2010年7月25日(日)「しんぶん赤旗」
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全国革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす全国の会)は24日、東京都千代田区の学士会館で第30回総会を開きました。自公政権退場で生まれた民主党政権が参院選で大敗し、多くの国民が自民党政治に代わる新しい政治を探求しているなか、「三つの共同目標」を掲げ、草の根から国民の要求に基づく多彩な共同をすすめる革新懇運動の出番が強調されました。「自分の町をよくしようということは無党派の人も興味がある」(京都府の革新山科の会)など各地の無党派との共同を進める上での創意工夫が発表されました。
運動方針を提起した四位直毅代表世話人は、「革新懇が平和・くらし・民主主義の三つの目標で大きな国民の共同を広げ、草の根から国政革新を目指す動きこそ国民に新しい出口を示している」と述べました。消費税増税反対、沖縄・米軍普天間基地の無条件撤去、雇用や子育てなどくらしの問題、国会議員定数削減反対、まちづくりなどで活発に活動を行っていく必要性を説明。国会議員定数削減については「比例削減は限りなく小選挙区制につながる。小選挙区制は死票を増やし、民意を切り捨てる。消費税でも普天間でも“翼賛国会”をつくろうというものだ。反対の運動を全国で起こす必要がある」としました。
討論では、普天間基地の無条件撤去を求める集会、消費税増税や後期高齢者医療制度のシンポジウム、ひきこもりをテーマにした講演会、地域病院を守る運動、道路建設反対の運動など住民要求にそった取り組みで無党派とつながり、革新懇を広げている経験が報告されました。
大阪府の寝屋川革新懇の代表は「市民要求があれば、それを地道に一緒にやることが大切で、その繰り返しのなかで300人を超える会員になった」と語りました。
名古屋市の緑区革新懇の代表は「市民病院の指定管理制度の導入が打ち出され、よりよい病院を願う会を立ち上げた。医師会などに働きかけ、その会の結成総会のときに、緑区の医師会長が来賓のあいさつをしてくれた」と共同のひろがりを報告しました。
総会には274人が参加しました。
全国革新懇総会では日本共産党の志位和夫委員長が発言しました(発言詳報)。志位氏は、参院選での支持・支援への心からの感謝とともに、得票と議席を後退させたことへのおわびを述べました。そして、党内外からの意見を真摯(しんし)に受け止めて自己検討に生かし、「国政選挙での本格的な巻き返しのための態勢構築を必ずはかる決意」を表明しました。
自公政権の退場に続いて民主党政権に厳しい審判がくだったことにふれた志位氏は、国民を「二大政党」の枠組みにはめこむ財界主導のくわだてが早くも深刻な行き詰まりにつきあたっていると指摘。国民は自民党政治に代わる新しい政治を探求する途上にあり、「革新懇運動の果たす役割はほんとうに大きい」と強調しました。
「二大政党」の行き詰まりの根本には「『日米同盟』絶対、財界・大企業中心」という古い政治の枠組みの行き詰まりがあると述べ、日本の政治を変える「三つの共同目標」を堂々と掲げる革新懇運動の発展を願い、ともに奮闘する決意を表明しました。
全国革新懇の三つの共同目標 (1)日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざします。(2)日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざします。(3)日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざします。