2010年2月19日(金)「しんぶん赤旗」

派遣法 二つの“大穴”許されない

志位委員長が会見

抜本改正に向けて 津々浦々でたたかいを


 日本共産党の志位和夫委員長は18日、国会内で記者会見し、17日に長妻昭厚生労働相が労働政策審議会に諮問した労働者派遣法の改正案要綱について、「抜本改正といいながら、二つの“大穴”がある」と強調し、これを許さない全国のたたかいを呼びかけました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=18日、国会内

 志位氏は、この間、日本共産党が国会論戦で明らかにした問題点を振り返りつつ、指摘しました。

 一つは、政府の改正案が、製造業派遣の「原則禁止」をいいながら、いわゆる「常用型派遣」を禁止の例外としていることです。

 厚労省の定義では、短期の雇用契約の繰り返しでも1年を超える見込みがあれば「常用型派遣」とみなされます。

 志位氏は、製造業で働く56万人の派遣労働者のうち、現在でも63%が政府のいう「常用型」だと指摘。「例外のほうが多いとなれば、それは例外とはいえない。このままでは、製造業派遣の『原則禁止』ではなく、『原則容認』になる」と、製造業派遣の全面的な禁止を強く求めました。

 もう一つは、登録型派遣の「原則禁止」をいいながら、「専門26業務」については、禁止の例外としていることです。

 志位氏は、399万人の派遣労働者のうち、100万人もの労働者が、「専門26業務」として働かされており、しかも、その半数近くは、パソコンなどを使っていれば「専門業務」とされてきた「事務用機器操作業務」だと指摘しました。

 この問題については、政府もあわてて「適正化」の通達を出すなどの一定の手直しも始まっていますが、「専門26業務」の内容を全面的に見直して、抜本的な規制の強化をはからなければ、100万人が、派遣のまま使い続けられる事態になると力説しました。

 そのうえで、志位氏は、「政府が、抜本改正というなら、“抜け道”なしの抜本的規制の方向にかじを切り替えるべきだ。本当の抜本改正を求めるたたかいを全国津々浦々で大いに起こそうと呼びかけていきたい」とのべました。