2009年6月28日(日)「しんぶん赤旗」

共産党のばせば都政は必ず変わる

自公民「オール与党」に対決

都議選目前 志位委員長が訴え


 東京都議会議員選挙の告示(7月3日、投票日12日)前の最後の土曜日となった27日、日本共産党は志位和夫委員長が新宿、板橋、足立各区で、市田忠義書記局長が多摩市、世田谷区で街頭演説し、「日本共産党がのびてこそ希望と安心の持てる政治が切り開けます」と熱く党候補の必勝を訴えました。日本共産党支部・後援会は「いま政治にどんなことをお望みですか」と相手の願いを聞き、支持を広げるとともに、ビラ配布、ハンドマイク宣伝などにとりくみました。


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(写真)都議選必勝の街頭演説をする志位和夫委員長(左から2人目)と(右へ)大島よしえ都議予定候補、渡辺康信都議=27日、東京都足立区

 志位委員長は、演説の冒頭、都議選の意義について、都民の暮らしがかかった選挙であり、国政の流れを大きく左右する選挙だと強調しました。

 そして、都政での政党対決の構図について、「『自民か、民主か』ではありません。自公民『オール与党』か、日本共産党かが本当の対決軸です」と力説。民主党について、石原知事の提案の99・3%に賛成する“立派な与党”で、破綻(はたん)した新銀行東京についても、設立時に「夢とロマンの持てる新銀行」と絶賛しておきながら、いまになって「都政史上最悪の失策」などと「野党ポーズ」をとる不誠実さを厳しく批判しました。

 都議選の争点に切り込んだ志位氏は、「住民の福祉と暮らしを守る」という自治体の本業が、経済危機のもとでいよいよ大切だと強調。これに冷たく背を向ける「オール与党」都政の実態を、高齢者福祉、医療、教育の問題で怒りを込めて告発し、75歳以上の医療費無料化、都立病院存続、30人学級実現など、日本共産党の政策を正面から訴えました。

 とくに力を込めたのは、いずれの問題でも、都議会での日本共産党の論戦と住民の運動の力で「オール与党」を追い込んでいることです。

 高齢者福祉では、日本共産党が総務省統計局の公式データをもとに「全国最下位」と告発しているのにたいし、公明党が「全国一の東京の福祉」などとうその言い訳までせざるをえなくなっています。医療では、小児病院つぶし条例に、「いずれは廃止」としている民主も反対せざるを得なくなっています。教育でも、30人学級を求める請願を、民主は委員会では不採択にしましたが、本会議では不採択に反対と大動揺しています。

 志位氏は財源の問題でも、東京都は13兆円というスウェーデン並みの財政規模を持ち、ため込み金も1・6兆円あると述べ、外郭環状道路などオリンピックを看板にした巨大開発の無駄をやめれば、福祉を立て直すことは十分できると強調。自公民が、無駄づかいを正すといいながら、「議員視察」という名の豪華海外旅行は「やめる」といわないことを挙げ、「自分の無駄づかいを正せない党に、都政の無駄づかいは正せない」と訴えると、指笛と「そうだ!」の声が響きました。

 都議選が「国政の流れを大きく左右する」ということでは、「政党の値打ちを丸ごと見てほしい」「どの党が暮らしを守り、政治に筋を通す政党か、ぜひ事実で見極めていただきたい」と力を込めました。

 志位氏は、それをはかる“簡単な試金石”として四つの点、(1)消費税に頼る党か、頼らない党か(2)財界にモノを言える党か、言われる党か(3)企業・団体献金に頼る党か、きっぱり拒否する党か(4)「二大政党」の間違った政治の競い合いにストップをかけるのはどの党か――を挙げ、どの問題でも日本共産党を伸ばすことこそ、国民の利益にかなった新しい政治への道を切り開くと述べました。

 志位氏が最後に、あらためて高齢者福祉復活、病院つぶし撤回、30人学級実現などで「あと一歩」まで追い詰めていることを力説し、「共産党を伸ばせば都政は必ず変わります」と訴えると、どこでも大歓声と割れるような拍手が起こりました。