2011年3月28日(月)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は27日、東日本大震災と福島第1原発事故の被災者が避難している福島市の「あづま総合運動公園体育館」を訪問し、「夜は冷えますか」と声をかけながら被災者から要望を聞きました。また、津波のつめ跡の残る南相馬市を調査しました。高橋ちづ子衆院議員・党大震災現地対策本部長、久保田仁党県対策本部長らが同行しました。
|
南相馬市の男性(55)は「ともかく情報が少ない。大震災から2週間たって不安が増すばかりです」と話しました。志位氏は同市の桜井勝延市長との懇談でも要望が出されたことに触れ、「みなさんは政府の指示で避難しているのだから、政府の責任で情報が伝わるように求めます」と応じました。
今春から中学生になる子どもの母親(46)は「避難所から学校に通わせるのでなく、できれば南相馬に戻って友達のいる学校に通わせたい。入学延期など柔軟な対応をしてほしい」と訴えました。
政府がいう原発から半径20〜30キロ圏内の住民への「自主避難」についての疑問に対し、志位氏は「本当に危険なら政府が避難先の確保も含めきちんとすることが必要です。そうでないならきちんと物資を届けることに責任を持って力を尽くすべきです」と述べました。
南相馬市の男性(58)は原発事故について「家も仕事も失った。志位さん、頼むから補償されるようにしてほしい。頼むよ」と訴え、志位氏は国と東京電力の責任で補償させる枠組みがあることを示し、全力で取り組むと約束しました。
一面に広がる泥と海水、ねじ曲がって倒れた送電線、ところどころに残っている家屋の残骸…志位氏らは、津波と地震で死者・行方不明者約1500人(同日現在)を出した南相馬市の沿岸部を調査しました。
訪れたのは同市原町地区の田園地帯だった地域です。今は泥の海と化していました。津波で26人以上の死者を出した介護老人保健施設「ヨッシーランド」も見えました。
志位氏が行方不明者の捜索状況について聞いたのに対して、日本共産党の渡部寛一市議は「表面捜査は終わっていますが、がれきの中や泥の中は手つかずです」と説明しました。
遠くの方には、行方不明の家族や思い出の品を捜しているのか、必死に足元をのぞきこんでいる人たちの姿も見えました。