2009年4月19日(日)「しんぶん赤旗」

国土・環境を守る役割 国は思い切った対策を

山梨・身延 志位委員長が訪ねる

山あいの集落で懇談


 過疎の進む集落の暮らしをどう守るか―。日本共産党の志位和夫委員長は十八日、山梨県南巨摩(こま)郡身延(みのぶ)町のお年寄りが多数を占める山あいの集落を訪問し、六人の住民から交通手段の確保や福祉の充実など要望を聞きました。住民から「山奥までよく来てくれた」と温かく迎えられ、「ざっくばらんな調子で話をよく聞いてくれて驚いた」と感想が寄せられるなど笑顔の絶えない懇談となりました。


地図

 訪問したのは、谷ぞいの急斜面に人家が並ぶ杉山地区。三つの集落で構成される同区は人口三十一人、八割超が六十五歳以上のお年寄りで中学生以下の子どもはいません。廃屋や耕作放棄地も目立ちます。志位氏に集落の実態を伝えたいと、住民らはいすを持ち寄って集まりました。

 志位氏は冒頭、人が住まなくなれば地域は荒廃するとして「みなさんが頑張って生活されていることが国土と環境を守る重要な役割を果たしている」と強調。「(集落の暮らしの)良いところもお困りのところも率直にご意見をお聞かせください」とあいさつしました。

 八十三歳の女性は美しい四季の移ろいとおいしい水がこの地域の誇りと述べたあとで、「うちの集落で車を運転できるのは二人だけ。日常生活の足がなく困っている」と話します。志位氏は真剣な表情でメモを取りながら「公共交通の整備が大事ですね」と応じました。

 八十二歳の男性は「行政は『金がない』しかいわず道路整備に手をつけない。いまどき救急車の入れない地域があるか」と憤りを語りました。うなずきながら聞いた志位氏は「政府の十五兆円の経済対策も大型開発が中心。高速道路にまわす金があるならまず生活道路をやるべきです。その方が経済効果も大きい」と述べました。

 参加者は「昔は集落の下に水田が広がっていたが政府の減反政策でみんな逃げ出してしまった」「年金が低すぎて暮らせない」と次々と窮状を訴えました。

 志位氏は、集落再生の取り組みとして京都府綾部市の「水源の里条例」を紹介。これを発端に百四十六市町村が全国水源の里連絡協議会を設立し、国も水源の里保全に予算をつけたと示し、「国が思い切った対策を打ち出すべき時期にきている」と力説しました。

 「話があるというから来てみた」と会場に一番乗りした男性(80)は「集落をダメにしたのは自民党の政治だし、民主党もいいかげんだ。共産党が一番えらいと実感した」と話していました。

 懇談には日本共産党の、はたの君枝、えんどう昭子両衆院南関東比例予定候補、渡辺文子身延町議が参加しました。