2010年11月30日(火)「しんぶん赤旗」

北朝鮮問題 6カ国緊急会合の実現に努力を

志位委員長が首相に提起


 菅直人首相と日本共産党の志位和夫委員長をはじめ与野党党首会談が29日、国会内で開かれ、北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃への対応等について話し合われました。


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(写真)与野党による党首会談。左端は志位和夫委員長=29日、国会内

 会談では、菅首相が、政府の対応や米国・韓国との連携について報告。中国が提案している6カ国協議の首席代表による緊急会合について、「今の状況では簡単に出ることにはなりにくい。米韓と連携して慎重に判断したい」と発言しました。

 志位委員長は、24日の党首会談で、北朝鮮の無法行為を厳しく非難するとともに、外交的・平和的な解決が重要だと述べたことにふれ、中国が提案している6カ国協議の首席代表緊急会合について、「重要な提起だと思う」と指摘。中国が提案しているのは、6カ国協議そのものの再開ではなく、緊急会合を開いて意見交換をするということであり、「6カ国協議は北朝鮮の核問題の解決とともに、北東アジアの平和と安定を目的にしており、その問題にかかわる緊急事態が起こったのだから、緊急会合を開くのは当然であり、外交的解決にとって重要な意味を持つ」と述べました。

 そのうえで志位氏は、「この問題について、米国、韓国は、それぞれの立場を表明しているが、日本政府は緊急会合を実現させる方向で努力すべきだ」と提起しました。志位氏は、「緊急会合を実現し、その場で、北朝鮮に対して、朝鮮戦争の休戦協定、国連憲章、南北間の合意などに違反すると理詰めで批判し、無法行為を抑えていく、外交的努力が必要だ」と強調するとともに、「日本だけが北朝鮮との交渉ルートが断たれているもとで、交渉ルートを再びつくるうえでも有益だ」と提起しました。

 菅首相は「米国、韓国との連携の中で慎重に判断したい」と回答。志位氏は、「日本外交が主体的に行動すべきだ。米国、韓国ともよく話し合って、緊急会合の実現のために努力する主体的な外交力が必要だ」と重ねて強調しました。

朝鮮王朝儀軌などの返還を速やかに

 また、志位委員長は、日本による植民地支配の時代に朝鮮半島から持ち出された「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」を含む1205冊の図書を韓国に返還する日韓図書協定について発言。「私たちは、これまで速やかな返還を求めてきたが、『韓国併合』100年の節目でもあり、李明博(イミョンバク)大統領も訪日する。その前に国会が協定を承認し、文化財を返還すべきだ」と述べました。

 菅首相は、「国会での協力をお願いしたい」と述べました。