2009年8月27日(木)「しんぶん赤旗」
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衆院選九州・沖縄比例2議席押し上げのため26日沖縄入りした、日本共産党の志位和夫委員長は、街頭演説の前に、さきの太平洋戦争で米軍に撃沈された学童疎開船・対馬丸の記念館を訪問し、生存者の一人で、対馬丸記念館の高良政勝会長と懇談しました。
対馬丸事件は、終戦の前年1944年8月、戦火を逃れて長崎に向け集団疎開しようとした学童780人を含む1788人を乗せた対馬丸が那覇港を出港後の翌日に、米軍の魚雷によって撃沈された事件です。
志位氏は、対馬丸記念館であいさつを受けた高良会長とともに、最初に対馬丸事件を映像にした「海よ、いのちよ。」を視聴。氏名が明らかになっている犠牲者1418人を掲げた「みんな、おかえりなさい」のコーナーなどをじっと見入りました。高良さんは、助かった児童は59人だけで生存率7%は、5割が生存した兵隊に比べて低いと、話しました。
壁一面に亡くなった児童の写真をあいうえお順に飾っているコーナーで、た行の壁に立ち止まった高良さん。犠牲になった兄姉の写真を志位氏に説明しながら、「写真をみただけでいまも涙が出て…。戦争の悲惨さですね」というと、「元気にいれば、豊かな人生があったのに」と応じました。
終わりに、志位氏は「間違ってひきおこした侵略戦争の犠牲が一番弱い子どもにしわ寄せられると。こんな残酷なことはない。二度と戦争は繰り返してはいけないと改めて思いました」と結びました。