくなってほしい」など期待の声も相次ぎました。