2010年1月5日(火)「しんぶん赤旗」

政治変革の「中身」が問われる年
――参議院選挙で必ず躍進を

「党旗びらき」 志位委員長のあいさつ


 日本共産党の志位和夫委員長が4日の「2010年 党旗びらき」でおこなったあいさつは次の通りです。


大会成功、参院選躍進へ――「党躍進特別期間」の運動を飛躍させよう

写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=4日、党本部

 みなさん、2010年、明けましておめでとうございます。CS通信、インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、新春にあたって心からのあいさつをおくります。

 私たちは、この新春を、第25回党大会を目前にひかえて迎えました。

 まず報告しておきたいのは、党大会にむけた「党躍進特別期間」のとりくみについてであります。

 昨年12月は、全党の大奮闘によって、11月に続いて、「しんぶん赤旗」日刊紙、日曜版ともに前進し、増減差し引きで5000人以上の読者を増やしました。12月に5000人以上の読者を増やしたのは、1993年以来で16年ぶりのことであります。12月に新しく迎えた党員は1149人と、党大会後2番目に多い月となりました。全党のみなさんの奮闘に、心からの敬意と感謝を申し上げるものです。(拍手)

 全党の活動の元気の源として大会決議案が大きな力を発揮しています。決議案を討論し、参議院選挙に「今度こそ勝ちたい、躍進したい」との思いで、みんなの気持ちが一つになったところで大きく前進しています。ある党組織では、これまでの国政選挙の教訓をつっこんで討論したところ、「『しんぶん赤旗』読者を増やさずに得票だけ増やすのは虫が良すぎる」との結論になり、一気に大会水準を突破するとりくみをおこなっています。

 国民との関係でも、決議案が大きな力を発揮しています。決議案を討論し、これまでになく広範な人々――農協関係者、林業関係者、医療関係者など、従来の保守とよばれる人々も含めて対話がどんどん広がり、新たに読者になってくださる方がつぎつぎに生まれていることも特徴であります。

 「躍進期間」の期日は1月末であり、党員拡大、読者拡大の党大会時点の到達は、1月末時点の到達が記録されます。すべての党員に大会決議案を届け切る仕事に、最後まで力をつくし、これをやりきって党大会を迎えましょう。「躍進期間」の運動を飛躍させ、とりわけ党勢拡大の目標達成に正面から挑戦し、さらに参院選挙にむけて、党勢の大きな上げ潮をつくりだそうではありませんか。そしてみなさん、半年後に迫った参議院選挙では、全党の力を一つに集めて、必ず躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

国民要求と「二つの異常」とのかかわりが、より「直接的な形」で明らかに

 昨年は、戦後の日本で反動政治の一貫した担い手となってきた自民党政権に退場の審判が下った歴史的な年となりました。日本の政治が一歩前に大きく動いた年となりました。

 今年は、政権の「担い手」が誰になるかではなく、自民党政治に代わる新しい政治の「中身」をどうすべきか――日本の“将来ビジョン”が、いよいよ正面から問われる年になるでしょう。国民の新しい政治への探求の対象は、誰を政権の「担い手」にすべきかから、新しい政治の「中身」をどうすべきかへと、大きく発展していくことになるでしょう。

 大会決議案では、「過渡的な情勢」のもとでの国民の探求の過程、認識の発展の過程と、日本共産党の任務について全面的に明らかにしています。決議案はそのなかで、「一方で、新しい情勢のもとで、運動と力関係のいかんで、国民要求が一定の範囲内で実現する条件が生まれている」としながら、「他方で、要求の本格的な実現には、なお、大きな障害があることが実体験されるだろう」とのべ、とくに「国民要求と『二つの異常』(――「異常な対米従属」、「大企業・財界の横暴」)とのかかわりが、これまでよりも直接的な形で明らかになってくるだろう」とのべています。

 国民の実体験をつうじて、国民要求と「二つの異常」とのかかわり、党綱領が示す日本改革の方針とのかかわりが、より「直接的な形」で明らかとなってくる。私は、今日は、このことに焦点をあてて、外交、内政で、今年、解決が強く迫られる熱い焦点の問題について、話したいと思います。

安保改定50年の年――米軍基地と日米安保の是非を国民的に問う

 まず米軍基地問題と日米安保体制についてであります。

 新政権は、普天間基地問題について、動揺と迷走を繰り返しています。沖縄県民の圧力におされて「年内決着」はできませんでしたが、5月までに「移設先探し」をおこなうという先送りの方針を「決定」しました。「決めない」という方針を「決定」するというのも、おかしな話でありますが、そういう矛盾のなかにあります。しかし、「移設条件付き返還」という方針にしがみつくことが、そもそもの間違いであり、この道には展望はないということを言わなければなりません。

「抑止力」という「呪縛」から解放され、無条件撤去で堂々と対米交渉を

 普天間基地についていえば、この危険な基地は、もともと無条件返還を求めるというのが、沖縄県民の強い願いでした。だいたい普天間基地も含めて、沖縄の基地の多くは、米軍が占領時に住民を強制的に収容所に囲い込んで、戦時国際法にも違反して無法に強奪した土地のうえに築いたものであります。無法に強奪したものは、無条件撤去が当たり前ではありませんか。それを1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で、「移設条件付き返還」としたことが根本的な誤りでした。この路線は、結局、基地がその後、13年にわたって動かなかったことで、すでに破たんが証明されたものであります。

 新政権は、「移設先探し」で迷走を続けています。下地島、伊江島への一部移設も検討されているとの報道ですが、言語道断であります。本土への移設も、いろいろと無責任な案がとりざたされていますが、苦しみはどこに移しても同じ苦しみであります。だからこそ、基地の苦しみを一番よく知っている宜野湾市民は、伊波市長の姿勢に示されているように、県内はもとより、県外移設も望んでおらず、撤去こそ求めているのであります。無条件撤去で沖縄県民が団結し、本土が連帯してこそ、解決の道は開かれるということを、強調したいと思います。

 わが党が、昨年12月の鳩山首相との党首会談で、それを正面から求めると、首相は、「安全保障、抑止力という問題がある。無条件撤去は難しい」といいました。しかし、海兵隊は、日本の平和と安全のための「抑止力」として必要だ――この「呪縛(じゅばく)」にとらわれている限り、日本側がその「移設先」を提案しなければならないという袋小路に陥ってしまいます。これでは解決の道は決して開かれません。

 海兵隊は、平和のための「抑止力」でなく、戦争のための「侵略力」です。この事実を直視し、「抑止力」という「呪縛」から解放されて、無条件撤去の立場で、米国と堂々と交渉してこそ、解決の道が開かれるのであります。(拍手)

保守の立場の人々からも、安保条約の是非を問い、「激論が起こる」という声が

 こうして沖縄の基地問題は、日米安保の是非を問うことに「直接的な形」でつながってきています。

 昨年12月、沖縄の嘉手納町を訪問したさい、宮城町長は、私に、「沖縄県民の負担軽減」をうたった2006年の「日米合意」はうそ偽りだった、嘉手納基地では、世界各地から米軍機が自由勝手に飛来し、「負担軽減」どころか、ひどい負担強化が起こっているということを、怒りをこめて告発し、こういいました。「来年は安保改定50年。この節目のときに、わが国の安全について、全国民が真剣に議論する必要がある。安保条約の是非に関する新たな議論を国会の中で巻き起こしてほしい」。保守の立場の町長さんからも、安保条約の是非をおおいに議論してほしい、という声が出されたことを、私は、たいへん印象深く受けとめました。

 中曽根元首相は、昨年12月28日付の日本経済新聞のインタビューで、「来年は日米安保条約改定50周年だ。維持か、改革か、廃止か。激論が起こるだろう」とのべました。「廃止か」というのも、ちゃんと入っているんですね。日米安保条約を永久化すべきだという立場の政治家からも、「廃止」も含めて「激論が起こるだろう」という声が聞こえてきます。「期待」にこたえて、おおいに「激論」を起こそうじゃありませんか。(拍手)

