2011年8月28日(日)「しんぶん赤旗」
「あらゆる分野に影響がある。たたかいはこれからだ」。すべての関税を撤廃し、暮らしや健康を守る制度も破壊するTPP(環太平洋連携協定)への参加をやめさせようと緊急集会が27日、東京・日比谷公会堂で開かれ、1300人の参加者が会場を埋めました。
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各団体ののぼり旗が囲む中、「外国に食料依存し、食の安全基準緩和、労働の自由化で社会が不安になる。アジアの飢餓人口を増やす。TPPはだれにとってもメリットがない。『とんでもないペテンに満ちたパートナーシップ』は絶対やめさせよう」(日本消費者連盟の山浦康明事務局長)など各界・各地から決意表明が続きました。
集会後には、2台のトラクターと4台の軽トラックを先頭に銀座周辺をパレード。日比谷公会堂近くの東京電力本店前では、「ただちに放射能被害の損害を賠償せよ」の声を強めました。
都内文京区で印刷店を営む男性(65)は、「今でさえ不景気なのに、TPPに参加すれば国内の購買意欲はさらに低下するでしょう。仲間の業者同士でさえ厳しい競争にさらされるのではないか心配です」。
鬼の衣装を身につけて参加した岡山農民連の坪井貞夫会長は、「公民館で開かれる学習会に講師要請が毎週のように入っている。TPP反対とともに食料主権こそ世界の動きだと紹介していきたい」と話しました。
緊急集会を主催したのは、全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)や主婦連合会、日本消費者連盟など24団体で構成する同集会実行委員会です。主催者あいさつした全労連の大黒作治議長は、11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)でのTPP参加表明も考えられるとして、「いよいよ本番の秋を迎える。私たちにはかつてない共同が広がっている。美しい国を守れとの世論を広げよう」と呼びかけました。
全国農協中央会(JA全中)の代表も来賓あいさつして、「政府が断念するまでTPP反対の運動にとりくむ」と決意を表明。「TPP反対アピール」の呼びかけ人になっている東京大学大学院の鈴木宣弘教授は、農業の破壊、日本独自のルールも認めない、アメリカのための徹底した自由化がTPPだ、と指摘しました。
日本共産党の志位和夫委員長があいさつし、「国民のたたかいの大義に確信をもって、相手がTPP参加をあきらめるまで頑張りぬこう」とよびかけました。 (関連記事)