2011年7月24日(日)「しんぶん赤旗」
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「浜岡原発の永久停止・廃炉を求める静岡県大集会」に参加した日本共産党の志位和夫委員長を囲み、共産党の「原発撤退提言」(「原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を」)をめぐる各界懇談会が静岡市のホテルで23日、開かれました。
会場いっぱいの参加者が2時間にわたり活発に意見交換。「原発ノー」の一点での幅広い共同の必要性、若い世代の変化、被ばくのリスクと健康管理、観光業界の被害への賠償など、多様なテーマで発言や質問が相次ぎ、志位氏がその一つひとつに丁寧に答えました。
冒頭、志位氏は「提言」をつくるにあたり、(1)世界でも異常な「安全神話」を今度こそ根絶する必要がある(2)「死の灰」を生む原発は社会的に許容されない技術である(3)原発撤退のたたかいは日本社会のあり方を変えるたたかいである―という三つの教訓を福島原発事故からひきだしたと語りました。原発を推進してきた財界中心の「原発利益共同体」を告発し、この勢力の抵抗を打ち破って「原発ゼロの日本」へ道を開こうと呼びかけました。原発の燃料・技術がアメリカ頼みである実態も語り、エネルギーの対米従属を打破していくことの重要性を強調しました。
農民連静岡県連の森島倫生会長は、和牛の価格が暴落し、「社会的に制限がない原発事故の影響を体で受け止めている」と発言。志位氏は、すべての被害への全額補償と一刻も早い仮払いを求めていく決意を語りました。
静岡大学人文学部の鳥畑与一教授(日本科学者会議の静岡支部事務局長)は、「原発利益共同体」を突き崩すうえでの大学の役割を語りました。大学の研究が大企業の意向に従属する背景として、国立大学の独立行政法人化で予算が削られ、民間企業から研究費をもらわなければ研究できない現状を訴えました。志位氏は「基礎的な研究費が圧迫されて自由な研究ができず、産業に従属する形になっていることは重大な問題」と述べ、基礎的な研究を応援するしくみが必要だと強調しました。
懇談には井上哲士参院議員も参加しました。