2011年3月7日(月)「しんぶん赤旗」
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県議席の奪還必ず―日本共産党の志位和夫委員長を迎えた演説会が6日、熊本市の県立劇場で開かれました。会場は定席(1172席)の3階席までいっぱいで、ロビーで聴く人も。4年前に失った党県議席(熊本市区)奪還への熱意がみなぎりました。
志位氏は冒頭、いっせい選挙前半戦での県議席奪還と、熊本市議選など後半戦での全員勝利への支援を呼びかけました。そのうえで国政と地方政治のゆきづまりを打破する「世直しの提案」を力強く訴え、幾度も大きな拍手に包まれました。
県議会に共産党の議席がないもとで、熊本県は九州7県で財政力2位なのに、1人あたり老人福祉費も教育費も下から2番目に落ち込んでいます。志位氏は共産党の議席を必ず取り戻し、二つの転換でゆがみをただそうと呼びかけました。
第一の転換は、福祉と暮らし最優先の政治にすることです。
熊本市は4月から国民健康保険(国保)の保険料を年間1人9900円も値上げする予定。所得300万円の4人家族で年47万8150円になります。県内で国保料を滞納して正規の保険証を没収された世帯は国保加入世帯の11・2%に上り、全国ワースト3位。経営難で国保料や住民税を払えずにいた男性が商売用の車にタイヤロックをかけられ、一家6人が心中する痛ましい事件まで起きています。
志位氏が高すぎる国保料を1人1万円値下げし、強権的な保険証とりあげと保険料とりたてをやめさせようと訴えると、盛んな拍手がわきました。
第二の転換は、熊本港のムダ遣いをやめさせることです。
港づくりに1千億円つぎ込んだのに定期コンテナ船は週1便しか来ず、釣り人でにぎわっていることを志位氏がリアルに告発すると、会場は爆笑のうずに。さらに500億円もつぎ込むムダ遣いはやめ、待機者1万人の特養ホーム整備や遅れている小中学校耐震化など、地元中小企業に仕事が回る生活密着型の公共事業に転換しようと呼びかけ、大きな拍手に包まれました。
演説会では松岡とおる県議予定候補、ますだ牧子、上野みえ子、なすまどかの3熊本市議予定候補が必勝を訴えました。松岡予定候補は「何としても議席を取り戻し、熊本から政治の流れを変えるたたかいにしたい」と不退転の決意を表明しました。