2009年7月7日付「しんぶん赤旗」に掲載
「都議会で『二つのゼロ』実現のために働かせてください。押し上げてください」。東京都議選、定数2の文京区で日本共産党の小竹ひろ子候補=現=は、福祉切り捨てを進めてきた自民、民主に議席を渡せないと、気迫の訴えで支援を広げています。(田中 一郎)
志位和夫委員長を迎えた4日の街頭演説。小竹候補が「二つのゼロ」(区立・認可保育園増設で待機児童ゼロと75歳からの医療費ゼロ)の実現に力を込めると、大きな拍手が送られました。
娘の美穂ちゃん(9)と聞いていた島元町子さん(40)=会社員=。「家から歩いて2分のところに保育園があるのに、入れなくて苦労したことがありました。小竹さんに勝ってもらい、保育園をたくさんつくってほしい」と話します。
文京区は、マンション急増で子育て世代が急増し、認可保育園に入れない子どもが212人もいます(2009年度)。75歳以上のお年寄りの有権者比率が11・3%と高く、高齢者医療費の負担軽減も切実です。
小竹候補を先頭に党と後援会は「二つのゼロ」実現の署名活動をスタートさせました。お寺の住職からも「署名用紙を届けてほしい」と党区議宅に電話がありました。約1カ月で3395人が署名しました(1日現在)。
自民党の中屋文孝候補=元=は、実行すれば「財政の破綻(はたん)は目に見えてます」(「自由民主」号外2日付)と「二つのゼロ」を攻撃し、住民の願いを抑えにかかる態度です。
財源論を交えて、「二つのゼロ」は選挙の争点となっています。
“東京都の予算規模はスウェーデンの国家予算なみの総額13兆円。1メートル1億円もかかる大型道路建設をやめれば、実現は十分可能です”と、小竹さんと支持者はきっぱり反論して対話に力を入れています。
住民の願い実現のためトコトン奮闘してきた小竹候補には豊富な実績があります。地元の日本共産党と後援会は「都民にとって絶対に失ってはならない議席だ」と訴えています。
東京都が、築地市場の移転先としている東京ガス工場跡地(江東区豊洲)から海に流れる排水をひしゃくでくみ取り調査(2007年)したのが、小竹さんでした。移転先の地下水まで有害物質で汚染されている事実を突き止めたものです。日本環境学会元副会長の坂巻幸雄さんは「この調査は、移転反対運動の広がりに貢献した重要な柱の一つだった」と振り返ります。
本郷・湯島党後援会の石井彰事務局次長(67)=出版社社長=は、この実績を電話で語っています。ある年配の女性は「築地移転だけは許せない。孫子の代まで面目が立たなくなる。共産党を応援したことないけど、今度だけは入れる」と約束しました。
石井さんは「私は電話で訴えるのは嫌いだが、やり始めるとドラマがある。やめられなくなるんだよ」といいます。
前回の都議選では自民・保守派の分裂で共倒れした自民党は、候補者を一本化し、告示日の3日には麻生太郎首相が応援。「23区で唯一自民党の議席のない文京区で議席奪還を」(中屋候補)と総力を挙げています。
民主党の増子博樹候補=現=は「民主党は知事提案を是々非々で対応する」と、石原知事提出議案に99・3%賛成してきた与党なのに、野党ポーズです。
日本共産党の候補応援で初めてマイクを握って訴えた本郷5丁目町会の松本清会長(85)はいいます。
「都政も国政も、長い間社会に貢献してきたお年寄りへの愛情が感じられない。小竹さんは、困っている都民がいたら行動してくれる。その姿勢は、ほかの候補とは違う。『炎の女(ひと)』だ。ぜひ当選して、愛情のある政治をつくって、街を明るくしてほしい」