2009年3月31日(火)「しんぶん赤旗」

志位委員長、李長春中国共産党中央政治局常務委員と会談


 日本共産党の志位和夫委員長は三十日、都内で、李長春・中国共産党中央政治局常務委員と会談しました。志位氏が「李常務委員の日本訪問を歓迎します」とのべると、李氏は「胡錦濤総書記からくれぐれもよろしくとの言葉を預かってきました」と応じました。


日中両党関係と理論交流

写真

(写真)李長春中国共産党中央政治局常務委員(左)と会談する志位和夫委員長(右)=30日、憲政記念館

 志位委員長は、胡錦濤中国共産党総書記へのあいさつを託し、昨年五月の胡錦濤氏との会談で、両党の関係正常化後の十年の発展にたって、今後の十年を展望し(1)日中両国関係の発展に両党が寄与する(2)世界とアジアの平和のために協力しあう(3)条件は異なるがともに社会主義・共産主義を目指す政党として交流する―という三点で両党関係をより高いレベルに発展させることで一致したと発言しました。

 そのうえで、四月下旬には中国共産党中央委員会の招待に応じて、不破哲三社会科学研究所所長が「現在の国際経済危機とマルクス主義(科学的社会主義)」を主題とする理論交流のために訪中する予定になっているが、「日本共産党は、今回の不破所長の訪中をきわめて重視し、実り多い成果があがることを願っています」と語りました。

 李長春氏は、「私たちは不破社研所長の今回の訪中をたいへん重要視しており、今回の理論交流では日本共産党の理論研究の最も新しい成果が示されるものと考えています」と期待を表明しました。また、昨年が両党の関係正常化十周年の年だったことに触れ、この間の両党関係の発展が日中両国関係の発展に大きな貢献を果たしたとのべるとともに、とりわけ昨年の四川大地震の際には、「日本共産党がさまざまな方法で支援募金をすすめ、志位委員長自ら二度も在日中国大使館を訪れていただき感謝しています。その厚情をしみじみと感じています」と語りました。さらに、李氏は、「志位委員長の訪中が実現することを心から期待しています」とのべました。

国際経済危機への対応

 志位氏は、今日の国際経済危機は、各国人民の生活を苦難に陥れ、それを打開するとりくみが求められるが、同時に、これは大局的に見れば社会進歩をめざす運動にとって歴史的な転機となりうる出来事だとのべ、資本主義の国々と社会主義をめざす国々との間でも、危機への対応能力、打開能力が問われていると指摘。中国は、改革・開放から三十年余たった今、経済発展の中で生まれてきた格差や環境などの諸問題をリアルに見てその打開をはかる、科学的発展観、和諧(わかい)社会という方針に取り組んでいるが、現在の危機のなかでこの方針が力を発揮し、成功することを願っているとのべました。

 李氏は、改革・開放から三十年が経過したが、この理論的な突破点は、社会主義市場経済という体制をつくるという立場に到達したことだったと発言。市場を社会主義の基本的制度とうまく結びつけ、公有制を中心としたさまざまな所有形態をもつ混合型をもとにすること、資本主義的市場経済のマイナス―市場の無政府的動きや周期的危機―を抑制する機能を強化すること、などが社会主義市場経済の基本的特徴だと説明しました。

北朝鮮ロケット発射問題

 志位氏は、最後に、「東アジア地域の平和と安定についての日本共産党の立場をお伝えしたい」とのべ、北朝鮮のロケット発射問題について、「北朝鮮に、緊張を激化するいかなる行動も自制すべきであると要求しています。同時に、外交的解決の努力をつくさないまま、軍事的に身構えるという日本政府の対応も外交的解決の努力を台無しにするものです」とのべました。李氏は、「中国政府は、北朝鮮に対し慎重で自制した対応を求めています。六カ国協議の枠組みでの外交的解決が大切です」と表明しました。

 会談には、日本共産党から市田忠義書記局長、緒方靖夫副委員長、小池晃政策委員長、広井暢子女性委員会責任者、森原公敏、笠井亮両国際局次長、中国側から王家瑞・中国共産党中央対外連絡部長、雒樹剛(らくじゅごう)・同党宣伝部副部長、王晨(おうしん)・同党対外宣伝弁公室主任、蔡武(さいぶ)・文化相、王太華・国家放送テレビ総局長、柳斌傑(りゅうひんけつ)・国家新聞出版総署長、崔天凱・駐日大使らが同席しました。