2009年8月27日(木)「しんぶん赤旗」

沖縄基地問題

SACO合意路線を共産党躍進で白紙に

志位氏会見


 日本共産党の志位和夫委員長は26日、遊説で訪れた那覇市で記者会見し、沖縄との関連で「米軍再編」の三つの大問題を告発するとともに、総選挙で躍進し、「基地のない沖縄」をめざし奮闘する決意を表明しました。

 志位氏が指摘した問題の第一は、「米軍再編」では、沖縄米海兵隊のグアム「移転」の条件として、名護市辺野古沖へ海兵隊新基地を建設する、つまり、「移転」と新基地建設がパッケージとなっていることです。

 第二は、日米両政府がいう「沖縄県民の負担軽減」はうそ偽りだということです。志位氏は、沖縄の海兵隊1万8千人のうち8千人をグアムに移すというが、現在、実際に駐留しているのは1万2千人と指摘。減らすのはわずか2千人、1万人の戦闘部隊は残す計画となっていることを厳しく批判しました。

 第三は、とめどない税金投入の問題です。グアム「移転」の日本側費用負担の6千億円はいったん払いだしたらとまらず、(再編全体で)3兆円にもたっすると述べ、断固反対の立場を表明しました。

 志位氏はそのうえで、現在の「米軍再編」合意の土台に、米軍基地の「県内たらいまわし」を決めた1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意があり、これが「再編」合意に引き継がれ、具体化されてきたと強調。「この枠組みそのものを見直す必要がある」「SACO合意の路線がいま、大きく破綻(はたん)しているというのがこの13年間の決算であり、この路線を白紙にする、つまり、基地の無条件撤去という立場にたたなければ解決しない」と力説しました。

 さらに、「この問題は新政権が民主党政権になった場合に厳しく問われてくる」と指摘しました。23日の民放党首討論で、米軍普天間基地の「県外移設」を表明した鳩山由紀夫代表に対し、志位氏が「そういうならSACO合意の路線を白紙に戻すべきだ。そういう立場で米側と交渉する決意があるか」とただしたところ、鳩山氏は「米国との話し合いで、その必然性が出てくるかどうかだ」と述べ、SACO合意の路線、「県内たらいまわし」路線との決別を提起する立場は示さなかったことを紹介。「ここに民主党の基地問題での大きな弱点があるといわざるを得ない」と述べました。

 志位氏は「こういう問題一つとっても、私たち日本共産党が今度の選挙で躍進して、民主党政権ができた場合に、『県内たらいまわし』という一連の合意を白紙に戻して、無条件撤去という方向で強力に交渉すべきだということを提起することが大事であり、そういう訴えを最終盤、大いにやっていきたい」と表明しました。