2011年4月6日(水)「しんぶん赤旗」

共産党伸ばし防災力を強く

和歌山・奈良・京都 志位委員長訴え


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(写真)志位和夫委員長の訴えを聞く人たち=5日、京都市左京区

 日本共産党の志位和夫委員長は5日、和歌山、奈良、京都を駆け巡り勝利へ演説を行いました。

和歌山駅前

 震災で災害時の拠点病院の大切さがはっきりしたのに和歌山県では自民、民主、公明の「オール与党」県政のもとで深刻な地域医療崩壊が起きています。

 志位氏は特別養護老人ホームの待機者が県内2875人もいる状態では災害時に真っ先にお年寄りが犠牲になってしまうと指摘。一方で大企業には1社最大100億円の誘致補助金をつぎ込む逆立ちをただそうと訴えました。

 党県議団が、小中学校の耐震化を促す県独自支援の実現に尽力し、4年間で耐震化率が27%も上昇したことや、既存ビルを津波避難先に指定する「津波避難ビル」の拡大に努めてきたことを紹介し、支援を訴えました。

近鉄奈良駅前

 近鉄奈良駅前を埋めた聴衆から、演説に「賛成!」の声があがり、盛んに拍手が送られました。

 奈良県も「オール与党」県政で、国保料は近畿一の高さ。小中学校の耐震化率も63%と全国平均より大きく遅れ、消防士も国の基準の63%と冷たい県政です。

 知事選では、現職知事の「関西広域連合」参加拒否に反発した新人を橋下徹大阪府知事が支援。この新人が「広域連合でまとまれば災害でも大きな力が出る」などと主張しています。

 しかし、「広域化が防災過疎をつくりだすことは市町村合併でも証明済みです」。こう批判した志位氏は、同時に現職知事も現在13の消防本部を一つにしようとしており、「広域化」で予算・人員削減では同じ流れだと、「福祉・防災の奈良県」への転換を力説しました。

 そのうえで前回5人に前進して議案提案権を獲得した党県議団が子どもの医療費無料化を小学校入学前まで引き上げたことを指摘。「今度は7議席で中学校まで無料化と国保料の引き下げを」と支援を呼びかけました。

 演説を聞いた男性(35)=生駒市=は「志位さんの言っていた自然エネルギーへの転換を、原発事故を機会にぜひやってほしいし、『思いやり予算』をやめて被災者につかってほしい」と話しました。

伏見・左京区

 京都市で志位氏は、地域の二つの党演説会に駆けつけ必勝を訴えました。伏見区では、福島県浪江町から避難した女性が声を詰まらせながら「原発被害を風化させないでほしい」と発言。被災者に心を寄せた志位氏らの訴えに、参加者は「その通り!」と熱い声援と拍手を送りました。

 京都では三つの原発建設計画を断念に追い込んでいます。志位氏は、原発安全対策を求めた党府議団の質問も16年間で30回以上に及ぶことを紹介しながら、命を守る党への支援を呼びかけました。

 京都では府・市ともに「オール与党」が、冷たい政治を行っています。市内で正規の国保証を取り上げられた世帯は約3万。「オール与党」は、防災対策でも市有識者会議が「京都市の消防部門は福岡市と比べて2倍の職員数」と削減を提言したことに「評価したい」(自民市議)と述べるなど、行政の責任放棄を促しています。

 その一方で、日本共産党市議団は耐震防火水槽の増設を求め、100立方メートル級の耐震防火水槽は4倍化したと紹介した志位氏。市の耐震改修助成制度の抜本的拡充の条例案を繰り返し提案してきた日本共産党を伸ばし、耐震改修にも使える使い勝手の良い住宅リフォーム制度として実現しようと支持を訴えました。

 京都市左京区から参加した保育士の女性(22)は「原発をなくすといっても、できるのかなと思っていたけど自然エネルギーなど方法があるとわかった。財源の話は初めて聞きました」と期待を寄せました。