2011年5月4日(水)「しんぶん赤旗」
憲法施行から64年を迎えた3日、全国各地で「憲法を生かして東日本大震災の被災地復興を」「憲法を守り安心して暮らせる日本を」と、集会や街角トークなどが多彩に取り組まれました。東京では「東日本大震災の被災者に心を寄せ 生かそう憲法 輝け9条」と題して「憲法集会」が日比谷公会堂で開かれ、2800人が参加しました。 (関連記事)
|
東京の「憲法集会」の主催は、憲法会議、許すな!憲法改悪・市民連絡会など8団体がよびかけた実行委員会。開場の2時間以上前から長蛇の列ができ、入りきれない人は屋外のオーロラビジョンで視聴しました。
「平和を実現するキリスト者ネット」の糸井玲子氏が主催者あいさつ。千葉大学の三宅晶子教授は憲法9条と25条の大切さを語り、生存権を守り抜くために、原発や核兵器に依存し貧困と格差を拡大させる社会の構造を変えていく一歩を踏み出そうとスピーチしました。ジャーナリストの伊藤千尋氏は、日本が世界最高水準の自然エネルギー技術を持ちながら自国で使わない現状は、憲法を生かさない姿勢と同じだと話しました。
社民党の福島瑞穂党首は、大震災と原発事故で生存権が侵害されているいまだからこそ「憲法価値の実現のために政治を変えたい」と訴えました。
日本共産党の志位和夫委員長は「震災復興と日本国憲法」のテーマでスピーチ。被災者の生活再建へ国による公的支援の制度を打ち立てるうえでも、復興計画を「上からの青写真の押しつけ」でなく住民合意でつくり国に財政責任を果たさせるうえでも、原発の危険と恐怖を拒否するうえでも、「一番の力となるのが日本国憲法であり、その力をひきだすのは日本国民のたたかいです」と強調しました。大震災を党略的に利用して憲法改定をもくろむ動きを強く批判し、「日本国憲法を生かし真の復興を―これを合言葉に力を合わせがんばりぬきましょう」と訴えました。
集会では、10年以上にわたり憲法を生かす立場で「思想や政治的立場の違いを超えて広範な共同の運動を進めて」きた意義を強調し、「いっそうの共同のひろがりを」と呼びかけるアピールを採択しました。
集会後、「9」の字や思い思いの言葉をつづったプラカードや旗を手に銀座パレードがおこなわれ、志位氏と福島氏らが先頭を歩きました。