2010年4月17日(土)「しんぶん赤旗」
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横浜市の横浜文化体育館で16日、日本共産党の志位和夫委員長を迎えて演説会が開かれました。「民主党は自民党よりはましかと思ったけど、普天間基地問題でも結局変わらなかった」と嘆く戸塚区の18歳の大学生は「知り合いに誘われて共産党の演説会に初めて来ました」。真冬のような冷たい風雨の中、参加者らはコートに身を包んで演説会場に足を運びました。
事前に、党県・市委員会は幅広い団体に参加を呼びかけました。「自民党議員が顧問の団体ですが、共産党の話を聞きたい人もいるでしょう。がんばって」(中小業者団体の会長)など、あたたかい反応がありました。
いっせい地方選の県議・市議予定候補の紹介に続いて、はたの君枝参院神奈川選挙区予定候補が「候補者が乱立する激戦の選挙区から、みなさんの力で何としても国会に送り出してください」と訴えました。田村智子参院比例候補は「長年立ち向かってきた自民党政治が壊れ始めた今、新しい政治の実現へがんばりぬきたい」と語りました。
志位氏が、参院選は「チャンスの選挙だ」と述べ、比例区5議席の絶対確保とともに「神奈川から、はたの候補を国会に行かせてください」と呼びかけると、大きな拍手が起きました。
日本の政党状況が1年前と様変わりしていると述べた志位氏は、総選挙後の8カ月間をユーモアを交えて振り返り、会場をわかせました。
民主党政権はどうか。「期待が裏切られたというのが、多くの国民の気持ちではないでしょうか」。こう問いかけた志位氏は、国民が「ここを変えてほしい」と願った肝心要の問題で、民主党政権が公約と期待に背いてきたことを解明しました。
自民党はどうか。痛烈な退場の審判を受けながら反省もなく、政治をより悪くする「破壊的野党」の立場から新政権を攻撃しています。漫画家のやくみつる氏が自民党機関紙に寄稿した一文に編集部がつけた表題が「自民党はすでに死んでいる」だったと志位氏が紹介すると、会場は爆笑に包まれました。
志位氏は「第三極」の動きにも言及しました。「公明党が『第三極の担い手になる』といいますが、自民党政治の担い手だったことを忘れてしまったのでしょうか。『新党』も名ばかりで、中身は古い自民党政治です。こういう流れからは新しい日本は生まれません」
志位氏は「私たちがめざすのは『第三極』ではありません」と強調。米国いいなり・財界中心の古い政治の枠組みから抜け出すための国民多数派をつくるという「『第一の極』をめざすのが日本共産党です。激動のいま、がんばれば民主的政権をつくる道が開けます。その一歩を刻む参院選にしましょう」と呼びかけました。会場は、どよめきと大きな拍手でわきあがりました。
続いて志位氏は、「ルールある経済社会」を築く展望と、米国いいなりをただす展望を熱く語りました。
志位氏の演説を初めて聞いた横浜市港南区の女性(58)は「派遣や高い医療費などいろんな問題で、世の中が暗い感じだと思っていましたが、志位さんの話を聞いて展望が開けた。企業の内部留保を労働者の賃金などに回せば経済が上向くということが分かりました」と話しました。