2010年5月2日(日)「しんぶん赤旗」

国連軍縮担当上級代表と志位委員長が会談

党訪米団ニューヨーク入り


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(写真)セルジオ・ドゥアルテ国連上級代表(右)と会談する志位和夫委員長=30日、ニューヨークの国連本部(林行博撮影)

 【ニューヨーク=小林俊哉】日本共産党の志位和夫委員長を団長とする党訪米団は4月30日午前(日本時間同日深夜)、ニューヨークのケネディ国際空港に到着しました。3日から開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議に参加・傍聴し、成功に向けて働きかけるのが目的です。日本共産党の党首が訪米するのは、結党以来、初めてです。

 志位氏は、同地で待ち構えた記者団に抱負を述べたあと早速、国連本部などを訪問し、各国政府関係者、国連関係者と会談し、「核兵器のない世界」に向けてNPT再検討会議が成果をおさめるよう、党代表として要請活動を開始しました。

 国連本部ではセルジオ・ドゥアルテ国連上級代表(軍縮担当)と会談。ドゥアルテ氏は開会中の会議を中座して会談に応じ、「みなさんが核軍縮の問題に力をいれていることはよく存じています」と歓迎しました。

 志位氏は、同代表が、原水禁世界大会に毎年参加し、日本の反核平和運動を激励していることに謝意を述べたうえで、日本共産党として、再検討会議で2点の合意が得られることを願っていると述べました。

 第一は、2000年の再検討会議で合意された核保有国による核兵器廃絶への「明確な約束」を含む「13項目の実際的措置」を再確認し、それにさらに上積みして、核兵器廃絶への流れを前進させる会議にしていくことです。

 第二は、その具体的な方途として、米ロの新しい戦略核兵器削減条約(新START)、包括的核実験禁止条約(CTBT)、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約など、さまざまな部分的な核軍縮措置と一体に、核兵器廃絶そのものを主題とした国際交渉を開始することを合意することです。

 志位氏の要請に対してドゥアルテ氏は「二つとも、今回の会議で議論されることになる」と指摘。第1点目については「13項目に、どれだけプラスアルファがされていくかが、大切な点だ。努力していく」と応じました。

 第2点目について、ドゥアルテ氏は、NPT第6条に従った核兵器廃絶のための国際交渉の開始は、08年に潘基文(パンギムン)国連事務総長が発表した「5項目の核軍縮計画」の第1項目でもあると指摘。志位氏の提案も「同じ方向のものだ」と応じ、「市民社会、国会議員、事務総長、それぞれの力が一体となって努力がなされている。ご支援に感謝したい」と述べました。

 志位氏は、潘事務総長が08年の提唱に加え、09年にはメキシコで行われた会議で「核抑止論は明らかな誤り」と主張していることにも注目しているとのべ、会議成功に向けた努力を重ねて要請。ドゥアルテ氏も「大事なことは、たたかい続けること。ただし、核兵器を使わず、ハートと頭脳で」と応じました。

 志位氏は同日、スウェーデンのピーター・エリクソン参事官、キューバのロドルフォ・ベニテス・ベルソン国連大使と会談しました。