 日米安保条約改定50周年の節目の年にあたって、訴えたい。あらゆる分野で、世界でも異常な対米従属の実態を告発し、それをただすたたかいをすすめましょう。そのなかで日米安保条約そのものの是非を問う国民的な大議論を起こし、この年を、安保廃棄の多数派をつくるうえでの、一つの大きな画期となる年とするために、おおいに力をつくそうではありませんか。(拍手)

「基地のない沖縄・日本」をめざし、国民的な一大闘争を

 とくに私は、そのなかで、「基地のない沖縄」「基地のない日本」をめざして、沖縄と本土が固く連帯し、国民的な一大闘争を起こすことを心から呼びかけます。

 12月の党首会談で、首相は、普天間基地の無条件撤去について、「日米合意があるから難しい」ともいいました。しかし、そんなことは決してありません。

 もともと、1972年の沖縄の本土復帰は、条約上は不可能の壁を超えたたたかいでした。すなわち、1951年のサンフランシスコ条約第3条では、日本は沖縄の施政権を米国に渡すことを決めており、条約的には本土復帰の根拠となるものはありませんでした。それを可能にしたのは、沖縄県民の「島ぐるみ」のたたかいと、それに固く連帯した本土のたたかいでありました。

 米国政府が公開した沖縄返還交渉における一連の秘密文書があります。それを読んでみますと、どんなに米国が県民世論と国民世論を恐れていたか、それらに追い詰められていく姿が生々しく伝わってきます。

 1965年の5月と7月に、ライシャワー駐日大使(当時)から、本国国務省あてに電報やメモが送られています。そこには、“いま日本の情勢はたいへんなことになっている”という訴えが書かれています。沖縄返還をもとめる「島ぐるみ」のたたかいが広がり、本土ではベトナム侵略戦争反対のたたかいが起こっている。このことがのべられ、沖縄の施政権を返還する検討が必要になってきたと報告されています。それをうけて、同年9月、ラスク米国務長官(当時)からマクナマラ米国防長官(当時)に送られた書簡では、「われわれは、正しく対処しなければ米国の利益を危険にさらすことになるような日本の情勢変化に直面している」として、沖縄の施政権返還の検討が必要だとの立場が表明されています。一連の文書を見ますと、同じ年の12月に、米国の軍部――米統合参謀本部は、沖縄返還を「時期尚早かつ非現実的」とのべて、激しく抵抗しています。こういうせめぎあいが、米国の指導層の内部でもあったのです。

 しかし、沖縄と本土の圧倒的な日本国民の力に押され、「核持ち込み」の密約など数々の問題を残しつつも、ついに沖縄の本土復帰は実現しました。沖縄県民が「島ぐるみ」で団結し、本土と固く連帯してたたかい、米国を、ラスク氏の言葉でいえば、「正しく対処しなければ米国の利益を危険にさらす」というところまで追い詰めるならば、不可能に見えた条約の壁も乗り越えることができた。こういう力を持っている。団結すれば発揮できる。この力に確信をもって、今年を、沖縄と本土の連帯したたたかいで、「基地のない沖縄」「基地のない日本」にむかう大きな歴史的転機の年にしようではありませんか。(拍手)

「ルールある経済社会」への改革こそ、経済危機打開の最良の“戦略ビジョン”

 いま一つの問題は、今日の深刻な経済危機と「ルールある経済社会」というわが党の改革の方針についてであります。

 現在、雇用情勢も中小企業の経営も、いよいよ深刻な状態に落ち込んでいます。年末・年始の「公設派遣村」の実態は、「雇い止め、派遣切りで、去年よりも相談内容がはるかにきびしい」という状況であり、ひきつづく失業者への支援への抜本的拡充が必要であります。この経済危機からどうやって国民の暮らしを守るか。経済と暮らしを立て直す“経済戦略のビジョン”が、避けがたい大問題として問われています。

労働者の所得は大きく落ち込み、大企業には巨額の内部留保が積みあがった

 私たちは、今日の世界経済危機の性格を、「金融危機と過剰生産恐慌の結合」ととらえていますが、日本で起こっていることもまさに「過剰生産恐慌」にほかなりません。それは政府自身も、需要と供給のギャップが約40兆円と、日本のGDP(国内総生産)の1割近くに達すると認めているとおりであります。

