2010年1月17日(日)「しんぶん赤旗」

第25回党大会での

志位委員長の閉会あいさつ


 日本共産党第25回大会最終日の16日、志位和夫委員長がおこなった閉会あいさつは、次のとおりです。


(1)

 いよいよ本大会も最後の議事を迎えました。私は、選出された新しい中央委員会を代表して、第25回党大会の閉会のあいさつを申しあげます。

 この党大会は、自民党政権の退場という情勢の大きな前向きの激動が起こるもとで、日本共産党の進路を明らかにするとともに、それをになう体制をつくることを任務に開かれました。代議員・評議員のみなさんの奮闘によって、第25回党大会は、あたえられた任務を立派にやりとげ、歴史的情勢のもとでの歴史的大会として大きな成功をおさめることができました。(拍手)

 大会の成果は、全党の英知を結集して採択された大会決議に結実しました。今回の大会決議は、二重の意味で党の前進にとって大きな意義をもつものです。

 一つは、大会決議が、参議院選挙での躍進をはじめ、直面する党のあらゆるたたかいの指針となるということです。中央委員会報告でものべたように、「過渡的な情勢」のもとでの日本共産党の三つの任務は、それぞれが直面する政治闘争で、日本共産党の値打ちをおしだす中心点をしめすものともなっています。

 同時に、大会決議の意義は、直面するたたかいの指針にとどまるものではありません。大会決議は、2010年代の初めの年に開催された党大会の決定として、民主連合政府の樹立にむけて、中期的展望にたった党の活動方針を明らかにするものとなっています。それは、さきの総選挙で国民の力で開かれた「過渡的な情勢」と特徴づけられる「新しい時期」における党の任務を規定し、その任務をやりきるにふさわしい強大な党への発展を「成長・発展目標」という形で提起しています。それは、6年前の大会で決定された新しい綱領を、新しい情勢のもとで具体化したものにほかなりません。

 私たちは、この党大会で、綱領を土台にして、直面する党のたたかいの指針ともなり、同時に中期的展望にたった党活動の指針ともなる方針を確立したのであります。

 みなさん。この歴史的な大会決議を、一刻をあらそって全党員のものにしようではありませんか。そして、ただちに意気高い実践へと踏み出そうではありませんか。(拍手)

(2)

 党大会は、全党の先頭に立ってこの歴史的方針を実行する、新しい中央委員会を選出しました。新しい中央委員会は、先ほどご報告したように、新しい指導機構を選出しました。

 新しい中央委員会の構成は、従来のあり方を、思い切って見直すものとなっています。とくに、准中央委員については、将来性のある若い幹部、新しい幹部を大胆に抜てきしました。

 30歳代、40歳代前半の同志を中心に新たに35人が准中央委員に選出されました。女性を中央役員に抜てきし、その比重を高めることも、できるかぎり力をそそぎました。若い幹部のみなさんが、お互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、政治的にも、理論的にも、人間的にも成長し、党の未来をになっていくことが、強く期待されます。

 こうして、第25回党大会は、党の方針という面でも、それをになう指導体制をつくるという点でも、将来を展望して、重要な意義をもつ決定をおこなったのであります。

 私は、新しい中央委員会の責任者として、新中央委員会が、綱領と大会決定を指針に、広い国民のみなさんへの支持を広げ、支部と党員のみなさんにも信頼される、イニシアチブを発揮するために、知恵と力をつくしてがんばりぬく決意であります。(拍手)

(3)

 この大会の期間中に、未来を開く私たちの大会とは対照的な出来事が起こりました(笑い)。民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入疑惑に関連し、東京地検特捜部は、「陸山会」事務所や献金にかかわったとみられる大手ゼネコン「鹿島」などへの強制捜査をいっせいにおこないました。さらに、昨日、小沢氏の元秘書で「陸山会」の事務担当だった民主党の石川知裕衆院議員らが逮捕されました。

 政権党の幹事長の事務所が強制捜査され、元秘書の国会議員らが逮捕されるというのは、きわめて深刻な事態です。問われている疑惑は、政治資金収支報告書の虚偽記載の疑惑とともに、4億円の土地購入資金の原資の出所の疑惑です。土地購入と同じ時期などには、中堅ゼネコン「水谷建設」の関係者が、小沢議員のもとに1億円を届けたという疑惑が、「しんぶん赤旗」の取材で明らかになっています。土地購入資金の原資の一部は、ゼネコンからのヤミ献金だったのではないかという疑惑が問われているのです。

 小沢氏をめぐっては、この問題のほかにも、西松建設の偽装献金疑惑と「天の声」として公共事業受注に関与していたのではないかという疑惑、「新生党」と「自由党」を解党したさいの党の残余資金22億円――その多くの原資は政党助成金の処理をめぐる疑惑など、幾重にも深刻な疑惑が問われています。

 にもかかわらず、小沢氏は、国民への説明責任をいっさい拒否しつづけています。「国民も理解してくれたと思う。だからこそ、政権を与えてくれたのではないか」などと語っています。あぜんとする開き直りというほかありません(「そうだ」の声、拍手)。「陸山会」の土地購入疑惑は、総選挙後に明るみに出た疑惑ではありませんか。選挙後に明るみに出た疑惑について、選挙に勝ったことをもって「国民が理解してくれたと思う」などというのは、時空を超えた(笑い)荒唐無稽(むけい)ないいのがれというほかありません。(拍手)

 私は、小沢幹事長に、国民にたいする説明責任を果たすことを、きびしく要求します。また、民主党にたいして、党としての自浄能力を発揮して、疑惑を自ら明らかにし、国民に説明することを求めるものです。鳩山代表の疑惑もふくめ、党の2人の最高幹部の深刻な疑惑が問われながら、民主党内から、うんともすんとも、解明を求める声さえあがらないのは、異常というほかありません。(「その通り」の声、拍手)

 この疑惑は、公共事業という国民の税金が食い物とされた疑惑であり、また政党助成金という税金をめぐる疑惑です。この問題の解明抜きに、「税金の無駄づかいをなくす」といってもむなしいだけではありませんか。

 わが党は、疑惑の徹底究明のために、国会内外で力を尽くすことをここに表明するものであります(拍手)。同時に、それを自ら実行している党として、企業・団体献金の即時禁止、政党助成金の撤廃のためにがんばりぬく決意です。(拍手)

(4)

 閉会のあいさつの締めくくりへと話を戻します。この大会の成功は、代議員・評議員のみなさんの奮闘によるものであるとともに、各分野で献身的に働いていただいた多くの要員のみなさんによって支えられたものであります。私は、新しい中央委員会を代表して、大会を支えてくださったすべてのみなさんに心からの感謝をもうしあげるものです。(拍手)

 同志のみなさん。仕事にとりかかりましょう。大会決議の真価が問われる最初の政治戦は、7月の参議院選挙になります。このたたかいで必ず躍進をかちとり、2010年代を日本共産党躍進の歴史的時代としていくために、私たち大会参加者が、全党の先頭に立って奮闘することを、大会の最後にあたって固く誓いあおうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 以上で、第25回党大会の閉会のあいさつを終わります。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)