2011年4月27日(水)「しんぶん赤旗」
東京電力福島第1原発の放射能漏れ事故の影響で大きな被害をうけた東北・関東地方の農民ら約400人が26日、東京・千代田区の東京電力本社につめかけ、作物や農地を汚した怒りをぶつけ、全面的賠償と早期の仮支払いを迫りました。
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主催した農民連(農民運動全国連合会)の白石淳一会長は、農作物や原乳の出荷制限や風評被害をうみ、住み慣れた地域から避難させられたと声を強め、「責任は東電と原発政策を推進してきた歴代内閣にある。全面的に補償させるまで頑張ろう」と訴え。3台のバスに乗り込み160人で参加した福島農民連の亀田俊英会長は、原発20キロ圏内で避難し損害賠償の運動の先頭に立っている心情を訴えました。「地震と津波がおこれば大変な事故になる、と私たちは何度も東電にいってきた。しかし、東電は聞き入れなかった。私たちに何の非があるのか」
農民連の代表や、共催団体の全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)に参加する全労連の大黒作治議長らが東電本社内に入り、被害をうけた野菜や原乳を前に「原発事故の早期収拾と、速やかな全損害の賠償を求める要求書」を提出。「国に支援をうけ、損害賠償制度にもとづいて対応したい」と答えるだけの東電の担当者にたいし、「早く賠償せよ」「どうやって生活すればいいのか」の声が何度もとびました。
「俺の夢と未来をかえせ!」とのプラカードを掲げた福島県の男性(35)は、避難指示が出るまで130頭の牛を飼っていました。「戻ってきたら牛は無残に死んでいた。伝染病の心配もある。賠償をせよ。隔離施設の対策を示せ」と迫りました。
東電本社前で農民らは、「東電は全面的に賠償しろ」と唱和しました。
参院議員会館では、農水省の担当者にたいし損害賠償の速やかな実施と東電への指導を要求。米の減反政策見直しを求めました。
同会館で決起集会もおこなわれ、日本共産党の志位和夫委員長が出席。志位氏は「事故をおこしたことに対する強い抗議の声を東電と政府に突きつけ、最後までともにがんばりましょう」とあいさつ。集会は、さらに共同の輪を広げることを確認しました。