2010年5月5日(水)「しんぶん赤旗」

NPT再検討会議開幕

国連総長「核廃絶の約束」要求

広島訪問表明


志位委員長傍聴

 【ニューヨーク=西村央】核兵器廃絶に向けた新たな国際的合意に踏み出せるかどうかで注目される核不拡散条約(NPT)再検討会議が3日、ニューヨークの国連本部で始まりました。

 冒頭、あいさつした潘基文(パンギムン)国連事務総長は、ことし8月6日に広島を訪れることを表明しながら、2000年の会議で合意された「核兵器廃絶の明確な約束」の再確認を保有国に求め、核兵器のない世界に向けた努力を呼びかけました。ニューヨーク訪問中の日本共産党の志位和夫委員長・衆議院議員、笠井亮衆議院議員、井上哲士参議院議員も会議を傍聴しました。

 潘事務総長は、「会議は人類にとって大きな重要性を持つ」と述べながら、今回の再検討会議成功に向けた指標として、核兵器廃絶のための具体的進展、NPTを普遍的なものとすること、中東などでの非核地帯問題での前進をあげました。

 国連事務総長としては初となる広島訪問については、「(人類史上)最初に原爆が投下された日の訪問で、核兵器のない世界に向かっていくことを示す」と表明しました。

 核兵器開発疑惑があるイランに対しては既存の安保理決議を順守すること、03年にNPTを脱退表明した北朝鮮に対しては、6カ国協議に可能なかぎり早く復帰することを求めました。

 この日は、一般討論も始まり、非同盟諸国を代表してインドネシアのナタレガワ外相、イランのアハマディネジャド大統領、米国のクリントン国務長官らが演説しました。

 再検討会議は5年に1度の開催。会期は5月28日までの4週間です。