2010年4月14日(水)「しんぶん赤旗」
予想される参院選公示(6月24日)まで72日と迫った13日、日本共産党は党本部で「全国都道府県委員長、地方議員・候補者会議」を開きました。参院選勝利に向け深い政治的一致をはかり、全国で3000人を超える地方議員・候補者が党員・党支部と心を一つに総決起する意思統一をはかることが目的です。会議には、都道府県・政令市・県庁所在地・首都圏の30万都市以上の議員・候補者など約700人が参加。CS通信とインターネット中継で多数の人が視聴しました。会議では、志位和夫委員長が報告、17人が発言し、参院選勝利に向け意気高い会議となりました。
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志位氏は、(1)情勢をどうとらえ、どのように働きかけるか(2)参院選勝利をめざす活動と、地方議員・候補者への呼びかけ(3)全党の臨戦態勢を―について1時間半にわたって報告しました。
志位氏は、現在の情勢について「総選挙から8カ月の政治的体験を経て、新しい政治への国民的探求が新たな局面を迎えている」と強調しました。
民主党政権について、国民の期待と公約に背く裏切りを重ね、失望が怒りに変わりつつあると指摘。同時に、強権的国家づくりにつながる「国会改革」と「地域主権」の名による規制緩和路線に警鐘を鳴らしました。国民から退場の審判を受けた自民党については、政党としての崩壊過程が始まっていると指摘しました。
「自民か、民主か」の「二大政党」論が猛威をふるった1年前から様変わりし、国民が「二大政党」にまるごと不信と批判を向けつつある新たな政治状況のもとで、自公政権を退場させた国民の切実な要求にこたえ、政治を前にすすめる政党は日本共産党だけだと強調。それを広い国民の中に伝えきるならば、参院選躍進の大きなチャンスが目の前に広がっていると力説しました。
新党や「第三極」を標榜(ひょうぼう)する動きにも言及し、「古い自民党政治を転換する立場をもっているかどうか」がモノサシだと指摘。貧困と格差を広げた「構造改革」路線のいっそうの推進を呼号している党や、「消費税増税と憲法改定」を看板に掲げる党など、「『新党』というが、破たんした古い政治ではないか」と批判しました。
そのうえで志位氏は、参院選躍進をめざした「政治的構え」として3点を呼びかけました。
第一は、切実な国民要求から出発しながら、政治の行き詰まり・閉そく状況を打開する展望―「二つの異常」をただす改革の展望を大いに語ることです。経済政策で国民の立場にたったホンモノの「成長戦略」をさし示し、普天間基地問題でも無条件撤去という根本的解決を示している日本共産党の立場を明らかにしました。
第二は、働きかけの規模を全有権者対象に思い切って広げることです。政党支持の大激変が起きるなか、「有権者の過半数と対話」は今日の情勢が求めているものだと強調しました。
第三は、日本共産党そのものへの疑問や意見をよく聞き、党への思いを語ることです。この活動を難しくしないで、自らの党への思い、入党の原点を語ろうと呼びかけました。
志位氏は報告のもう一つの主題として、活動の到達点とともに選挙戦の方針の発展を提起しました。
広く足を踏み出したところでは予想を超えた変化が起きているが、到達点そのものは、選挙戦勝利を保証する規模と速度からはほど遠いとして、局面の打開を呼びかけました。
そのうえで、今回の選挙情勢の新たな特徴として、各党が選挙区選挙でのしのぎを削るたたかいを、比例選挙での前進のてこにしようという戦術が顕著になっていると指摘。こうしたもとで、「比例を軸に」「全国は一つ」の大方針を堅持し、650万票、5議席を絶対確保すると同時に、選挙区選挙をより攻勢的・積極的に位置づけることを提起しました。
具体的には▽定数5の東京選挙区での議席絶対確保のため全国的な支援をふくめ総力をあげる▽定数2〜3の17道府県選挙区すべてで本腰を入れて議席の獲得に挑戦する▽定数1の選挙区でも議席を争う構えで積極果敢なとりくみをおこなう―というものです。
これは、新しい政治への国民的探求が新たな局面を迎えている、情勢の進展にそくしたものだと強調しました。
志位和夫委員長は、3000人を超す地方議員・候補者が「自らの選挙と一体に、参議院選挙躍進の先頭に立つことは、選挙戦の帰すうを決定的に左右することになる」として、三つの呼びかけをおこないました。
第一は、参院選挙を文字通り「自らの選挙」としてたたかおうということです。他党と比べても群を抜く党の地方議員の力を具体的な数字をあげて示し、その力を総発揮しようとよびかけました。
第二は、地方議員・候補者が、有権者に選ばれた地域における「党の顔」としての活動と、党幹部としての活動の両面で、全党の牽引(けんいん)者としての役割を果たしてほしいということです。
第三は、党綱領実現という日本共産党員の初心にたって、参院選挙をたたかいぬこうということです。
最後に志位氏は、全党の党員にたいし、「いまただちに参院選挙勝利をめざす臨戦態勢を確立し、活動の飛躍に足を踏み出そう」と訴え。▽草の根の宣伝力を総発揮し、党の勢いを示し、有権者の心にとどく大量宣伝▽「有権者の過半数対話」に本格的に挑戦し、これを一体に前回比3割増の読者拡大をめざして力をつくす▽全支部、全党員が後援会員とともに「支部が主役」で立ち上がる▽都道府県委員会と地区委員会は参院選をたたかう臨時の選挙態勢をつくりあげる―の4点をよびかけました。
志位委員長は、まとめの発言で、新たな方針に対し、ある県議から「これまでで最高の決意を固めた」との感想が寄せられていることなどを紹介しながら17人が発言した討論について4点の感想を述べました。
一つは、情勢の変化がいきいきと交流されたということです。志位氏は、いま情勢には「二重の変化」が起こっていると指摘。従来の保守・自民党支持層の変化とともに、民主党に期待した人たちの裏切られたという強い怒りが噴き出しているとのべ、「まさに共産党の出番の情勢だ」と語りました。
二つ目は、討論の中で、全有権者の過半数対話を達成する展望がみえてきたということです。志位氏は、私たちが壁を設けず、国民の中に飛び込んでいくことが大事だと述べました。
三つ目は、「比例を軸に」を堅持しつつ、選挙区選挙でも、より攻勢的・積極的にたたかうという新方針が、きわめて積極的に受け止められたということです。志位氏は、「民主党に裏切られたが、自民党には戻りたくない」との思いを強める有権者が、願いを託せるのは共産党しかない中で、日本共産党が、全選挙区で積極的に議席を争う構えをとるのは当たり前であり、「『二大政党』にまるごと不信をつきつけつつある有権者の気持ちにもぴったり合った方針だ」と述べました。
最後に志位氏は、日本共産党がこの4年間の地方選で598万票を獲得していることに驚きの声があがっていることを紹介、「われわれの力に自信をもって、この会議を跳躍台に全党がただちに臨戦態勢をとり、必ず参院選での勝利を勝ちとろう」と呼びかけ、大きな拍手を受けました。