2011年4月3日付「しんぶん赤旗」に掲載

震災・原発――
「命大切にする党頑張って」

志位委員長訴えに共感の声

神戸・北九州


 日本共産党の志位和夫委員長は2日、投票日が10日に迫る兵庫・福岡両県議選、神戸市議選、福岡県知事選の応援に駆けつけました。志位氏は、神戸市元町と北九州市の3カ所の街頭から各候補と被災者支援・復興を呼びかけるとともに、原子力行政の転換と「福祉・防災のまちづくり」を進める日本共産党を伸ばしてほしいと訴えました。

 神戸では、10人の市議候補と市内9人の県議候補が勢ぞろい。マイクを握るたびに、大勢の聴衆から拍手と「頑張れ!」の声援が飛びました。

 志位氏は、東日本大震災では、生活、住宅、地域コミュニティーの再建こそ復興の土台とすべきだと力説。大きな空港や港ができたが人々の生活が立ち行かなくなったとならないよう阪神・淡路大震災の教訓を生かそうとのべました。菅直人首相も認めた個人補償引き上げは、抜本的拡充を実行させようと支援を訴えると「そうだ」の声と拍手が起こりました。

 兵庫県議会や神戸市議会では、自民、民主、公明の「オール与党」が逆立ち政治を行っていると指摘。国保証の取り上げが相次ぎ、特別養護老人ホームの待機者は10年間で7倍になる一方で、パナソニックに218億円など大企業には上限なしの誘致補助金がばらまかれていると批判しました。防災対策でも、阪神・淡路大震災で7千棟以上が焼失し、消防力不足が大問題になったのに、県の人口あたりポンプ車は全国37位、消防士数は45位、そのうえ30の消防本部を11に再編統合しようとしていると告発しました。

 その上で志位氏は、阪神・淡路大震災のときに、当時の筒井もとじ党県議団長が「私の家も全壊したが、最後の一人が入れるまで仮設住宅に入らない」と知事に迫ったことを振り返り、「被災者を最後の一人まで救うのが、兵庫の党議員団のすばらしい伝統です」と力説。「共産党を伸ばして福祉・防災の神戸と兵庫をつくろう」と訴え、大きな拍手と歓声を受けました。

 通りがかりで演説を聞いた日永田一大さん(29)=会社員=は、「共産党さんの考えがより明確になりました。志位さんが話した地震、原発、お金の使い方の問題は、今にあった形。わかりやすいですね」と語りました。

 北九州市では、原発推進の経産省出身で九州電力会長が応援する知事候補と対決する田村たかあき知事候補と、現職のまじま省三候補(八幡西区)をはじめ各県議候補とともに黒崎、若松、小倉で訴えました。各地で被災地連帯の横断幕が掲げられ、「頑張ろう」という声援や指笛が送られました。

 志位氏は「福祉・防災のまちづくりを福岡でも」と提唱。自民、民主、公明の「オール与党」県政が、高すぎる国保への独自補助の廃止や県立病院の全廃を行う一方で、五つのダム建設、福岡空港第2滑走路、第2関門橋といった巨大開発に7千億円をつぎ込もうとしていることを告発しました。

 そのうえで「そんなところに使うお金があるなら、福祉、暮らし、防災に」と訴えると、「そうだ」の声と拍手が起こりました。

 志位氏は防災でも「県地域防災計画」で「自らの身の安全は自らが守る」のが「県民の責務」だと行政の責任を放棄し、人口当たりの消防士数は全国最下位の県政を「大本から変えよう」と勝利へ支援を呼びかけました。

 演説を聞いた八幡東区の三浦純一さん(27)は、「原発増設を見直し、新しいエネルギーをという提案が興味深い」、鬼塚賀津子さん(62)は、「危険なプルサーマル発電の玄海原発は第二の福島原発とささやかれています。命を大切に考えてきた共産党に頑張ってほしい」と話しました。