 需要をここまで落ち込ませた原因はどこにあるのか。労働者の所得が奪われたことにあります。雇用者報酬は、1997年の280兆円から、2009年には253兆円へと、27兆円も落ち込みました。とくに最近の1年間では、たったの1年で約10兆円も落ち込みました。所得を奪った原因は明瞭(めいりょう)です。労働法制の規制緩和をすすめ、大企業が労働コストの削減競争に走り、正社員を非正規雇用労働者に置き換え、過酷な賃下げとリストラをすすめ、そして世界経済危機にさいしては残酷な「非正規切り」を競い合ってきたことが、今日の深刻な事態をつくりだしたのです。

 それでは労働者から吸い上げた金はどこにいったか。企業の内部留保は、この10年間で急増し、約200兆円から約400兆円へと2倍になりました。その半分の約200兆円は大企業がため込んだ内部留保であります。大企業が空前の利益をあげても、それは巨額の内部留保となって積み上げられ、国民の暮らしに回らない。国民の暮らしは豊かにならず、家計と内需は土台からやせ細る。そうした日本経済のゆがみともろさが、世界経済危機にさいして一気に噴き出し、最も残酷な形で猛威をふるっている。これがいま起こっている事態であります。

経済危機に対する国の経済政策はいかにあるべきか――二つのカギがある

 こうした今日の経済危機の性格、原因をふまえれば、国の経済政策はいかにあるべきか。おのずと明らかになってきます。

 私は、その重要なカギはつぎの二つにあると考えます。

 一つは、大企業がため込んだ巨額の内部留保を、雇用、中小企業など、社会に還元する政策をとることです。「埋蔵金」というならば、ここにこそ暮らしにつかうべき最大の「埋蔵金」があるではありませんか。そこに手をつけずに、多少の財政支出をしたところで、40兆円という需給ギャップを埋めることは到底不可能です。そして、それをやるためには、ルールをつくることが必要です。最低賃金の抜本的引き上げ、労働者派遣法の抜本改正、中小企業の下請け単価の引き上げなど、「ルールある経済社会」への改革が急務になっていることを強調したいと思います。

 二つは、この間、国民の生活危機に追い打ちをかけた、自公政権による毎年2200億円の社会保障費削減路線がつくった「傷跡」をすみやかに元に戻すことです。後期高齢者医療制度の撤廃、障害者自立支援法の応益負担の撤廃、生活保護の母子加算と老齢加算の復活、医療費窓口負担の軽減などにとりくむことです。これらに政府が、ただちにとりくむことは、「政府が国民の暮らしを直接支える方向に政策転換をおこなった」という強力なメッセージとなり、国民の将来不安をやわらげることに貢献することになるでしょう。

 この二つが、まずはカギになってくると思います。すなわち、私たちが提唱している「ルールある経済社会」を築くことこそが、経済危機打開の処方せんともなります。“経済戦略のビジョン”というなら、これこそ、最良かつ緊急の“戦略ビジョン”だということを私は強調したい。これを実行させるためのたたかいを、国民運動の各分野でおおいに発展させようではありませんか。(拍手)

新政権に「経済戦略」なし――根本には大企業・財界の要求に屈する姿勢が

 それでは、新政権の対応はどうか。鳩山政権は、「成長戦略がない」と批判され、12月30日に、あわてて「新成長戦略」なる文書を発表しました。しかし、そこには「こうあってほしい」式の「経済成長」の願望の数字が並んでいるだけで、それを実行する裏付けも、方策も示されていません。まさに机上の空論というほかないもので、とても「戦略」とよべるものではありません。

 まず、なによりも、大企業にいかにして社会的責任を果たさせるかという見地がまったくみられないのが問題です。政府は、労働者派遣法の改正案を通常国会に提出するとしていますが、その実施は3年から5年先にするといいます。しかし、いま、現場はどうなっているか。大手自動車、電機メーカーは、エコカー、エコポイントなどによる一時的な増産体制を、またもや非正規雇用労働者でまかない、期間が切れたら再び「非正規切り」をすすめようとしています。NTTでは、契約社員を大規模に派遣労働者に切り替えるという暴挙を強行しようとしています。こうした実態にてらせば、派遣法改正は文字どおりの急務であり、実施の先送りは財界・大企業の要求に屈したものといわなければなりません。わが党は、労働者派遣法の改正を掲げながら、その実施を先送りする動きにきびしく反対します。労働者派遣法のすみやかな抜本改正とともに、すみやかな実施を強く求めます。そして、法改正にあたっては、登録型派遣、製造業派遣の禁止、「みなし雇用」の義務づけなど、「使い捨て」労働をなくすうえで真に実効あるものとするために力をつくす決意であります。

