2010年11月11日(木)「しんぶん赤旗」
「TPP参加と食料自給率向上は絶対に両立しない。参加協議を認めるな!」―。菅内閣が、例外品目を認めず全品目の関税を撤廃する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への協議開始を閣議決定するなか、「TPP交渉への参加に反対し日本の食を守る緊急全国集会」が10日、東京都内で開かれました。
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主催は、JA全中(全国農業協同組合中央会)ら農林水産団体や消費者団体で構成した実行委員会。会場の日比谷野外音楽堂は全国各地から参加した約3000人でいっぱい。「未来のためにわが国の『食』を守れ!」「もうがまんしない」「菅よ!さらば」などと書いたむしろ旗・のぼり旗がずらりと並びました。「TPP交渉への参加に断固反対し、更なる国民各層の理解と支持を得ながら、大きな国民運動に展開させていく決意」だとする特別決議を採択しました。
六つの政党が出席。日本共産党から衆参10人の国会議員が参加。志位和夫委員長があいさつをしました。
実行委員会を代表してあいさつした茂木守全中会長は、TPP参加協議を始めるとした菅内閣にたいし、「絶対に認めることはできない。日本はすでに十分市場開放している。断固阻止のため、本集会を出発点に、さらに大きな国民的運動にしよう」と呼びかけました。
全漁連(全国漁業協同組合連合会)、地方団体、消費者団体の代表も決意を披露。国民の食料と農業、関連産業の崩壊、地域崩壊につながるTPPに反対行動を広げたいと、訴えました。鹿児島県商工会連合会の森義久会長は、「宮崎県の口蹄(こうてい)疫発生時には南九州経済に大打撃だった。TPPの地域経済への影響は計り知れない」とのべ、連帯した行動を訴えました。
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志位氏は、「日本農業を壊滅させるTPP参加に断固反対します」との意見広告を出した日本農業新聞を掲げながら、「最後まで党をあげてたたかいぬく決意」を表明。「一部輸出大企業のために日本を売り渡す売国政治は許されない」と訴えると「よし、そうだ」の声と拍手が何度もおきました。
与党の民主党から郡司彰参院議員が「慎重に対応する」などとあいさつすると、参加者から「言い訳するな」「信用できない」などのやじが次々に飛びました。
参加者は国会へ請願デモ。デモ隊列に加わったJA大分中央会の佐藤洋会長は、「TPP参加は農業が壊滅し、農村が荒廃し、故郷がなくなる。断固反対の運動を広げたい」と話しました。