2010年1月19日(火)「しんぶん赤旗」
第174通常国会が18日、開会しました。会期は6月16日までの150日間です。民主党中心の政権が発足して最初の通常国会は、同党の小沢一郎幹事長をめぐる政治資金疑惑や鳩山由紀夫首相の偽装献金事件など、政府・与党中枢部が関与する「政治とカネ」問題の究明が一大焦点として浮かび上がっています。さらに国政の根本的な課題としては、深刻な景気・雇用危機の打開、破壊された社会保障制度の拡充、沖縄・米軍普天間基地撤去、解釈改憲を狙う「国会改革」阻止―などが山積しています。日本共産党は同日、国会議員団総会を開き、志位和夫委員長があいさつし、今国会にのぞむ基本姿勢と論戦課題について語りました。国民大運動実行委員会などは36万3千筆の請願署名を提出しました。(志位委員長あいさつ)
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志位氏はまず、今国会では、「政治を変えたい」という国民の願いにこたえ、要求の実現に奮闘するとともに、その本格的実現には「二つの異常」――「対米追随」「財界・大企業中心」を正す改革が必要だということが明らかになっていくような論戦をしていきたいと表明。第25回党大会決定を縦横に生かした論戦を呼びかけました。
その上で、今国会の重要な課題を4点にしぼって提起しました。
第一は、深刻な経済危機から国民を守るという課題です。
志位氏は、「選ばれた企業のみに富が集中」(「新成長戦略」)している事実そのものは政府も認めざるをえなくなっており、論戦を通じて、大企業の内部留保という「最大の埋蔵金」を労働者派遣法の抜本改正など「ルールある経済社会」の構築で社会に還元させる必要があると強調。また、自公政権の社会保障削減路線がつくった「傷跡」をしっかり是正してこそ、国民に「本気で政治が暮らしを支えるために乗り出した」とのメッセージが伝わり、景気回復にも役立つと訴えました。
財源問題では、軍事費と大企業・大資産家優遇税制という「二つの聖域」にメスを入れ、「消費税増税反対の論戦とたたかいを大いにすすめよう」と呼びかけました。
第二は、沖縄の米軍基地問題の解決の道筋を明らかにしていく論戦です。
志位氏は、海兵隊は世界に殴りこむ「侵略力」であり、軍事同盟や軍事協定を結んでいる国でも基地を返還させた例はいくらでもあることを道理をつくして明らかにし、普天間基地の無条件撤去を迫ろうと提起。同時に安保条約をなくす合意をつくる大きな論陣をはっていきたいと表明しました。
第三は、「政治とカネ」をめぐる問題です。
志位氏は、民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入疑惑の核心は、4億円の原資にゼネコンからのヤミ献金が入っているのではないかという疑惑だと指摘。小沢氏には説明責任を、民主党には自浄能力の発揮を求めました。さらに小沢氏の国会招致など「国会としてもこの問題の真相究明の責任を果たす必要がある」と主張しました。
また、この問題の根っこには自民党政治の田中金脈、金丸金脈があると指摘。企業・団体献金と、政党助成金の撤廃を強く求めました。
第四は、官僚の答弁禁止など「国会改革」の名で「強権的国家づくり」をすすめる動きを許さないということです。民主党がマニフェストで掲げた衆院比例定数削減については、具体化の動きいかんにかかわらず、それを絶対に許さない論戦とたたかいをやっていきたいと決意を表明しました。
最後に、志位氏は、どんな問題でも、国民の願いに立ち、建設的な提言を前面に押し出しながら新政権の問題点をただし、「参院選挙躍進につながる国会にしていこう」と呼びかけました。