 社会保障費削減路線がつくった「傷跡」を元に戻すという点でも、新政権のとりくみには大きな問題があります。後期高齢者医療制度の撤廃を4年先に先送りする方針が、怒りを広げています。今年4月には、全国で、大幅な保険料引き上げが、住民生活を襲おうとしています。障害者自立支援法による応益負担も、300億円あれば大多数の障害者(住民税非課税)の分を廃止できると言っていたのに、その3分の1しか予算をつけず、中途半端に残そうとしています。生活保護の母子加算復活は国民のたたかいによる前進ですが、同じ理屈で削られた老齢加算の復活には耳をかそうとしない。どれも、先送りや中途半端の対応が特徴です。新政権が、社会保障削減から拡充への抜本的転換に踏み切れないのも、企業の社会保険料負担を減らしたいという財界・大企業の要求に屈したものといわなければなりません。わが党は、後期高齢者医療制度の即時撤廃をはじめ、「構造改革」による「傷跡」を、すみやかに元に戻せ――この国民要求の先頭にたって、がんばりぬく決意を申しあげるものであります。(拍手)

 新政権は、財源問題でも袋小路に陥っています。政府の来年度予算案は、44・3兆円もの巨額の借金と、8兆円もの「埋蔵金」頼みの予算になりました。「埋蔵金」は、何度も使えるものではありません。次年度の予算はもはや組めない、先行き真っ暗の予算案となりました。なぜこうなったか。軍事費は増加、大企業・大資産家優遇税制は温存という、「二つの聖域」に手をつけないという姿勢をとったからであります。この姿勢をあらためないかぎり、今回見送られた配偶者控除の廃止、成年扶養控除の廃止、そして消費税増税など、庶民大増税にゆきつかざるをえません。ここでも旧来の路線の根本的転換が求められているのであります。

国民のたたかいの力で、「ルールある経済社会」への前進を刻む年に

 経済危機から国民の暮らしを真剣に守ろうとすれば、どんな問題でも「大企業・財界の横暴」という障害にぶつかります。新政権が、国民の要求に押されて部分的には前向きの施策をとっても、経済危機から暮らしを守る“経済戦略のビジョン”が持てないのは、この障害を打破する立場をもっていないからにほかなりません。

 みなさん。国民のたたかいの力で、この障害を打破し、今年を「ルールある経済社会」にむけて前進の一歩を刻む年にしていこうではありませんか。(拍手)

2010年代を日本共産党躍進の歴史的時期に

 今年、熱い焦点となる問題についてのべてきましたが、外交でも、内政でも、国民要求と「二つの異常」との関係が、こんなに「直接的な形」で見えやすくなっているときはありません。

 これまで情勢の深部で蓄積されてきた国民の利益と「二つの異常」との矛盾が、自民党政権の崩壊にともなって、情勢の前面にあらわれ、噴き出している。これがいまの状況です。私たちが力をつくすならば、党綱領がさし示す日本改革の方針を、広い国民のものとし、党躍進をかちとる大きなチャンスが、目の前に広がっているのであります。

 この歴史的なチャンスを、躍進にむすびつけようではありませんか。目前に迫った党大会を大きく成功させ、半年後に迫った参議院選挙では、必ず躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

 そして、この政治戦での勝利を第一歩として、決議案がよびかけているように、今年からはじまる2010年代を、「党躍進の歴史的時期」にしようではありませんか。そのためにも、党づくりに執念を燃やし、「2010年代を党建設の面でも、歴史的前進を党史に刻む時代」にしようではありませんか。

 そのことを年頭にあたって呼びかけて、新年のごあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)