2010年3月6日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党の躍進で希望ある新しい政治を

参院選勝利へ志位委員長訴え

茨城・水戸で演説会


 日本共産党の志位和夫委員長は5日、茨城県の水戸市民会館で演説し、4カ月後に迫った参院選での躍進を訴えました。会場は、県下各地から18台の貸し切りバスで集まった参加者などで満席となり、第3会場まで設けられました。来賓あいさつでは、県労働保険事務組合中央会業務推進検討委員長の山本敬一さんが「私も自民党とさんざん付き合ったが、結局中身があるのは共産党だけだ」と激励。水戸市長のメッセージや、茨城町長の参加も紹介されました。


写真

(写真)志位和夫委員長の訴えを聞く人たち=5日、水戸市

 志位氏は、今度の参院選では、退場の審判が下った古い自民党政治に代わって、どういう新しい政治をつくるのか、「政治の中身」が本格的に問われると指摘。「どの党が新しい政治の担い手か。この半年の事実もみて選んでいただきたい」と切り出しました。

 民主党中心の政権については「国民の圧力を受けて部分的には前向きな仕事もするが、国民の期待を裏切る一連の問題が出てきています」と話しました。

 米軍普天間基地、後期高齢者医療制度、労働者派遣法の問題での逆行と後退をあげ、「政治の大本で『アメリカいいなり』『財界中心』から抜け出せないからです」と指摘。くわえて「政治とカネ」の問題では体質でも自民党と同じだと述べ、参院選では、政権党としてやったことが厳しく問われると強調しました。

 自民党については、「政治をより悪くする立場から新政権を攻撃しています」と指摘。「政治とカネ」の追及も金権政治の本家本元がいくらやっても泥仕合だと述べ、反省のない「破壊的野党」には国民の期待が戻ることは決してないと強調しました。

 志位氏は、国民の利益に立って政治を前に動かすのは日本共産党だと力説。「建設的野党」の立場で、国民の切実な願いの実現に力を尽くしながら、政治の大本からの改革を訴えている日本共産党を伸ばして新しい日本を開こうと訴えました。

 その上で志位氏は、経済危機から国民の暮らしを守るため政治は何をなすべきかと問いかけ、大企業の過剰な内部留保と利益を国民の暮らしに還元させるために「ルールある経済社会」を築く改革の方針を、雇用、中小企業、農林漁業、社会保障と税金という四つの柱で力説しました。

 この中で志位氏は、 社会保障費削減の「傷跡」を是正する上で鳩山政権に現れている「医療崩壊の4点セット」というべき問題点を指摘しました。

 1点目は、後期高齢者医療制度の廃止の先送りと保険料の引き上げです。

 志位氏は、政府が廃止を先送りする口実としている「新しい制度」の素案として報じられているのは、「65歳以上の高齢者を国保に加入させ、現役世代と別勘定にする」というものだと指摘。「75歳以上」の差別医療を「65歳以上」に広げるのは、「姥(うば)捨て山」の拡大ではないかと批判しました。

 志位氏は、2点目に「高すぎる医療費の窓口負担」、3点目に「高すぎる国民健康保険料」を告発。引き下げを強く求めました。

 4点目の「診療報酬」の問題では、民主党が選挙では「大幅引き上げ」を公約していたが、実質ゼロ回答だったことに怒りが広がっていると指摘。抜本的増額で医療崩壊を立て直そうと訴えました。

 その上で、財源としては、軍事費にメスを入れ、大企業・大資産家に応分の負担を求めると指摘。「ルールある経済社会」を築いていく改革の実行こそ、経済危機から暮らしを守り、日本経済が健全な発展力を取り戻す道だと力説しました。

 「アメリカいいなり」政治をただすという点では、米軍普天間基地の問題が、いよいよ待ったなしで問われていると話しました。

 政府・与党の「移転先探し」は、結局、もとの名護市に新基地を押し付けるところに戻ろうとしているが、「沖縄県民は絶対に許さない」と指摘。名護市長選の勝利や沖縄県議会の決議で示された「県内たらい回し」反対の民意にもふれながら、「そうなったら、沖縄中が立ち上がるし、私たちも本土で立ち上がり、このたくらみを打ち破るまでたたかおう」と、無条件撤去を正面から米国に求める交渉を求めました。

 志位氏は最後に、「そうはいっても共産党はちょっと」と思う人もいるかもしれないと語りかけ、「世の中がずいぶん変わっています」と述べました。最近では、従来の保守層にも注目と期待が広がっていると自らの対話もふまえ、農業、林業、医療などでの変化を紹介。「党をつくってから88年、国民の苦難軽減と平和のために頑張ってきたのが日本共産党です」と大きな支援を訴えました。

大門議員が決意

 参院比例区での必勝を期して、大門みきし参院議員が登壇。「今国会の最大の焦点は労働者派遣法の抜け道のない改正を実現することだ」と引き続き国会の内外で全力をあげる決意を示し、大きな拍手を受けました。稲葉のぶとし参院茨城選挙区予定候補と12月の茨城県議選の4予定候補が決意を表明しました。

 下妻市から来た女性(56)は「志位さんの話を聞いて、派遣労働者の支援や後期高齢者医療制度の廃止など共産党はいつも困った人の立場で活動していることが分かりました。そんな共産党がJAなどと懇談して歓迎されていることはとても励みになることで、自分ももっと社会のことを学びたいと思いました」と語りました。