2010年12月4日(土)「しんぶん赤旗」
【プノンペン=面川誠】カンボジアの首都プノンペンで開かれていたアジア政党国際会議(ICAPP)第6回総会は3日、核兵器禁止条約の交渉を支持すると明記した「プノンペン宣言」を全会一致で採択して閉幕しました。日本共産党は、事前に各国政党に配布されていた「宣言」案にたいして、「核兵器のない世界」を目指す取り組みの発展をよびかけ、核兵器禁止条約の交渉への支持を盛り込むよう提案していました。
|
「宣言」は、アジアの平和、安全、安定、繁栄を保障する原則として「主権と領土保全」「自らの政治、経済、社会制度を決定する権利」「不可侵および内部問題への不干渉」「領土紛争の平和解決および国際条約と国際法の尊重」「軍備管理、軍縮、大量破壊兵器の不拡散」「あらゆる形態の過激主義への反対と否定」を指摘。そのうえで、「われわれは、とりわけ、2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議の最終文書で述べられているように『すべての国が核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するために特別な取り組みが必要である』との国際的合意、および核兵器禁止条約の交渉を含む国連事務総長の5項目提案を支持する」と明記しています。
「宣言」はまた、ICAPPが多様なイデオロギーを持つ政党間の交流と協力によって、アジアの地域協力を促進してきたと評価。環境劣化と貧困を重大な脅威と指摘し、経済発展を促す一方で、気候変動に対処するために経済運営の転換が必要だと強調。再生可能エネルギーの利用促進、生物多様性の維持を呼び掛けました。
朝鮮半島などでの紛争については、アジアのすべての紛争地域における和解を求めました。
日本共産党の志位和夫委員長は11月19日に、党本部でICAPPの鄭義溶(チョンウィヨン)常設委員会共同議長・事務局長の来訪を受け、懇談しました。第6回総会の準備状況や同会議の活動方向について説明した鄭氏にたいして、志位氏は、ICAPP事務局から送付されていた「プノンペン宣言」案について、核兵器問題で補強することを提案。鄭氏は、「宣言」の修正提案を歓迎すると答えました。
この懇談を受けて志位氏は同月22日、鄭氏とムシャヒド・サイド宣言起草委員長にたいして、以下の内容を「プノンペン宣言」に盛り込むことを要請する修正提案を、書簡で届けていました。
「われわれは、今年5月の核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議で全会一致で採択された『最終宣言』に明記された『すべての国が核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するために特別な取り組み』をおこなうという国際社会の合意、ならびに核兵器禁止条約の交渉を提案している国連事務総長の5項目提案を支持し、核兵器のない世界をめざす取り組みの発展を重ねて呼びかける」
今回の「プノンペン宣言」には、日本共産党のこの修正提案が取り入れられることになりました。