2009年6月21日(日)「しんぶん赤旗」

“安心と希望”の選択肢

東京・中野 志位氏、党躍進訴え


 「どん底のこの国を希望が持てるようになんとかしてほしい。お願いします」(演説を聞いた36歳女性)――。日本共産党の志位和夫委員長は20日、東京の中野駅北口前で、都議選と、連続して行われる総選挙での支援を訴えました。

 駅前の花壇の縁に腰掛けてじっくり話を聞く人たち、通りがかりで足を止めた人たちなど聴衆の輪が二重三重に広がり、バス待ちの人たちも耳を傾けました。演説前に聴衆と握手した志位氏に、「平和をずっと守ってきた共産党に期待しています」と涙ながらに訴える女性の姿も――。

 志位氏が「『自民党には不満、民主党には不安』―これがみなさんの声ではないでしょうか」と切り出すと、「そうだ」の声が。「“安心と希望”の選択肢が、日本共産党です」と力を込めると、歓声と大きな拍手が起こりました。

 志位氏は、“安心と希望”の中身――21世紀の日本の「進むべき道」として(1)「ルールある経済社会」を築く(2)自主・自立の平和外交へ転換する―という「二つの旗印」を力強く訴えました。

 この中で、税制について、「自民も民主も財源というと消費税しか思いつかないのは、軍事費にも、大企業・大金持ちへの(優遇)税制にも手をつけないからです」と強調。日本共産党は、軍事費、わけても米軍への「思いやり予算」にメスを入れ、大企業などにも応分の負担を求めると表明し、「今度の選挙ではどうか安心して消費税反対の声をあげていただきたい」と訴えると、大きな拍手に包まれました。

 西松建設違法献金事件の初公判では、小沢一郎事務所が公共事業に「天の声」を出して、その見返りに献金を受けていたとされていることを指摘。「事実なら事実上の収賄だ。民主党は『ノーコメント』というが、反論も説明もしないのは、政党として無責任。企業献金をビタ一文受けとらない日本共産党を暮らしの守り手として頑張らせていただきたい」と力を込めました。

 都政問題で志位氏は、自民・公明だけではなく、民主も含む石原知事の「オール与党」が、巨大開発に熱中し、都独自の福祉施策を残酷に切り捨ててきたことを厳しく批判。「自公民に都政の明日を語る資格はない」と力説した志位氏が、「医療費については、65歳以上の窓口負担を減らし、75歳以上は無料に。一番ひどく削られた高齢者福祉から東京の福祉を取り戻しましょう」と訴えると、「よし」の声と盛んな拍手が起こりました。

 最後に志位氏は日本共産党が躍進すれば、(1)国民の願いを実現する「リード役」を果たす(2)「二大政党」による悪政の危険に対して「ストップ役」を果たす(3)民主的政権に向けた国民的共同を探求・前進させる―という「三つの仕事」にとりくむと表明しました。

 5期目を目指す植木こうじ都議と、谷川智行・衆院東京比例候補らが決意表明し、大きな拍手に包まれました。

 通りがかった法律事務所員の女性(32)は、「いままで民主党支持でしたが、演説で都議会与党だと知って驚きました。夫と2人暮らしですが、将来子どもができたら小児病院や保育園が心配。共産党も選択肢に入りました」と語りました。

 盛んな拍手を送っていた通訳の延原和子さん(56)はいいました。

 「これまで共産党には一党独裁のイメージもありました。でも、志位さんが新しい国会で『リード役』を果たすと話されて、この党なら間違いないと確信しました。私たち庶民のためにどうしても躍進してほしい」